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「貧乏ゆすりと言わないで」25.薬の効果

月日の流れは早いもので
退院してから三ヶ月がたった。

退院後三回目の受診がやってきた。
日々生活をしている中で、
自分のスケジュールに合わせて薬の飲み方を変えても良いものだろうか。
喜美は小さな疑問を感じていた。

それは外出する時に限って
薬が思うように効き目を発揮してくれないからだ。
人の目がストレスからになることがあって
特に食事時に振るえていると最悪だった。

食事に集中できないし、焦るし、
味もわからなくなって来て
その場から消えてしまいたくなるほど辛いのだ。

お出かけなんかしなきゃよかったと
思うこともしばしばだった。

脳神経内科の主治医から 
「結論から言うと今処方されている薬、
アジレクトとゾニサミドの時間さえ守ってくれれば
いつ飲んでもいいですよ~。」          
という説明があった。

その日からL50mgドパコールの服用は時間を気にせずに
脳内ドパミン濃度が薄まらないように、
あるいは効果がありすぎてジスキネジアが
出現しないように自己調整をするよう工夫をした

手術をした意味がそこにあるのであれば
L50mgのドパコールを時間を細かく刻んで飲んでみようと思った。

すると右手の振るえが全くなくなったのだ。
これはかなり大きな出来事だった。
気になっていた右脚はごくごくたまに振るえがあるが、
立っていれば振えない。

薬の量も少しずつ減ってきていた。

ここから先は進行しないわけではないが
こんな風に普通に毎日の生活が送れることが
喜美は嬉しかった。

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