見出し画像

その話はハルになってから

小春日和になったらね、お弁当と水筒を持って、空港から飛び立つ飛行機を見に、羽田の河口まで行こうじゃないか


約束はそれだったが、二〇の終わりに彼は最期を迎えた、なかんずくおろかな出会いだった、仲よく煙草ならKOOLなど吸っていた、丘だった

死んだ彼はクスリ博士、心配ごとは他人任せ、今日を生きられなかったあの日々、狂人の字引きには載っている意味

いま私は果汁を用意する、ガジェットで作るモクテル、そういや確かエンゲルスとエンゲル係数、あほな彼ごっちゃにしてエンドレスをエンド

Good bye若き日、狂った季節誰にもありや、傷だらけでいまここに刻まん、私の手はいとおかしく軋まん



小春日和になったらね、同性愛者たちみたく手を繋いで、空港に降り立つ飛行機を迎えに、羽田の河口へ行こうじゃないか


照れ笑いはそのせいだった、叶わないまま終わった、仲睦まじかったKOOLをいま呼吸、懐かしくくゆらせたまま五分、けむる、募る

死の匂いで呼び起こされて、信仰において飛び出せば、青のなかで太陽が見ている、仰ぐんだ怠惰のスマホをとじてひらきなおせ

いま我々は可視光線を浴びん、暇人までもが賢そうにイマジン、倒れたものへ手を差し伸べん、怠惰なものへ平手打ちの言葉与えん

Lazy time送るむ日々、フルスロットルなりたまいしかば空港へゆかむ、一人なおゆかむ、チューインガム噛む、Spring is come here


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?