エッセイ

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57 紙の上の理解者

最近、考えごとが溢れてしまうのか、夜になると紙に歌詞を書き出すことが多くなった。

いつも近くに置いてあるB5のコピー用紙の束から、1枚白紙を取り出して、最初に思いついた言葉をボールペンで書き下ろす。1行、そこに、さっきまで頭の中にあった思いが活字となって現れる。

インクが乾くより早く、続けてまた次の言葉を書く。そして、そして、次々と、あっという間に4行ほどになって、そこで一息ついてはじめから読

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56 思っていることを言う

父親に殴られた記憶が2つある(もちろん教育として)。実際にはもっと殴られた気がするんだけど、記憶に残っているのは2つ。1つは僕の筆箱の中が汚くて怒られた時(小学生の時かな)と、もう1つは中学の文化祭の時。今日話したいのは文化祭の時の話。あれは確か中学1年生。

僕のクラスの出し物は演劇で、「新撰組」がテーマの劇だった。僕は沖田総司の役をやることになって、剣道着の様なのを着て、竹刀を腰にくくりつけて

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55 夢は大変

空を飛ぶことが小さい頃の夢だったんだけど、いざ高いところに昇ってみたら足がすくみました。ただ昇るだけですくむのだから、空を飛ぶというのはどんなに恐ろしいことか。

人生をかけて作品作りをしている人や、お金をたくさんかけて事業を成功させようとしている人が僕の周りにはいる。「かける」という文字は、本来は「懸ける」と書くのかもしれないけど、僕が見るに、その人達の場合「賭ける」だ。ほとんど狂気のような姿勢

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54 生きてるフリ

どんよりとして、浮かない日々の正体は、プチ虚無感でした。

何も手につかない昼下がりに、悩み疲れた夜の終わりに、嫌々起きた朝のシャワーの時間に。なんだかすべてが面倒臭くなって、「何をしてるんだろうなあ」と、今自分がこの世界に存在していることが不確かに感じる瞬間がある。虚無感といったら大袈裟だけど、右でも左でもない、なんだかわからない気持ち。

忙しいというのは良いなあ。忙し過ぎるとそれはそれで愚痴

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53 這い上がるんじゃなくて、一生懸命に逃げて来ただけ。

自分の今の人生を評価するなら、「下の中」っていう所。下の下ではない。這い上がった感が正直ある。だけど、世間を見渡すと、まだまだ全然下の方にいる自分に気付く。卑屈になっているわけでもなく、変に謙遜しているわけでもない。ただ、直感的に出てきた評価は「下の中」だった。

何を指標にしているかというと、「ストレスの無さ」。世の中はストレスに溢れている。そして、人類はストレスから逃れるように進化して来たよう

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52 アートは健康に良い。

めちゃくちゃ真面目にやりたい時と、意味わからないくらいふざけたい時と、両方あるけど、やっぱりふざけている時の方が気持ちがいい。なぜだろう。

社会人になってから、なんとなく自分の中に出来た指標のひとつに「仕事中はA型って言われるようにする」っていうのがあるんだけど、つまり、僕自身本当はO型なんだけど、仕事は丁寧にする人と思われたいからそんな言葉が指標になった(A型の人は几帳面というから)。で、

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51 夢見るリアリスト

最近、太宰治の『人間失格』を読んでいる。このあいだ本棚を見るともなく見ていたら、手が勝手にその本を取り上げていた。

「恥の多い生涯を……」と冒頭の文章を思い浮かべながらページを開くと、実際の書き出しは、"私は、その男の写真を三葉、見たことがある。"だった。そうだ、そうだったと思いながら読み進めていると、これが、やっぱりというか、改めて面白い作品だなあと、どんどんページが進んだ。

『人間失格』を

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50 心の守り方

キャパを超えた嫌な感情を、その都度その都度うまく逃がせる人は良いけれど、僕は昔からそれが苦手だった。

仕事をしていると、どうしても気持ちをこらえなければいけない瞬間というのがあって、結構しんどいし嫌になることもある。例えばミスをしてしまったり、怒られたり、会話がうまく出来なかったり。

二十歳から社会に出て、仕事をするようになってもう十年以上。だけど僕の心は依然弱いまま。というか、十年やって気付

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49 たった二日の間に

数日前、風邪をこじらせて丸二日寝込んでいた。なんの仕事もせず、味がはっきりとしない舌でご飯を食べることと、ベッドに寝転がってスマホゲームをいじったりすることと、眠気が訪れる度に眠ること、それだけを繰り返しながら過ごした。

熱は出なかったので、そういう辛さはなかったのだけど、肺のあたりというか、あばらのあたりというか、だいたいそのあたりに乾電池を舐めるみたいなピリピリとした変な違和感があって、ああ

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48 眠るように

昔、「愛する人と心中することが人生の幸せなのかもしれない」と思ったことがあった。

かなり前のことなのに、なんで急にそんなことを思い出したのか。憂鬱かな。月曜日だからかな。あ、今日は金曜日だ。憂鬱に曜日は関係ないね。

朝、目覚ましに起こされて体を半分起こす。目をつむったまま、起きようとしているのか眠ろうとしているのか。今朝はいつもより早い時間に起きたせいかすこぶる眠い。睡眠は欲望なのだから、この

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