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【napo_fitness】マインドフルネスが心の筋トレと言われる3つの科学的根拠

「マインドフルネス」という言葉を聞いたことがありますか?

胡散臭い…と思った人、ちょっと待ってください。

筆者も最初は胡散臭いと思っていました。
でも、科学的根拠や実際にマインドフルネスをしている人たちのことを調べて、自分でも実践してみた結果、マインドフルネスは現代人にこそ必要なのではないかと思うようになりました。

・最近忘れっぽくなっている人
・何かに熱中するための集中力がほしい人
・気付いたらスマホをいじってしまう人
・筋トレで自分を鍛えるのが好きな人

なんかにはピッタリなんじゃないかと思います!


●マインドフルネスの概念

マインドフルネス(Mindfulness)の直訳は、「気付き」です。

英語には、「気遣う」「心配りをする」という意味の「マインドフル(mindful)」という形容詞があります。

マインドフルネスの概念とは、
「『良い・悪い』などの価値判断をすることなく、ありのままを受け容れ、『今この瞬間』に注意を向けている心の状態」
のことを言います。

スポーツ選手がいう「ゾーン」に入った状態だと形容する人もいます。


●マインドフルネスの歴史

マインドフルネスの源流は仏教だと言われています。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツも行っていたことでマインドフルネスが一躍注目を集めることになり、今日ではグーグルやフォードといった世界的大企業でも用いられています。

<原文>
I now see that meditation is simply exercise for the mind, similar to the way we exercise our muscles when we play sports.
For me, it has nothing to do with faith or mysticism.
It’s about taking a few minutes out of my day, learning how to pay attention to the thoughts in my head, and gaining a little bit of distance from them.

<訳>
スポーツをするときに身体のエクササイズをするように、心のエクササイズが瞑想なのだと理解しています。
私にとって、瞑想は信仰や神秘主義とは関係ありません。
日常生活で少しの時間を割いて、頭に巡る思いを意識し、思考から距離を置けるようにするのが瞑想なのです。

ビル・ゲイツ オフィシャルブログ「GatesNotes」より引用・訳
https://www.gatesnotes.com/Books/The-Headspace-Guide-to-Meditation-and-Mindfulness

たいていの人は心地いい感情を幸福とし、不快な感情を苦痛と考え、多くの喜びを経験することを渇愛し、苦痛を避けます。
しかし実はここに問題があり、私たちの感情は、海の波のように刻一刻と変化する、つかの間の心のゆらぎに過ぎません。

マインドフルネスでは、自分の身の回りで起きていることをありのまま認識し、受け入れ、自分自身をメタ的に見つめることで、サステナブル(=持続可能)な幸福を手に入れることを目的とします。

マインドフルネスは「心の筋トレ」とも言われているように、スイッチを押せばいきなりマインドフルネスな状態に切り替えられるようなものではありません。
ある日を境に突然マッチョになることがないように、突然マインドフルネスな人生を歩んでいける訳ではないのです。
最初は失敗したり挫折するかもしれません。しかし、徐々にマインドフルネスな状態に近づけていくことはできます。

では、どのようにマインドフルネスを実践すればいいのでしょうか。


●マインドフルネス瞑想のやり方

最もポピュラーなマインドフルネスの実践法は、「瞑想」です。

瞑想のやり方はとても簡単で、
目を瞑って座り、5分間呼吸に集中するだけ。

注意が逸れても構いません。
その場合、自分の注意が逸れたことを認識し、また呼吸に意識を向け直します。このプロセスが大事なのです。

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<姿勢のつくりかた>
1.「矢のように」背筋をまっすぐ伸ばす
2.「蓮華座」に足を組む
3. 肩の力を抜き、「ハゲワシのように」高く、引きぎみにする
4. あごは「鉄のフックのように」心もち引く
5. 目は閉じる。あるいは、虚空を見つめる
6. 舌は口蓋につける
7. 口をわずかに開き、歯は噛みしめない

