記事一覧

スイッチ

手は ふるえている 目が バクバクする 耳も 心臓が いろんなところにある 口からも出てきそうな 全身の鼓動 暗ぁい暗ぁい 夜にするための 毎秒ごとのスイッチ 何度…

うか
2週間前
4

雨を待つ人

 沖縄の雨は突然やってくる。突然やってきて、屋根より向こうに透明なバリケードを張り、人々の歩みを止める。買い物を終えて建物から出てきた人たちは、バリケードの向こ…

うか
3週間前
5

【その②】24歳はじめて父親を知る、の巻

「私は知ったぞ、24年の謎を。私のお父さん、カズちゃんなんだってね。」と告げる私に「そうだよ。知らなかったの?」と母。「一昨日知ったの!」と言えば、「大人になった…

うか
4か月前
8

24歳はじめて父親を知る、の巻

1999年の秋に生まれ、2024年5月8日。はじめて自分の父親を知った。 24年間ずっと、我が家では父親はいないものとされていた。というか、家族の誰1人としてその正体につい…

うか
4か月前
11

不安は取りわけよ、心は配れ

何かを、誰かを心配している人のことを心配している人がいる。その心配している人のことを、心配している人がいる。 生きていると、避けようのない耐えがたいことがある。…

うか
7か月前
6

だいたい夜はちょっと感傷的になって

「どうも、かまいたちです。どすこい、どすこい、どすこいどすこい♫」 YouTubeのかまいたちチャンネルを、永遠に観てます。「見栄っ張りや正義感が何周もしてモンスター…

うか
8か月前
4

【呪術廻戦】まずは俺を助けろ虎杖

ぐりとぐら、修二と彰、悠仁と恵。ニコイチ、相棒、ソウルメイト!そう!ふたりはプリキュア! いきなりの短歌です。虎杖と伏黒の関係性が好きすぎて、短歌まで詠んでしま…

うか
8か月前
8

もろもろ短歌

洗い立ての布をまとってまどろんで赤子のあくび清らかな風 あの人がクスッとわらってくれたから私の前髪へんでもよかった 占えばいつも人生の転換期「動けば変わる」それ…

うか
8か月前
8

優しく睫毛に憩う。まつげの表現力

まつげ、まつ毛、睫毛。すね毛わき毛はあんなに嫌われているのに、同じ毛のくせに。髪もそうだけど、まつげって、詩的だったり、扇情的だったり。ふしぎだ。特に歌詞に登場…

うか
8か月前
8

「▶︎続ける」「▶︎耐える」以外のコマンドを増やす

辞めフェチというか、物事の終わりフェチというか。辞めるの好きだなと思います。特に仕事。石の上にも三年、継続こそ努力、みたいな節はまだまだあるし、事実でもあるし。…

うか
8か月前
5

【短歌集】六畳の部屋で引きずるどこまでも3メートルある延長コード

六畳ワンルーム、ひとり暮らし。何をするにも電力がいるから、延長コードをあちらに、こちらに、引きずって暮らす。3メートルもあれば無敵なんです。だって、六畳だから。…

うか
8か月前
6

ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は/穂村弘

人生で1番好きな短歌。確か20歳で出会って、ずっと不動の1位。

うか
10か月前
3

【短歌集】君ばかりずるいよジェットコースターのスイッチ握るの僕にもさせてよ

恋について詠んだ短歌集です。タイトルの歌は1番の推し短歌。恋をすると、主導権は自分にあるはずの喜怒哀楽の全てが、相手の一挙手一投足に振り回される。というか、ジェ…

うか
10か月前
3

24歳、クラブに行く。

上京して2年、なんとクラブ遊びを覚えた私。ちょうど2年前に書いたこの記事の友人に連れられ、流され、うっかりちゃっかり楽しんできた。しかも、渋谷で終電を見送って、2…

うか
10か月前
5

「評価」とかいう、実体がなく傲慢なもの

なんかすごく強いタイトルになってしまったが…。 「何も指示をしないでも動いてくれる人」「1を言ったら10分かってくれる、察しがいい人」こういう人が嫌いじゃない人は…

うか
10か月前
7

ヴァンパイア作品研究

ヴァンパイア作品研究なんて大層なタイトルにしてしまったが、ヴァンパイアと切っても切り離せない色恋の側面から「ヴァンパイアコンテンツオタク」として好き放題言ってい…

