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雨の粥
2022年7月22日 21:53
混沌の中に落ちている、僕は風呂に潜る恋人は独りきりで歩いている線路の下で手摺りがゆっくりと燃えている、ビラ配りの人びとがいるスーパーマーケットでポップソングが流れている布団を干してあるベランダを見て、寝室のベッドに潜り込みたいと考える公園で、自分が着る服のことを考えている僕らは何かを我慢している、バイクが風を切って走る、僕らは不満を持っている放課後の職員室の前を歌いながら歩いたことを
2022年6月14日 21:31
机上の紙に何が記されていたのか、今となってはもうわからない紙の上の文字は姿を消してしまったかつてそこに描かれた軌跡は残されていないプールサイドにあるジャグジーの泡だけがその内容を知っているそれは飛び込み台について書かれた不思議な詩だ有名ではないが誰もが知っている詩、つまり電光掲示板に映し出されるロケットだ詩人は口笛を吹くように呪文を唱えている森の木々の最初の一本はどれだろうかと考え
2022年6月5日 22:58
ろうそくの信頼が、おやすみのキスと夜明けのさよならの間で揺れる生命の割れたガラスは椅子の上で動けないでいるどこへも行けない幼い魚たちがそこではわずかな言葉をもち、窓枠で悶えている石鹸のないバスルームの陰で、幼い魚たちの声が聞こえるだろうかそれぞれの鼓動は泡の中で涙を流している真夜中の悲しさがこだまするのは、ヘアドライヤーの音が沁みこんだ冷蔵庫コードの繋がっていないそれは、新しいドレス
2022年5月31日 21:50
捉えどころのない森捉えどころのない森があるそれは雨傘のゆううつを感じさせる午睡の夢窓の外の天気に気分を左右されてはいないだろうか曇り空から天使が降りてくる瞬間に賭けていると言ってもいい天空は歩行者たちの願掛け井戸だだが投げられたコインが落ちてくることはないそれらは世界を見守る星たちの卵なのだからそして夢で見るその森の光景だけが、そのことを証明する鍵であるように思われる木々の間
2022年5月27日 22:44
無人遊戯それは夜毎、静かな空間を求め、そこに身を置きたがる白い壁に囲まれた閉じた場所でそこでは無機質な草木が植えられ、月の光がアスファルトを包む人工的な照明がわずかに残る無人地帯で微かな光は闇に溶ける婦人服のマネキンを集めた部屋があるリノリウムの床は静かだ、コンクリートの壁は白いブラインドの降りていない窓から月の光が差し込む時刻とともに月は上空で弧を描き、プラスチックの体表