<呼吸のしかた>
大きく息を吸い込み、胸郭を引き上げます。
背骨の位置をそっと保ったまま、息を吐き出し、肩の力を抜いて下がるのにまかせます。
こうして、川の流れと山の安定感を同時に体現するのです。

引用元:サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
チャディー・メン・タン 英治出版 (2016/5/17)
<筆者のやり方>
あぐらをかいてベッドの上に座り、手は足の上で軽く組む。
目を瞑り、頭をリラックスさせる。
呼吸はゆっくり、4秒かけて吸い、6秒かけて吐く。

筋トレをするときは、ダンベルの重さに抵抗して運動を行ううちに筋肉が少しずつ強くなっていきます。
マインドフルネスにおいても同じプロセスが起こります。瞑想中に注意が逸れ、それを認識し、注意を戻すことにより、集中力という「心の筋肉」が強くなっていくのです。

マインドフルネスを始めるにはスマホアプリを活用するのもいいと思います。プログラムも初心者向けから上級者向けまで揃っており、筆者もこれを使っています。


●マインドフルネスの効果

マインドフルネスの効果は脳科学的にも証明されています。

とあるバイオテクノロジー企業で従業員に8週間のマインドフルネス瞑想をさせたところ、被験者は他の従業員に比べて
 ・不安レベルが下がった
 ・ポジティブな情動と結びついている脳の部位の活動が上がった
 ・インフルエンザ予防接種を受けたところ、より多くの抗体を生み出した
ことがわかりました。

また、「世界一幸せな人」と呼ばれたチベットの修行僧、マチウ・リカールの脳を調べたところ、左の前頭前野の活動が常人に比べて遥かに発達していました。

左の前頭前野の活性化の度合いが相対的に高い人ほど、喜びや熱意、活力といったポジティブな情動を多く報告する。
その逆も言える。右の前頭前野の活性化の度合いが相対的に高い人は、ネガティブな情動を報告する。
マチウの脳をスキャンすると、前代未聞の幸せの測定値が得られた。彼の幸せの度合いはそれまでの科学研究で誰も足元にも及ばないほど高かった。
マスメディアはほどなく彼のことを「世界一幸せな人」と呼び始めた。マチウ本人はそんなあだ名をつけられて、いくぶん不愉快だった。世界一幸せな人が不愉快になるとは、皮肉なものだ。

引用元:サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
チャディー・メン・タン 英治出版 (2016/5/17)

ここからは、マインドフルネスを行うと脳にどのような影響があるのか、3つの論文を引用しつつ科学的エビデンスと共に紹介していきます。

 ①自己コントロール能力が高まる

瞑想を行うことで、脳の「前帯状皮質」が活発になります。
瞑想実践者の脳は、そうでない人に比べて前帯状皮質が活発で、自己制御能力を測るテストでもいい成績を残しました。

前帯状皮質は、前頭葉の後ろにあり、自分を制御する能力を司っています。
具体的には、自分の注意、情動の対象を冷静に受け止めることができ、行動をコントロールすることができるようになります。

前帯状皮質が発達していない人は、衝動的になる、攻撃的になる、柔軟な志向ができないなどの傾向が見られます。

 ②集中力が高まる

瞑想を行うことで、脳の「前頭前野」が活発になります。
もう少し詳しく言うと、前頭前野の働きを邪魔してしまう「扁桃体」の活性化を阻止して、前頭前野の働きを活発にします。

扁桃体は脳の門番として、生存に対する脅威を見つけ出すために、怒りや不安といった心をかき乱す感情を引き起こします。
一方、前頭前野は脳の注意力や集中力を司る部位です。

扁桃体をコントロールすることで自分の思考と情動を第三者の立場から眺め、理性を司る前頭前野の動きを活発にします。

 ③ストレス耐性が高くなる

瞑想を行うことで、「海馬」の密度が向上し、ストレス耐性が高まります。
瞑想実践者の脳は、そうでない人に比べて海馬の密度が高く、ストレス耐性が高く、困難に立ち向かう力があることがわかりました。

