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記事一覧

失敗しにくい糖質オフ②実践編

失敗しにくい糖質オフ②実践編

前稿での失敗パターンを踏まえて、失敗しにくい糖質オフの方法を考えます。

※なお、糖尿病で治療中の方は、薬との兼ね合い等で注意点があるので、このまま取り組まないようにお願いします。

糖質オフの進め方理論
前稿にも書いた通り、一言でいうと、「糖質オフとは、たんぱく質を消化吸収代謝できるようになったら、少しづつエネルギー代謝を糖質から脂質にシフトしていくこと」となります。

*まず、たんぱく質、脂質

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失敗しにくい糖質オフ:その① 失敗のパターン

失敗しにくい糖質オフ:その① 失敗のパターン

こちらの記事の続きです。

糖質はオフしたほうがよさそう…とは思うものの、糖質制限は危険だ、続かない、痩せないetc、様々な反対意見があります。

それらの懸念を解きほぐしながら、安全な糖質オフの導入を考えてみます。

糖質オフ(糖質制限)のよくある失敗パターン

糖質オフが“危険だ”と言われる背景には、この食事法が失敗しやすいことと関連していると思われます。

どちらかと言えば、食事法が間違って

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糖質の悪影響な面

糖質の悪影響な面

前稿(↓)の続きです。

糖質は身体のエネルギーになる重要な物質ですが、摂取しすぎると脂肪になりやすいことを見てきました。

また進化の経緯で、身体は糖質をコンスタントに過剰に摂取することが想定されていないため、過剰な糖質には思わぬ悪影響があることも知られます。

血糖が高いことの影響血糖が高い際の不利益を考えます。

短期的には、人体は高血糖にはある程度耐えられます。太古の人類も、果物の結実期な

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糖質オフの考え方

糖質オフの考え方

「糖質制限」、今では知らない人はいない言葉となっていると思いますが、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

ある人は常識だといい、ある人は危険だという…
ネットで見ても、両極端な言説がならんでいるようです。
おそらく体質(遺伝と育った環境)の影響をうけるため、全員が同じではないからいろんな説が出ているように思えます。

正直なところ、私にも正しさを判定することはできないのですが、現在わかっている

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本当は怖くない鉄分②:フェリチンは危ないという誤解

本当は怖くない鉄分②:フェリチンは危ないという誤解

本当は怖くない鉄分;鉄分の摂り方記事のつづきです。

貯蔵鉄フェリチンの基準値についてはこちら(鉄分・貧血に関わる検査データのよみ方)を参照ください。

貯蔵鉄;フェリチンは細胞の中にあり、さまざまな鉄利用にそなえて貯蔵されています。

一番の鉄利用先は赤血球(ヘモグロビン)です。
なので、フェリチンは赤血球づくりへの利用が優先され、低フェリチンになっても、見かけ上貧血とならないという現象が起こり

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本当は怖くない鉄分;鉄分の摂り方

本当は怖くない鉄分;鉄分の摂り方

鉄分について、

につづき、鉄分の摂取の考え方を書いてみます。

また、一部ネット言説で「フェリチン値が高くなるのは危険だ」というのを見ますが、これは誤解です。フェリチンの意味についても解説します(後半こちらへ)。



結論から言うと…

● 月経のある女性と成長期までの子どもは、積極的に鉄分補給を考えた方がよいでしょう。
鉄分入りの食品や、鉄剤の利用も考えます。
同時にたんぱく質もしっかりと

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鉄分の重要性~「貧血」だけではない必須ミネラルです

鉄分の重要性~「貧血」だけではない必須ミネラルです

鉄分は貧血予防になるミネラル分だという事はよく知られていると思いますが、実は鉄が重要なのは赤血球(貧血)だけではありません。

当たり前ですが、鉄分は身体の中で“金属の鉄”として存在しているわけではなく、“鉄イオンとたんぱく質が結合した状態”で存在しています。
たんぱく質とは、ヘモグロビン、トランスフェリン、ヘモジデリン、ミオグロビン、チトクロム、そしてフェリチンなどの種類があります。

