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【短歌集】君ばかりずるいよジェットコースターのスイッチ握るの僕にもさせてよ

恋について詠んだ短歌集です。タイトルの歌は1番の推し短歌。恋をすると、主導権は自分にあるはずの喜怒哀楽の全てが、相手の一挙手一投足に振り回される。というか、ジェットコースターにスイッチってあるのか?いや、ないと出発のタイミングが決められなくて危険ですもの、あるはずだ。ってな感じで詠んじゃった。しかもそのスイッチは発車ばかりか、上昇・下降・停止のタイミングの全てが委ねられている無敵のソレ。君のせいで僕の感情は上がったり下がったり、旋回したりと忙しない。ずるいぞ!僕にも君のスイッチを渡しなさい!そういう歌です。かわいいね〜。

というように、自分が詠んだ短歌について自分で感想をつけるという恥ずかしいやつをやります。小説家とかが好きな歌人の歌ひとつひとつに自由な感想や解釈を語る、みたいな本はよく見るけど、私は自分でやるという。だって誰もやってくれないし←あたりまえ!

コンビニのコシが全然ないうどんあなたと食べた時は美味かった

恋はマジックですね〜。前に付き合っていた人と某コンビニのうどんを食べたとき、すごく美味しかったんです。別れて数年後、同じうどんを食べるとナニコレ!コシがない。美味しいうどんの味を知ったわたし。夢から覚めたわたし。大人になるって、こういうことか〜。

俯いてなにか言いかけたくちびるに歯を突き立てて爪を見る君

↑これになったことがある人は少なくないのでは。言いたいこと、言わなきゃいけないこと、言わなくてもいいこと。その全部が頭の中を駆けめぐって、適切な次のひとことが見つからない。そんなズーンと沈んだ空気に耐えられなくて、俯いて口をつぐむ。視線はどこへやったらいいのか分からないけど、俯いているから床か、自分の膝か、自分の指の爪をみつめるしかない。あぁ、首が痛くなる。

つま先に力のかかる恋なんて後に残るは筋肉痛です

そう思いませんか?好きな気持ちはアドレナリン。最初は気にならなかったことも、だんだん違和感になって、決定的になっていく。背伸びして、自分ばかり合わせようとして、実は無理していたことに気づく。相手も同じかもしれないけど。後に残る痛みは無理した代償。恋はマジックですね〜。(2回目)でも、筋肉は筋繊維が傷つけば傷つくほどに成長しますから!心の痛みは知らないけどね。

アルバムで海と検索するとほら、決まって映っている人がいる

綺麗な写真を見返したくなって、iPhoneのアルバムで「海」と検索したとき。お分かりいただけただろうか…。必ず写り込んでいる人影を…。心霊ではありません!名前で検索したわけでもないのに、その人が出てくる。しかも、美しい景色とともに。つまりは自分の心が動く瞬間、その人はいつもそばにいてくれたんだなと気づく歌です。「美しい景色」と「愛する人」のハッピーセットで胸がほかほか。恋というより愛に近い歌でした。

いきていて、だれでもないときあなたが浮かぶたとえば納豆まぜてるときとか

「いきていて、だれでもないとき」ほかにどんな瞬間があるかな〜と考えてみたけど、なかなか見つからず…。お風呂入ってる時とかかな。そういう、ぼーっと難しいことを考えないような時間、何者でもない気の抜けている時間に、何となくあの人が浮かんでくるなぁ、って歌です。

これも恋というより愛ですね、愛シリーズ。恋ならたぶん、タイトルのジェットコースターの短歌みたいに、天まで高くぶち上げられるのも、地の底まで突き落とされるのも、いつか分からない。だからずっと相手のことを見ておかなきゃ!考えておかなきゃ!と脳内をハックされると思うから。

以上、恋について詠んだ短歌集でした。お次はひとり暮らし短歌集をアップします。

#創作  #創作短歌

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