海馬は大脳辺縁系という、感情や記憶、ストレスを司る部位に存在します。
海馬にはコルチゾールと結合する受容体があり、実際に精神的ストレスを抱えている人の海馬には萎縮が見られることがあります。


●瞑想と禅の違い

瞑想のやり方は、座禅と非常に似ています。
瞑想も禅も、自己発見を目的とします。

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たしかに瞑想は注意力を鍛えるところから始めますが、瞑想の伝統のほとんどでは、注意は最終目的ではなく、真の目的は悟りにあります。
座禅に関して知り合いの坊主に聞いたところ、「座禅の本質は、今この瞬間の”生”を感じることだ」と言っていました。

そういう意味では、瞑想と禅は近いもののような気がしてきます。
ではどのような点が違うのでしょうか。

①目的の有無
マインドフルネス瞑想は「脳を鍛えるため」「集中力を高めるため」など、自己研鑽的な文脈で行われることが多いです。

それに対し、禅は見返りを求めません。
走るために走る、トレーニングするためにトレーニングするのと同じく、禅をするために禅をするのです。

物事を究めるためには、目の前にある短絡的な利益を求めるのではなく、それを実践すること自体が目的にならねばいけない、というのが仏教の考え方です。

曹洞宗の坐禅は「只管打坐(しかんたざ)」、ただひたすらに坐るということです。何か他に目的があってそれを達成する手段として坐禅をするのではありません。
坐禅をする姿そのものが「仏の姿」であり、悟りの姿なのです。
私たちは普段の生活の中で自分勝手な欲望や、物事の表面に振りまわされてしまいがちですが、坐禅においては様々な思惑や欲にとらわれないことが肝心です。

引用元:曹洞宗の坐禅
https://www.sotozen-net.or.jp/propagation/zazentop

②ヴィパッサナー瞑想とサマタ瞑想
仏教の瞑想にも流派があるようです。

身の回りの気付きから始める「ヴィパッサナー瞑想」
呼吸への精神集中から始める「サマタ瞑想」

これら2つの流派は、”悟り”を目指しているという点では同じですが、アプローチ方法が異なります。
マインドフルネスは、日常に根ざしたヴィパッサナー瞑想の手法を取っており、通勤電車や徒歩の時間にも行うことができます。


●マインドフルネスの実際

筆者は11月からマインドフルネスを実践していますが、こんなメリットがありました。

・忘れ物が減った
自分のことをADHDなんじゃないかと思うこともあるくらい忘れ物が多かったのですが、”今”に集中することができた結果、忘れ物が減りました。
普段いかにぼーっとなんとなくで行動していたかがわかりました。

・電車内等の暇時間が苦じゃなくなった
マインドフルネスの良いところは、ちょっとでも時間があれば手ぶらでもできることです。
満員電車で立っているときにでもできちゃいます。
ついついスマホいじっちゃう…みたいな人は、スマホをいじる時間を5分でも削ってマインドフルネスに充てるの、おすすめです。

・心が休まる時間がある
サッカー日本代表の長谷部誠選手は、何もしない時間を一日30分つくっているそうです。
ただでさえやることが多い上にスマホから無限に情報が入ってくる世の中。一旦喧騒から”解脱”してリラックスする時間を作るのも悪くないですよ。


●終わりに

余談ですけど、「呼吸に集中する」って『鬼滅の刃』みたいですよね。
小学生も瞑想をする時代がすぐそこまで来ている(ぺこぱ)

数千年前から伝わる仏教の流れを汲み、Googleなどの近代的大企業も実践し、大人気漫画の技でもある…
こう考えると、マインドフルネスが胡散臭いものではなく、広く受け入れられていることがわかると思います。

皆さんも一日5分だけ、マインドフルネスする時間を作ってみたらいかがでしょうか。



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