Bye Bye Blackbird
雨のなかであいつを思う、歩きながら哀愁を背負う、いっちまったな、汚れつちまつたよ、鳥が歩いている、あいつのように見える
アーケードの下に「僕たちの失敗」の広告、バリケード封鎖の名残は恥ずかしい失態の露悪、ニヒリズム、生きている
五日市街道に出たら、古着屋地区のデルタ、バス停に突っ立ってみる、斜交いから現れたから乗る
雨をくぐる、すぐに降りる、雨に濡れる街なみを愛している、雨宿りの街っ子と相性がいいのである
街並みを染めるグレー、ロータリーは駅を飾る、脈打つように走るシボレー、高架線は道をかたどる
風上から流れてくる空きありのマンション、紙切れで流される空想のキャプション、またいでふみ出す、また歩き出す
バードの実家でした演奏、トランペットが泣いていた、バンドのジャムで通夜躁、喪主の白髪が笑っていた
住居地区でgood-byeする、宗教チックにbye-byeする、さよならがバラードを奏でる、最後の時間をバードが告げる