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「貧乏ゆすりと言わないで」14.検査結果


全ての検査が終わり、
結果を聴きに行く日になっても
手術を受けるかどうか、
喜美の気持ちはまだ固まっていなかった。

診察室で主治医に
この検査結果はいつまで有効なのか、
いつまでに返事をすれば良いのか、
入院期間はどれくらいなのか、
と矢継ぎ早に質問を浴びせたが、
悩んでいるその間に症状が進むかもしれない
でも
1ミリの可能性に賭けたいけれど
手術はやっぱり怖い
そして
気持ちがグラグラと揺らいだ

明確な決定打もなかったが、
「あたりまえの暮らし・普通の暮らし」を続けたい
と喜美の目指すところはそこなんだよな
ということを思い出し
結局長い物には巻かれろ
の気持ちで手術することにした

それくらいの気持ちで
かえって良かったのだと
後になって感じた。
誰のせいでもなく、
自然の流れで決定したことだった
そんな決め方も
自分らしいなぁと思い
つい笑ってしまった。

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