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フィンランドの歴史における女性作曲家たちの祭典/第6部:ソフィ・リテニウス
ヌップ・コイヴィスト=カーシク著(2020年9月25日掲載)
ソフィ・リテニウス(1847-1926)は、フィンランドの声楽と音楽教育の歴史において独自の役割を果たした、多作家かつ精力的な小学校教師であり、作曲家であった。
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ソフィ・リテニウスは、トゥルクの旋盤職人であるヘンリック・リテニウスの家に生まれた。彼女の家族は、父親は熱心なアマチュアのフルート奏者、ソフィの兄のアントン
フィンランドの歴史における女性作曲家たちの祭典/第5部:アレクサンドラ・ゼレズノーヴァ=アルムフェルト
ヌップ・コイヴィスト=カーシク著(2020年1月23日掲載)
作曲家、アレクサンドラ・ゼレズノーヴァ=アルムフェルト(1866-1933)は、サンクトペテルブルクにおけるフィンランド人コミュニティの一員であり、自身のキャリアをフィンランドの外側で築きあげた。彼女の生涯と作品を概観すれば、我々の音楽史に対するコスモポリタンの持つ特徴への理解を深め、20世紀への変わり目におけるサンクトペテルブルク、
フィンランドの歴史における女性作曲家たちの祭典/第3部:ラウラ・ネーツェル
ヌップ・コイヴィスト=カーシク著(2019年8月9日掲載)
作曲家、ラウラ・ネーツェルは当時、著名な音楽家であると同時に、慈善家としても讃えられていた。フィンランド東部のサヴォ地方で生まれ、ストックホルムでその生涯を送った彼女は、この地で多作な作曲家として、またさまざまな慈善団体における旺盛な活動家として知られるようになった。
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ラウラ・ネーツェルは自身の生涯のほぼすべてをスウェ
フィンランドの歴史における女性作曲家たちの祭典/第2部:アイネス・チェチュリン
スザンナ・ヴァリマキ著(2019年5月2日掲載)
フィンランド・ヴァイオリン作品におけるレパートリーのパイオニアであり、ヨーゼフ・ヨアヒムの学派のヴィルトゥオーゾ-これは作曲家でありヴァイオリニストであったアイネス・チェチュリン(1859-1942)に当てはまる、格好の呼び名である。彼女はヘルシンキ音楽学校(現在のシベリウス音楽院)の最初期における花形学生であり、後に傑出した国際的なキャリアを築
フィンランドの歴史における女性作曲家たちの祭典/第1部:男女平等のために戦う活動家たち
スザンナ・ヴァリマキ、ヌップ・コイヴィスト=カーシク著
(2019年2月8日掲載)
フィンランド音楽の歴史において、作曲を行った女性は意外にも数多くいる。19世紀から20世紀初頭までの時期だけを見ても、30人近くもの興味深い人物を見出すことができるだろう。本シリーズはこれらの女性たちの生活と音楽について論じている。これは読者諸君が、フィンランドの古典的な作曲家における、未だ調査されていない大部分
イルマリ・ハンニカイネン―『フィンランドの伝記辞典』(2011)から邦訳
イルマリ・ハンニカイネンはシベリウス音楽院設立当時からのピアノ教授であり、フィンランドにおける重要な世代を担う音楽家たちを育てました。ハンニカイネンの作品に見られる強い感情的な要素は、彼をフィンランドの最も重要な作曲家のひとりたらしめています。彼はフィンランドのピアノ音楽を印象主義的な色彩感で一新してゆきました。
イルマリ・ハンニカイネンは1892年にユヴァスキュラで生まれました。彼はペッカ・
セリム・パルムグレン―『フィンランドの伝記辞典』(2011)から邦訳
セリム・パルムグレンはフィンランドのピアノ音楽を確立した人物であり、ピアノ協奏曲を作曲したフィンランドで最初の作曲家である。彼は想像力溢れる芸術家でありながら優れた解釈も持っており、また自身の作品の解釈者としても国際的な名声を集めていた。1930年代と1940年代においてパルムグレンはフィンランドの音楽界の中で非常に影響力のある存在となっており、シベリウス音楽院の初代作曲科の教授を勤めていた。