金具

We have always been in Castle Rock.

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記事一覧

【フュリオサ】よりも【怒りのデス・ロード】の方が好き

前作「怒りのデス・ロード」を初めて見たのはレンタルのブルーレイだった。「これは映画館で見るべき映画だった…」と後悔して、リバイバル上映を探して映画館までわざわざ…

金具
6日前
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人に褒められるのが好きだった頃の方が人生を楽しんでいた感じがする

今現在も人に褒められたら、嬉しいのは変わらない。褒められたとしても、本当に褒めているのかと思ってしまう。便利なだけだろと思ってしまう。 私の人生で一番充実してい…

金具
2週間前
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映画「ボーはおそれている」を観て、私も社会をおそれていると気づいた

私は職場のエレベーターに乗る時に、知っている人と一緒になりたくない。だから、ビルに近づく時に知っている人を見かけると距離感に注意する。どうしても避けたいというよ…

金具
3か月前
2

映画「ボーはおそれている」をデイヴィッド・リンチぽいと言ったら怒る人いるだろうな【ネタバレあり注意!】

上映時間179分は長い。見ていて何度も「もうそろそろ終わりかな?」と思った。そう思ってからまだまだ続く。実家に辿り着いてエレインと再会してからは、少し退屈を感じ始…

金具
3か月前
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エコノミックアニマルと現代社会を揶揄して切り捨てようと思ったが、実は自分が弱いだけだった

昨年読んだ本で「日本人はエコノミックアニマル」になってしまったと書かれていた。その本の主題は「ゆっくり生きよう」といったようなもので、私は読んでいて「ゆっくり生…

金具
4か月前
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忘年会の馬鹿馬鹿しさ

乱痴気騒ぎと、顔を紅潮させながら声を張り上げる幹事。静かに食事と酒を楽しむことすら許されず、参加を断ることすら許されず、嫌々幹事を押しつけられている人のことを考…

金具
6か月前
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幽霊屋敷「ローズ・レッド」が私を呼んでいる

「ローズ・レッド」とはスティーブン・キング原作の幽霊屋敷を舞台としたドラマである。私と「ローズ・レッド」との出会いは10年以上前になる。当時住んでいたアパートの近…

金具
7か月前

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想③【フリーメイソンとハエ】

昨晩、テレビを見ていたら例の都市伝説の番組がやっていて、関暁夫が出ていた。その瞬間、そういえばこの映画にもフリーメイソン要素があった!とすっかり忘れていた場面を…

金具
7か月前
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映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想②【働かざる者のMy colorとは】

アーネストは運転手の仕事を通じて、モリーと知り合う。最初は相手にされていなかったが、次第に距離が縮まり家に招待される。そこでの会話の中で、モリーは「叔父が怖い?…

金具
7か月前

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想①【倫理観がズレている人間のグロテスクさ】

偶然、トレーラーを見ることがあって「こんな期待できる面白そうな映画なら観なければ」という気持ちになったが、実際観てみると「う~ん」という感じだった。序盤は期待も…

金具
7か月前
1

鈴木光司の小説「エッジ」を読んで

「エッジ」上・下巻(2008)鈴木光司 映画「仄暗い水の底から」は好きで何度も観ている。あの映画に色があるとしたら「洗っていない水槽に浮かぶ藻の緑」だと思う。どろっ…

金具
7か月前
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【フュリオサ】よりも【怒りのデス・ロード】の方が好き

前作「怒りのデス・ロード」を初めて見たのはレンタルのブルーレイだった。「これは映画館で見るべき映画だった…」と後悔して、リバイバル上映を探して映画館までわざわざ見に行った。

今回は見逃したくないと思い、先週「マッド・マックス:フュリオサ」見てきた。面白かった。面白かったのだが。満足するべき内容だったのだが。スターウォーズEP7を見た時のような気分。こちらが期待しているものを提供してくれたから満足

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人に褒められるのが好きだった頃の方が人生を楽しんでいた感じがする

今現在も人に褒められたら、嬉しいのは変わらない。褒められたとしても、本当に褒めているのかと思ってしまう。便利なだけだろと思ってしまう。

私の人生で一番充実していたと思う時期は、私は褒められることに躍起になっていた。自分が活躍していると自覚すればするほど、無理をしてより頑張ろうとする。愛されようと振る舞いにも演技がかっていたと思う。愛されていると自覚があるから、自然に明るく振る舞える。より頑張るか

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映画「ボーはおそれている」を観て、私も社会をおそれていると気づいた

映画「ボーはおそれている」を観て、私も社会をおそれていると気づいた

私は職場のエレベーターに乗る時に、知っている人と一緒になりたくない。だから、ビルに近づく時に知っている人を見かけると距離感に注意する。どうしても避けたいというような事柄ではない。気を使って会話するのが面倒なのだ。相手に気を使わせるのも嫌だし、無口で無愛想だと思われるのも癪だ。