うか
1年前
5

スイッチ

手は ふるえている
目が バクバクする 耳も

心臓が いろんなところにある
口からも出てきそうな

全身の鼓動

暗ぁい暗ぁい
夜にするための
毎秒ごとのスイッチ

何度も押して夜になる
ぐるっとまわって渦になる

地面はない 空も

ただ夜
ただ夜

雨を待つ人

 沖縄の雨は突然やってくる。突然やってきて、屋根より向こうに透明なバリケードを張り、人々の歩みを止める。買い物を終えて建物から出てきた人たちは、バリケードの向こう側を見つめている。あとから来る人も、立ち止まる人垣に「なんだ」という感じでやってきて、申し訳程度に天を仰ぎ「あーあ」「あちゃあ」などとそれぞれに呟く。傘など持っていない。突然の雨なのだから。そして、スコールが過ぎ去るのをじっと待つ。時折、

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【その②】24歳はじめて父親を知る、の巻

「私は知ったぞ、24年の謎を。私のお父さん、カズちゃんなんだってね。」と告げる私に「そうだよ。知らなかったの?」と母。「一昨日知ったの!」と言えば、「大人になったら自然と分かると思ってたから。」と、母。幼いうちは不安定になるかもしれないから、大人になってから、とは思っていたが、大人になったらなったで自然と分かるだろうと思っていた。とのこと。コイツ…。あまりにも時の流れに身を任せすぎではなかろうか…

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24歳はじめて父親を知る、の巻

1999年の秋に生まれ、2024年5月8日。はじめて自分の父親を知った。

24年間ずっと、我が家では父親はいないものとされていた。というか、家族の誰1人としてその正体について私に話そうとしなかったし、私も聞こうとしなかった。

小学3年生くらいだろうか。友達に「お父さん」なるものが存在することを知り、「自分の家にはいない」ということを認識した。片親の家庭が、両親いる家庭に比べて馬力が劣るのは当然

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不安は取りわけよ、心は配れ

何かを、誰かを心配している人のことを心配している人がいる。その心配している人のことを、心配している人がいる。

生きていると、避けようのない耐えがたいことがある。不安でたまらない夜がある。一度ではない。そういうときは、みんなで不安をうつしあえばよい。困難を分割するように、不安を取りわけよ。不安は取りわけて、心を配る。もちろん受け取ることもある。そうして、人々の間で循環していくものがある。

拳はゆ

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だいたい夜はちょっと感傷的になって

「どうも、かまいたちです。どすこい、どすこい、どすこいどすこい♫」

YouTubeのかまいたちチャンネルを、永遠に観てます。「見栄っ張りや正義感が何周もしてモンスターと化した山内の話を、横でヒィヒィ笑う濱家」の構図が好きすぎて。濱家につられて爆笑できます。

そんな感じで、この日も爆笑をキメていたら、いつも適当に飛ばすYouTubeの広告から、透き通った歌声が流れてくるではないですか。きのこ帝国

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【呪術廻戦】まずは俺を助けろ虎杖

【呪術廻戦】まずは俺を助けろ虎杖

ぐりとぐら、修二と彰、悠仁と恵。ニコイチ、相棒、ソウルメイト!そう!ふたりはプリキュア!

いきなりの短歌です。虎杖と伏黒の関係性が好きすぎて、短歌まで詠んでしまう狂いっぷり。ひと通り語った後、もう1回同じ歌出しますからね。予告しとこう。ちなみに歴といたしましては、4年ほど狂い続けております。始まったら最後、終わることのない宴。

でも記事は終わらないと困るからさ…。ほんとはもっといろいろ言いたい

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もろもろ短歌

洗い立ての布をまとってまどろんで赤子のあくび清らかな風

あの人がクスッとわらってくれたから私の前髪へんでもよかった

占えばいつも人生の転換期「動けば変わる」それは知ってた

優しく睫毛に憩う。まつげの表現力

優しく睫毛に憩う。まつげの表現力

まつげ、まつ毛、睫毛。すね毛わき毛はあんなに嫌われているのに、同じ毛のくせに。髪もそうだけど、まつげって、詩的だったり、扇情的だったり。ふしぎだ。特に歌詞に登場するまつげって、フレーズに奥行きを感じさせてくれる。じんわりと何かが伝わってくる。

