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『チョコレートドーナツ』を観た話
『チョコレートドーナツ』という洋画を観た。
この話は男性同士のカップルが、不遇な環境にある障害を持った男の子を育てるという話だ。1970年代の実話を基に作られたこの話は、まだ同性カップルに対する風当たりも強く、終わりもハッピーエンドではない。
同性であるから差別を受け、結婚という形に昇華すらできず、子供の保護権をもらえないという実態は、今もなお残っている。なぜ、同性を好きになることが差別に当た
『君を描けば嘘になる』を読んだ話
綾崎隼の『君を描けば嘘になる』を読んだ。
個人経営のアトリエに通う二人の天才生徒の物語だ。
最初のページから手が止まらなかった。アトリエ教師の視点、一人の天才生徒の妹の視点、アトリエから去った凡人生徒の視点から語られる二人の関係値は謎に包まれていた。
一人の天才、瀧本灯子は、癇癪持ちで人との距離が測れず、学校にも行けないような少女だが、描きたいという衝動に体を任せ、絵のみならず立体制作にも才
今や学生の初対面はネットって話
春から大学一年生になる。そんなに有名なところではないから、受かってからしばらくしてもTwitterで春から○○生みたいな書き込みを見たことがなかった。
「#春から~」。学生(高校・大学)は、SNSをやっている人であればほとんどがこのハッシュタグを知っていると思う。簡単に言えば「入学前に知り合いがほしい」人たちが繋がりを求めて使っている。
私はもともとこうした繋がりが閉じたコミュニティすぎてあま
『アイデアのつくり方』を読んだ話
ジェームズ・W・ヤングの『アイデアのつくり方』を読んだ。元は知人の家にあった本で、譲り受けたものだった。
この本の中で、著者がアイデアのつくり方について述べる部分は11~62ページのたった52ページだった。短く簡潔にまとめられたこの本は、「アイデアをつくるプロセスを踏むのは誰でも簡単にできることだが、仕組みが分かったとしてもそれを実行せる人は少ない」という著者の主張を明確に裏付けているように感じ
『ザリガニの鳴くところ』を読んだ話
ディーリア・オーエンズの『ザリガニの鳴くところ』を読んだ。幼少から一人で湿地の小屋に暮らす少女の物語だ。
私が読んだ小説の中で、これほどに胸が痛くなる作品はなかったように思う。この小説には別れの場面が多く使われている。新たに人と出会っても、そこに知らず知らずのうちに別れを見出してしまう主人公がいる。その姿を客観的に見ることで読者に主人公の孤独が伝染する。
孤独といえど、主人公は一人ではなかった