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食事と精神医学(2): 地中海料理を食べると、サルでも陽キャになる?〜海外文献の紹介〜

皆さんの好きな料理のタイプはなんでしょうか?

和食?フレンチ?中華?

「料理のタイプ」が生活習慣病や寿命に影響することはよく知られていますが、メンタルヘルスにも影響を与えることはご存知でしょうか?

今回紹介するのは、小生も大好き「地中海料理」のメンタルヘルスへの影響に関する科学的論文です。

過去の疫学研究において、「地中海料理」がメンタルに良いという報告は多数あります。

たとえば、多くの疫学研究をまとめた”メタアナリシス”によると、地中海料理はうつ病や認知症のリスクを減少させるそうです。

しかし、料理という食文化は、人種、宗教、生活様式、気候など様々な要因と強く結びついているため、疫学だけでは「料理とメンタルの因果関係」を明らかにすることはとても困難なのです…。

ところが最近、「マカクザル」という霊長類を用いたユニークな研究を見つけました(サルを対象とした研究は人種、宗教、生活様式、気候の影響はありませんからね)!

そして、この研究によると地中海料理はサルを「陽キャ」にするようです…(マジか!?)

皆様もパエリアやブイヤベースを喫食しながら、本記事を楽しんでいただければ幸いです。

【研究紹介】

Mediterranean Diet Reduces Social Isolation and Anxiety in Adult Female Nonhuman Primates, Johnson CSC, et al., Nutrients, 2022

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35889809/

<方法>
研究デザイン: 動物(マカクザル)を用いた、ランダム化比較研究

対象: 中年(平均年齢9歳)のメスのマカクザル

調査の流れ: 研究対象となるサルを地中海料理を食べる群17匹、一般的な西洋料理を食べる群21匹について24ヶ月(2年間)行動解析を行う。

地中海料理と西洋料理: 地中海食は、人間の地中海食を反映するために、一価不飽和脂肪が多く、オメガ6:オメガ3脂肪酸の比率が西洋食より低く、タンパク質と脂肪は、主に植物源から得られるように作られた。一方、西洋式食事は、中年のアメリカ人女性が典型的に摂取する食事を模倣して考案され、脂肪とタンパク質が主に動物性由来であり、ナトリウム、精製糖に富む食事とした。

<結果>

西洋食を与えたサルは、一匹で過ごす時間が長く、不安行動を多く示したのに対し、地中海料理を食したのサルは休息時間、仲間との身体的接触時間が長かった(図1)。

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