そう気づかせてくれたのは、美空ひばりの愛燦燦。ひぃばあちゃんが美空ひばりを聴いていたので、子どもの頃からよく耳にしていた。久しぶりに聴き返すと、

心に沁

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「▶︎続ける」「▶︎耐える」以外のコマンドを増やす

「▶︎続ける」「▶︎耐える」以外のコマンドを増やす

辞めフェチというか、物事の終わりフェチというか。辞めるの好きだなと思います。特に仕事。石の上にも三年、継続こそ努力、みたいな節はまだまだあるし、事実でもあるし。真面目な人からしたら、とんでもないことを言ってるように聞こえるのかもしれない。仕事なんか特に、辞めたらその後どうすんの?だし、待ち受ける就活とかだるいし…。

でも、思い出してほしい。学生の頃にバイトを辞めると決めて、勇気を出して店長やらに

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【短歌集】六畳の部屋で引きずるどこまでも3メートルある延長コード

【短歌集】六畳の部屋で引きずるどこまでも3メートルある延長コード

六畳ワンルーム、ひとり暮らし。何をするにも電力がいるから、延長コードをあちらに、こちらに、引きずって暮らす。3メートルもあれば無敵なんです。だって、六畳だから。どこへでも届く。大抵のことはできる。でもその「六畳」と「3メートル」のチグハグな感じが面白くて、これこそ「暮らし」だなぁ、と思って詠みました。東京に来て数ヶ月は、テーブルもイスもないのにウォーターサーバーはある、みたいなよくわかんない状況だ

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ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は/穂村弘

人生で1番好きな短歌。確か20歳で出会って、ずっと不動の1位。

【短歌集】君ばかりずるいよジェットコースターのスイッチ握るの僕にもさせてよ

【短歌集】君ばかりずるいよジェットコースターのスイッチ握るの僕にもさせてよ

恋について詠んだ短歌集です。タイトルの歌は1番の推し短歌。恋をすると、主導権は自分にあるはずの喜怒哀楽の全てが、相手の一挙手一投足に振り回される。というか、ジェットコースターにスイッチってあるのか?いや、ないと出発のタイミングが決められなくて危険ですもの、あるはずだ。ってな感じで詠んじゃった。しかもそのスイッチは発車ばかりか、上昇・下降・停止のタイミングの全てが委ねられている無敵のソレ。君のせいで

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24歳、クラブに行く。

24歳、クラブに行く。

上京して2年、なんとクラブ遊びを覚えた私。ちょうど2年前に書いたこの記事の友人に連れられ、流され、うっかりちゃっかり楽しんできた。しかも、渋谷で終電を見送って、2度までも!3年もの間ちまちまnoteを書くような人間がクラブに⁈という感じで自分でもびっくりではある。

まず、クラブの何がいいって、音楽がガンガンにかかっていて、みんな酔っ払っていて、何もかもどうでもよくって、土壌掬いをしてもいいところ

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「評価」とかいう、実体がなく傲慢なもの

「評価」とかいう、実体がなく傲慢なもの

なんかすごく強いタイトルになってしまったが…。

「何も指示をしないでも動いてくれる人」「1を言ったら10分かってくれる、察しがいい人」こういう人が嫌いじゃない人は多いと思う。それは、なぜだろうか。一緒にいて心地がいいから?なぜ心地がいいのだろうか。楽だから?

誰かの言う「優秀」には、「自分の手がかからずに済んで楽」が潜んでいることが多い。教育が仕事である、上司や教師は特にそうだと思う。

私は

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ヴァンパイア作品研究

ヴァンパイア作品研究

ヴァンパイア作品研究なんて大層なタイトルにしてしまったが、ヴァンパイアと切っても切り離せない色恋の側面から「ヴァンパイアコンテンツオタク」として好き放題言っていこうと思う。

ヴァンパイアにハマり出したのは、おそらく小学校高学年〜中学生の頃だ。海外児童書のメディエータやヴァンパイア・ガールズ、ユリエルとグレンにはじまり、映画トワイライト。そして漫画は、私とこわれた吸血鬼、デビルズライン、ヴァンパイ

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