帰宅する時に全力で走って人を撒くボーの姿は、私に少し似ていると思った。

ボーの自宅界隈の治安の悪さは印象的だ。路上には

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映画「ボーはおそれている」をデイヴィッド・リンチぽいと言ったら怒る人いるだろうな【ネタバレあり注意!】

映画「ボーはおそれている」をデイヴィッド・リンチぽいと言ったら怒る人いるだろうな【ネタバレあり注意!】

上映時間179分は長い。見ていて何度も「もうそろそろ終わりかな?」と思った。そう思ってからまだまだ続く。実家に辿り着いてエレインと再会してからは、少し退屈を感じ始めた。射精をしたら死んでしまうと思っていたから。セックスが終わってからの母親との押し問答は何でこの二人は喧嘩してるのか分からず、話についていけなくなり混乱した。場面が変わる度に「この映画はこんなことを言いたいのかなぁ」とざっくり考えたりも

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エコノミックアニマルと現代社会を揶揄して切り捨てようと思ったが、実は自分が弱いだけだった

昨年読んだ本で「日本人はエコノミックアニマル」になってしまったと書かれていた。その本の主題は「ゆっくり生きよう」といったようなもので、私は読んでいて「ゆっくり生きるのは悪くないことのようだ」「エコノミックアニマルとは少し言い過ぎじゃないかな…」とは思った。

正社員で会社で働いているとエコノミックアニマルになるしか会社に居場所なんかない。「ゆっくり生きよう」なんて言っていたら、組織から爪弾きにされ

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忘年会の馬鹿馬鹿しさ

乱痴気騒ぎと、顔を紅潮させながら声を張り上げる幹事。静かに食事と酒を楽しむことすら許されず、参加を断ることすら許されず、嫌々幹事を押しつけられている人のことを考えると「本当は行きたくない」と本音を言うことすら許されず、楽しんでいるフリをして笑顔を作って大袈裟に手を叩いて頷く。静かにしていると「お前だけ何で冷めているんだ」と迷惑に引っ張り出されそうだから、無理をして周りに溶け込む。そこには「お前も楽

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幽霊屋敷「ローズ・レッド」が私を呼んでいる

幽霊屋敷「ローズ・レッド」が私を呼んでいる

「ローズ・レッド」とはスティーブン・キング原作の幽霊屋敷を舞台としたドラマである。私と「ローズ・レッド」との出会いは10年以上前になる。当時住んでいたアパートの近くにTSUTAYAがあり、そこで「ローズ・レッド」のDVDをレンタルをした。

私はホーンテッドマンションが好きだ。理由はうまく説明ができない。ディズニーも好きだし、ホラーも好きなのでそういう類の片付け方がされそうだが、断固否定する。

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映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想③【フリーメイソンとハエ】

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想③【フリーメイソンとハエ】

昨晩、テレビを見ていたら例の都市伝説の番組がやっていて、関暁夫が出ていた。その瞬間、そういえばこの映画にもフリーメイソン要素があった!とすっかり忘れていた場面を思い出した。

お尻ぺんぺん

あまりに唐突なフリーメイソンだったので、すっかり忘れていた。無くても成立する要素だと思う。そういう要素をわざわざ出してきたってことは、何か作り手側に思惑があるのだと思う。もしくは、あの時代の権力者は皆フリーメ

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映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想②【働かざる者のMy colorとは】

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想②【働かざる者のMy colorとは】

アーネストは運転手の仕事を通じて、モリーと知り合う。最初は相手にされていなかったが、次第に距離が縮まり家に招待される。そこでの会話の中で、モリーは「叔父が怖い?」とアーネストに聞く。モリーはどこまで分かっていたのか。

まだ二人が恋人の関係になる前なので、モリーはアーネスト以外の要素からウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)が怖い人間なのではと勘づいていたのだろう。オセージ族に友人の顔をして入

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映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想①【倫理観がズレている人間のグロテスクさ】

映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」感想①【倫理観がズレている人間のグロテスクさ】

偶然、トレーラーを見ることがあって「こんな期待できる面白そうな映画なら観なければ」という気持ちになったが、実際観てみると「う~ん」という感じだった。序盤は期待もあったので退屈せずに見られたのだが、中盤あたりから展開が少なくとにかく長い。裁判の場面までは淡々と殺しが続いていく。有名監督の作品だと知らなければ、無駄に長いと素直に言っただろう。登場人物に感情移入することもなく、3時間以上ある映画なのにそ

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鈴木光司の小説「エッジ」を読んで

「エッジ」上・下巻(2008)鈴木光司

映画「仄暗い水の底から」は好きで何度も観ている。あの映画に色があるとしたら「洗っていない水槽に浮かぶ藻の緑」だと思う。どろっとした雰囲気で、6月、7月初旬頃に観たくなる。その原作者、鈴木光司の小説は「リング」も含めて読んだことがなかった。読むきっかけになったのは「シャーリイ・ジャクスン賞」である。この作品が長編部門の賞をとっていた。これは読むしかないと思っ

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