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パレスチナ 30年の移り変わりとNGOの活動(30周年企画)

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JVC(日本国際ボランティアセンター)がパレスチナで活動を開始してから2022年で30周年を迎えました。残念ながら状況は悪化の一途を辿って来ましたが、その中で出会った人々やJVC… もっと読む
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記事一覧

宗教者間対話から考えるパレスチナ/イスラエルの平和

宗教者間対話から考えるパレスチナ/イスラエルの平和

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第九弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第九弾となる今回は、2007年11月にパレスチナ/イスラエルからユダヤ教、キリスト教、イスラム教の宗教指導者で学識者のお三方を招いて行われた公開シンポジウムの様子をお届けしたいと思います。

このシンポジウムは、2007年に仏教系NGOネットワーク

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自分たちの身は自分たちで守る

自分たちの身は自分たちで守る

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第11弾】

日本では学ぶ機会の多い「救急法」、みなさんは日常生活で使ったことがあるでしょうか?幸い私は私生活でそのような場面に遭遇したことがありません。

パレスチナでは、救急法自体を学ぶ機会はあまりないものの、必要となる機会は大変多く、今回は東エルサレムで実施していた学校保健の活動についての記事をご紹介します。

その前に、なぜパレスチナでは救急法が必要と

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自分たちになにができるのか?

自分たちになにができるのか?

パレスチナ30周年特集記事の最後に
こんにちは、JVCエルサレム事務所の大澤です。

これまで約半年にわたって過去のJVC会報誌「Trial&Error」の記事をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
ご紹介してきた記事を読んでいただくとわかるように、パレスチナの情勢は大変厳しく、暗い話が多くなってしまい、「人間」の存在に嫌気がさすこともありますが、そんな状況の中にある希望はやはり「人」だ

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パレスチナの声、イスラエルの声     

パレスチナの声、イスラエルの声     

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第八弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。
その第八弾となる今回は、2005年にパレスチナ・イスラエルのNGOスタッフを招聘して日本全国9か所で行われたシンポジウム「パレスチナの声、イスラエルの声~医療の現場から築く対話」の報告をお届けしたいと思います。

1992年にオスロ合意が結ばれたもの

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ガザからの声

ガザからの声

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第十弾】

今回は、JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)の中から、2008年12月から翌年の1月まで23日間にわたって続いたイスラエルのガザに対する軍事攻撃に関する記事「ガザからの声」をお届けします。
 
みなさんは”テロリスト”と聞くとどんな人たちをイメージするでしょうか?
私たちJVCはいかなる暴力に対しても反対します。しかし、”テロリスト”と

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「自分らしく」あるために

「自分らしく」あるために

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第12弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第12弾となる今回は、2020年9月に開始し、現在(2023年)も継続している東エルサレムでの「女性のためのエンパワメント事業」をお届けしたいと思います。

前回(第11弾)の記事でもご紹介したとおり、東エルサレムはイスラエルの占領下にあり、そこ

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2つの選挙とその行方

2つの選挙とその行方

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第七弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」でふりかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第七弾となる今回は、2005年から2006年にかけて行われたエルサレムでの「2つの選挙とその行方」についてお届けしたいと思います。

1992年のオスロ合意(Ⅰ)を受けて1996年に実施されたパレスチナ暫定自治政府(当時)の選挙の様子は、以前こちら

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人々とともに、平和をつくる     ~子ども平和図書館@エルサレム~

人々とともに、平和をつくる     ~子ども平和図書館@エルサレム~

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第六弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第六弾となる今回は、1998年から始まった「エルサレム子ども平和図書館」をはじめとした「平和構築事業」についてお届けしたいと思います。

1997年、文化・教育に関する新プロジェクトのための調査活動が行われました。なぜ「文化・教育」だったかといいま

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和平の兆しと挫折・・・

和平の兆しと挫折・・・

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事第三弾】

トップの写真は、パレスチナ・ヨルダン側西岸地区のベツレヘムにある難民キャンプの入り口で、鍵と鍵穴がモチーフになっています。1948年に難民となったパレスチナの人々は、いつ戻れるかわからない自分の家の鍵を持って各地に避難しました。それから70年以上経った今も戻ることは叶わないまま、しかし「いつかは自分たちの土地に帰る」ことを胸に、鍵を大切に保管していま

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新しい歴史をきざむパレスチナ

新しい歴史をきざむパレスチナ

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第四弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第四弾となる今回は、1996年の出来事をお届けしたいと思います。

1996年1月20日。「新しい歴史をきざむパレスチナ 歴史的な選挙を控えて 急速に進む和平プロセス」というタイトルで当時の駐在員(吉田進さん)によって書かれた記事(後述)を含む「T

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パレスチナの中のマイノリティ支援~遊牧民ベドウィンとのチームワーク~

パレスチナの中のマイノリティ支援~遊牧民ベドウィンとのチームワーク~

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第五弾】

 JVC会報誌「Trial&Error(通称TE)」で振りかえる「JVCパレスチナ事業の30年」。その第五弾となる今回は、1995~1997年にかけて実施した「視覚障がい福祉事業」についてお届けしたいと思います。

1995年から、JVCでは植林事業と並行して、ヨルダン川西岸地区(以下、西岸)で現地NGOのパレスチナ医療救済委員会連合(UPMRC)

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占領下のオリーブはいつ咲くか?

占領下のオリーブはいつ咲くか?

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事・第二弾】 

第一弾で、JVCパレスチナ事業のはじまりについてのインタビューをお届けしましたが、第二弾からはJVCがパレスチナで具体的にどのような活動をしてきたのか、についてお伝えしていきます。

JVCがパレスチナの地に調査に入ったのは1992年、資金的な問題と情勢の不安定さから1年ほどは事務所や駐在員を置かず、出張という形で日本とパレスチナを行き来していま

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激動の中東とともに          ~JVCパレスチナ事業発足の舞台裏~

激動の中東とともに          ~JVCパレスチナ事業発足の舞台裏~

【パレスチナ事業30周年 ウェブ記事第一弾】                

1992年にJVCがパレスチナでの支援活動を開始してから、30年が経ちました。この間、パレスチナではオスロ合意(1993年)およびパレスチナ自治政府の設立(1994年)で和平への期待がふくらみましたが、第二次インティファーダ[1](2000年)で再び緊張が高まり、ガザ地区の封鎖(2007年)やたび重なるガザ地区への攻撃

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