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第1回歌舞伎町文学賞 大賞受賞作 『サビオ』 雨宮美奈子
サビオ 雨宮美奈子
午前3時。今は深夜なのか、もうすぐ朝なのか。
この時間に歌舞伎町ゴジラ前の『きづなすし』のカウンターで、眩しい蛍光灯に目をチカチカさせながら食べる寿司は、なぜだか妙に美味しい。
「ねえ、知ってる?」
いくらの軍艦の上に乗るいくらだけを、なぜか一粒ずつ箸でちまちまと食べながら、マイコは本当にどうでもよさそうに、横にいる僕に目線も合わせずに話し始めた。
「この店
そこから見える月の写真を送って
本当にお金がないです。理由は単純で、収入に見合った暮らしをしていないから。もっとバイトしなきゃダメだ、奨学金にはあまり手をつけたくないんだけどお金を引き出さないと今月もまた電気が止まる。日本学生支援機構―らいつもありがとう!
本当にお金がないけどお酒を飲んで気持ちよくなりたいので毎日のように飲酒しています。義務飲酒。意味なし行為。私は気づきました。缶のお酒をちまちま買うよりアルコールの原液と割材