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馬乗りのカトリーヌ 「カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」に寄せて
2021年5月21日(金)より「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」がヒューマントラストシネマ渋谷にて開催される(以後、全国順次開催予定)。このたび上映されるのは『狂ったバカンス』(1962年)、『太陽の下の18才』(同)、『禁じられた抱擁』(1963年)、『女性上位時代』(1968年)の4作品だ。
それぞれの作品で主役を演じるカトリーヌ・スパ
「ドレス・コード?––着る人たちのゲーム」展を観て
先日、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「ドレス・コード?––着る人たちのゲーム」展に足を運んだ。本展は、京都国立近代美術館(2019年8月から10月)、熊本市現代美術館(同12月から2020年2月)と巡回し、この東京会場が最終の展示となる。当初の会期は4月から6月であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、7月4日から8月30日という期間が再設定された。
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シリーズ・映画配給会社プロジェクト その3. 『私の20世紀』『心と体と』
UPLINK Cloudの「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を受けて、先日から開始した「シリーズ・映画配給会社プロジェクト」。前回はホン・サンスの『正しい日 間違えた日』を紹介したが、第三回はハンガリー・ブダペストの映画監督、イルディコー・エニェディの作品から『私の20世紀』(1989)と『心と体と』(2017)の2本を取り上げようと思う(ともに配給:サンリス)。イルディコー・エニ
もっとみるシリーズ・映画配給会社プロジェクト その2. 『正しい日 間違えた日』
UPLINK Cloudの「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を受けて、先日から開始した「シリーズ・映画配給会社プロジェクト」。初回はジャック・ドゥミ『天使の入江』を紹介したが、第二回は韓国の映画監督ホン・サンスの『正しい日 間違えた日』(2015)を取り上げる(配給:クレストインターナショナル)。ホン・サンスは1961年ソウル生まれ。韓国中央大学で映画制作を学び、その後アメリカ、フ
もっとみるキング・クルール インタビュー Part 2
翌年以降の活躍が大いに期待されるアーティストを選出する「BBC Sound Of」の「Sound Of 2013」に選ばれたのが18歳の時。19歳で発表したファーストアルバム『6 Feet Beneath The Moon』は耳の早いリスナーの間で話題となり、「神童」とも称されたキング・クルールことアーチー・マーシャル。南ロンドンに生まれ、エイミー・ワインハウスやアデルを輩出したパフォーマンス・ア
もっとみるキング・クルール インタビュー Part 1
翌年以降の活躍が大いに期待されるアーティストを選出する「BBC Sound Of」の「Sound Of 2013」に選ばれたのが18歳の時。19歳で発表したファーストアルバム『6 Feet Beneath The Moon』は耳の早いリスナーの間で話題となり、「神童」とも称されたキング・クルールことアーチー・マーシャル。南ロンドンに生まれ、エイミー・ワインハウスやアデルを輩出したパフォーマンス・ア
もっとみる『サイレンス』と「無言」について
映画『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)や『シェイプ・オブ・ウォーター』(2018)の音楽で知られるアレクサンドル・デスプラが初めて手がけた室内オペラ作品『サイレンス』。昨年生誕120周年を迎えた川端康成の短篇小説「無言」を原作としたもので、1月18日にロームシアター京都で日本初演、同25日には神奈川県立音楽堂でも上演された。
病気による麻痺で執筆はおろか、会話もできなくなった先輩作家の