これだけ

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自閉症のエピジェネティクス②:環境要因としての妊娠

自閉症のエピジェネティクス②:環境要因としての妊娠

前稿では自閉症の発症に対する、遺伝と環境要因について考察しました。
中でさらっと書いてきましたが、自閉症は胎児期の環境の影響をうける、とかなり恐ろしい知見がありました。

二卵性双生児ときょうだいでの比較研究がされていない以上、医学的に「そうだ」と断言はできないのですが、可能性がある以上、できる限りは対応するにこしたことはないと思います。

母胎環境の要因として考えられることは、お母さん自身の栄養

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自閉症のエピジェネティクス①:環境要因について考える

自閉症のエピジェネティクス①:環境要因について考える

前々稿、前稿と『遺伝子と環境の気になる関係』を見てきました。(下記記事)

〈参考記事〉
遺伝子と環境の気になる関係①:エピジェネティクス
遺伝子と環境の気になる関係②-1:環境への適応
遺伝子と環境の気になる関係②-2:体質と発達〉

私たちは、遺伝子にすべて規定されているわけではなく、環境の影響も強く受けて、柔軟に変化しながら生きていると、なんとなくでも理解できたでしょうか?

その中で、双子

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野菜の栄養

野菜の栄養

野菜について、第3弾です。
第1弾、第2弾では、野菜の栄養素:食物繊維、フィトケミカルについて見てみましたが、従来の野菜のイメージは「ビタミン・ミネラルが豊富」ではないでしょうか?

本当にそのイメージは正しいのか、野菜や果物の栄養について考えます。

この記事は、公式ブログ(2020.09.09)のものを、一部改変し転載しています。

野菜の栄養価は変化している? *野菜の栄養が減っている説

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野菜の効用②:抗酸化活性

野菜の効用②:抗酸化活性

前稿につづき、野菜の重要性について考えてみます。

この記事は、公式ブログ( 2020.08.31)のものを、一部改変し転載しています。

植物特有の栄養素:フィトケミカルフィトケミカルについては、以前の稿でも触れましたが、抗酸化物質としての役割があります。

抗酸化物質は、それぞれが連携しながらネットワークを形成しています。(中略)ネットワークを助ける物質として、フィトケミカルが関わっていること

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野菜の効用①:食物繊維と腸内細菌

野菜の効用①:食物繊維と腸内細菌

今まで、栄養関連の記事で“たんぱく質(特に動物性)”を推してきました。
理由は、たんぱく質が身体の「構造と機能」の主成分だからです。たんぱく質なしに人の身体は、形を保つことも臓器を働かせることもできないのです。

たんぱく質が不足しない身体を作ることは、病気を治すことの他、健康に暮らすこと、能力を発揮すること、アンチエイジングや美容についても、もっとも優先度の高いことと理解してほしいと思います。

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プロテインの取り入れ方

プロテインの取り入れ方

私は、個人の生まれ持った(遺伝的)生理機能を余すところなく使う(不調を感じずに生きられる)ためには、十分なたんぱく質が摂取されている必要がある、と考えていて、以前、たんぱく質の盛り方記事を書きました。

そこでは「プロテイン食品」については触れていなかったので、取り入れ方について考えを書いてみます。

ちなみに、プロテイン(=protein)とは、英語でのたんぱく質のことですが、記事では栄養素とし

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プロテインの摂り方の具体例

プロテインの摂り方の具体例

前稿につづき、プロテインの取り入れ方の具体例を紹介します。

※ 尚、記事では「プロテイン」を栄養素としてのたんぱく質ではなく、日常語としての「精製したたんぱく質を添加した食品」のこととして記載します。

少しづつ増やす
しつこいようですが、量の増やし方は重要です。

前稿に書いたとおり、私ははじめ飲みすぎて失敗し、その後1日10gから始め、数ヵ月毎に5~10gづつ増す方法でうまくいきました。

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