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『わたし、定時で帰ります。』第4話 夢は持たなきゃいけないのか?

簡単なあらすじ(ネタバレ有り)

会社に寝泊まりすることもある、ワーカホリックの社員吾妻(柄本時生)の勤怠が問題視される。部長からも指摘されるが、自分には自分の働き方があると聞かない。そこに、一人の天使が舞い降りる。派遣で来たデザイナーの桜宮は、人付き合いが苦手な吾妻に対しても話しかけ、男なら簡単に転がされそうな魔性の女のようだった。ミーティングで部長に怒られた直後、桜宮に吾妻が手掛けた仕事を褒められ、「一緒に仕事してみたかったんですぅ♡」と言われると、ついつい笑顔になってしまう。

定時で帰る東山は、チームに定時を推奨し、桜宮も喜んで定時に帰る。桜宮が木になる吾妻も、「定時で帰る効率アップの仕事術」を東山に学び、定時で帰るようになり、雰囲気も明るくなっていく。女性を食事に誘う方法を男性社員に聞いたり、積極的になっていく。

そんなある日、定時で帰る桜宮を追いかけるように、定時ギリギリで仕事を終え、勇気を出して食事に誘うが、少しヒヨった吾妻は、居合わせた東山を強引に誘って3人で食事に行く。そのお店はおしゃれなイタリアンで、30歳の店長は、27歳にしてオーナーシェフになった。「30歳になるまでに自分のお店を持つのが夢だった。お客さんに喜んでもらうのが生き甲斐だから」と、100点の答えを笑顔で話す。桜宮はその話を聞いて感動し、吾妻にも、「腕も実績もあるのに、独立は考えてないんですか?夢とかあるんですか!?」と詰め寄るが、会社のキャリアシートにも、今後の希望は「特になし」と書いている吾妻は、何も答えられなかった。帰り道、東山はフォローするように、「凄かったね、店長さん。あんなふうに生きられる人なんて、ごく一部だろうし・・・」話すが、「もういいや。なんか疲れた。」と恋というドーピングが切れてしまった吾妻。

翌日、吾妻から午前半休を取るという連絡が入るが、前日の仕事でミスが発覚する。吾妻にも連絡が取れず、種田(向井理)がフォローしてこと無きを得るが、部長からが相当絞られる。吾妻はまた残業をしており、至福のビールを終えた東山は、吾妻のことが気になって会社に戻る。

「人生が72時間だとしたら、40時間は家で過ごす。」

会社で過ごす時間が長いと、変わってくるね。そう話しかけると、「人生なんてどうせ暇つぶしだろ?」と答える。会社に泊まるのも、家に一人でいても滅入っちゃうから。やりたいことがあるわけじゃないし、夢があるわけでもない。才能もなくて、出世もできない。楽しみなんてない。その言葉に東山は、

「そうかなぁ。でも私たちにはあるよ?給料日(^^)」
「皆そんなもんじゃないの?私だって、仕事終わりにビール飲んで、帰ってドラマを観て、好きな人と話をして。それが私の幸せだから。」

語ってしまって照れる東山は帰り際に、「最近コーヒー美味しくなったよね!」と言い残して帰る。

その言葉に、何の楽しみも持てなかった吾妻は、残業するも早めに切り上げ、桜宮といったコーヒーショップに行く。家でコーヒーを飲むという楽しみを見つけたのだった。

東山行きつけの中華料理屋に、種田もやってきた帰り道、タクシーに乗る部長と桜宮の姿を目撃してしまう。


仕事のペースは人それぞれ

会社であっても、働き方は人それぞれですよね。残業する以上、給料が発生してしまう為、仕事が遅い、できない人ほど給料をもらうことになってしまいます。会社としては、時間内に最大限の仕事をしてもらうのが理想でしょう。

吾妻は、残業はするし、会社に泊まることもありますが、それでも仕事は彼のペースできっちりとこなしていたのです。そこに、天使が現れたことで、東山に習い、定時で帰れるように努力しました。しかし、結果的にはそれにより仕事でミスをします。思いを寄せる桜宮は、自分には無い「夢を持っている人」に好感を持っている姿に、吾妻は無理して頑張っていたことで、疲れてしまいました。

働き方は前と戻ったようでも、変わったこともありました。「夢」はまだ持てなくても、「楽しみ」は見つけ出せたのです。

夢は持たなきゃいけないのか?

夢を持つことは素晴らしいことだと思います。ただ、注意すべきなのは、夢を持つことで満足してしまうことです。イタリアンの店長のように、叶えるために夢を持つのはいいと思います。ただ、「俺、こんな夢を持ってるんだよ」と、それが自慢になっていたり、それで満足して終わってしまうことがあります。「夢物語」「夢想家」と言う言葉がありますが、夢を持つことが目的になってはいけません

夢を持つことを推奨することは悪いことではないと思いますが、夢は持たなきゃいけないものではない。だからと言って、持つだけで満足する「夢」を持っても意味はない、そう思います。

私にも夢はあります。昔は「プロ野球選手」とか、「Jリーガー」とか、言ってたこともありました。なぜか「職人」(何の?)と言ってた時期もあります(笑)今持っている「夢」は、一つではないし、具体的なものとそうでないものもあります。明確な「夢」を持つことも、それに縛られてしまうのかなぁとも思います。私が持っている「夢」は、叶わなくても良い、叶ったら尚良し、という感じです。だから負けなしです(これぞジョーカー的思考!)。絶対に叶えてやる!なんて夢はありません。

その時々で夢は変わるし、変わらないものもあります。変わらないもの程、具体的ではないのかもしれません。
私にとって「夢」は、叶える為に持つのではなくて、有意義な人生にする為に持つもの、と言えるかもしれません。
吾妻が言っていたように、「人生は暇つぶし」なのかもしれません。「そんな訳ないだろ!」と言いたい人もいるかと思いますが、もしそうなら、思いっきり暇つぶしを楽しめばいいんだと思います。仕事しかない人生や、やらなきゃいけないことしかない方が、息が詰まってしまいます。

「夢」を持っていない人でも、それ自体悪いことでもなんでもありません。むしろ「夢を強要する奴」の方が悪いです。
夢なんて、探さなくても見つかるものです。見つけようとしても見つからないものなのかもしれません。見つけるのをやめた時、見つかるものなのかもしれませんね。

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