檜山靖洋

気象予報士・防災士 NHK気象キャスター おはよう日本の気象情報(5時52分~、6時2…

檜山靖洋

気象予報士・防災士 NHK気象キャスター おはよう日本の気象情報(5時52分~、6時28分~、6時56分~、7時30分ごろ~、7時55分~)に出演中。

マガジン

記事一覧

「メイストーム」という言葉が生まれるきっかけとなった嵐の事例

「メイストーム」という気象の言葉があります。 その名の通り、5月の嵐です。 1954年5月10日9時、低気圧は北海道の東へ進み、 中心の気圧は952ヘクトパスカル…

檜山靖洋
2か月前
19

ぼくの5月を返せ

東京において、5月の最高気温の平均値の平年は23.6℃。 23度と言えば、最も快適に過ごせる気温だと、私は思います。 一番気持ちいい季節、すがすがしい・・・ いや…

檜山靖洋
2か月前
87

雷を伴った雪

2024年1月13日土曜日、関東では昼過ぎから雷雨となり、 雷がある程度落ち着くと、今度は雪が降ってきました。 水戸、銚子、東京、横浜で初雪を観測しました。 私は、テレ…

檜山靖洋
6か月前
6

12月の寒波・大雪

2020年12月14日から21日にかけて冬型の気圧配置が強まり、 日本海側を中心に大雪、ドカ雪となった。 新潟県~群馬県の関越自動車道で大規模な立往生が発生。 12月16日の夕…

檜山靖洋
7か月前
4

東京における12月の降雪・積雪

東京では11月に雪が降ったことがある。 12月の雪は珍しくない。 1953年以降では、  2004年12月31日の3センチ  2002年12月9日の3センチ  1987年12月13日の3センチ など…

檜山靖洋
7か月前
3

七五三台風

七五三に台風が上陸したという記録が残っている。 1932年(昭和7年)のこと。 1932年11月14日から15日、関東や福島県沖に襲来した。 関東では、明治43年の明治最大の洪水、…

檜山靖洋
8か月前
4

気象ニュース

きょう8月27日日曜日は、全国的に大気不安定。 北海道から九州まで、あちこちで雷雨となり、局地的に激しく降る。 九州や四国の山沿いでは、1時間に50ミリ以上の非常に激し…

檜山靖洋
11か月前
5

大雨特別警報の基準

大雨特別警報は  台風や集中豪雨により、数十年に一度の大雨が予想される場合に発表 【発表の指標】  ▲長時間の大雨(土砂災害・浸水害)   48時間降水量・土壌雨量…

檜山靖洋
2年前
5

大雨災害からの避難、判断の目安

大雨の際、避難する場合は、自治体が発表する避難情報に従って速やかに行動してほしい。でも、自治体からの避難情報が適切に届かない場合もある。自分自身でも、この情報が…

檜山靖洋
2年前
2

記録的短時間大雨情報の基準

・数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨(1時間雨量)が発生したとき。   アメダスや自治体の雨量計で実際に観測されるか、   気象レーダーと雨量計からの…

檜山靖洋
2年前
5

風の強さ

『風が強いってどれくらい?」』 2016年4月29日、QVCマリンスタジアム(千葉マリンスタジアム)で ロッテ対日本ハムの試合が行われた際、 スコアボードの上で元気に泳…

檜山靖洋
3年前
7

関東甲信の梅雨入りは?

今年は九州から東海までは早い梅雨入りとなった。 九州南部は5月11日、九州北部、中国、四国は5月15日、 近畿、東海は5月16日。平年より20日前後早い。 関東甲信は梅雨入…

檜山靖洋
3年前
27

北海道の猛吹雪・暴風雪

◆2004年1月13日~16日 ”北見豪雪” 北見市で171センチの積雪(2004年1月16日)を観測。 これは、北見市の統計開始以来の1位の記録になっている。 …

檜山靖洋
3年前
4

ふぶき、猛ふぶき、暴風雪のちがい

ふぶき 「やや強い風」程度以上の風が雪を伴って吹く状態。降雪がある場合と、 降雪はないが積もった雪が風に舞いあげられる場合(地ふぶき)とがある。 猛ふぶき 「強い…

檜山靖洋
3年前
12

暴風・暴風雪に警戒

低気圧が発達しながら日本海を進む。今夜からあす、低気圧の中心気圧は988hPa。あす29日(金)夜には北海道に近づく見込み。その後あさって30日(土)前半にかけ強い冬型の…

檜山靖洋
3年前
14

熱中症対策のかきくけこ

か、風通しよく  き、休憩を取る  く、クーラーを使う  け、健康管理は日頃から  こ、こまめに水分補給 私が考えました。屋外では風通しよく、休憩を多くとり、室…

檜山靖洋
4年前
19

「メイストーム」という言葉が生まれるきっかけとなった嵐の事例

「メイストーム」という気象の言葉があります。
その名の通り、5月の嵐です。

1954年5月10日9時、低気圧は北海道の東へ進み、
中心の気圧は952ヘクトパスカルとなりました。

北海道の留萌では、
1954年5月10日に962.5ヘクトパスカルという気圧を観測し、
未だに統計開始からの最も低い記録となっています。
このほか、小樽や岩見沢、倶知安でも、統計開始からの最低気圧は、
この日に記録した

もっとみる

ぼくの5月を返せ

東京において、5月の最高気温の平均値の平年は23.6℃。
23度と言えば、最も快適に過ごせる気温だと、私は思います。
一番気持ちいい季節、すがすがしい・・・
いや、敢えてここは、”さわやかな季節”だと言いたい。
「さわやか」は秋の季語なので、特に俳句を嗜む方々からは、
5月に使うのは違和感がある、と声が上がりますが、
さわやかとしか言いようがないくらい、爽快な季節です。
新緑を吹き抜けてくる風は青

もっとみる

雷を伴った雪

2024年1月13日土曜日、関東では昼過ぎから雷雨となり、
雷がある程度落ち着くと、今度は雪が降ってきました。

水戸、銚子、東京、横浜で初雪を観測しました。

私は、テレビで全国大学ラグビー選手権の決勝戦、明治対帝京の試合中継を
見ていました。
前半途中に、落雷のため55分間の中断がありました。
この日、東京では、
「雷鳴の強度1で電光を伴う」が観測されました。
雷鳴の強度は、0,1,2のうちの

もっとみる

12月の寒波・大雪

2020年12月14日から21日にかけて冬型の気圧配置が強まり、
日本海側を中心に大雪、ドカ雪となった。

新潟県~群馬県の関越自動車道で大規模な立往生が発生。
12月16日の夕方、塩沢、石打サービスエリア付近で大型車が動けなくなり、
最長52時間の立往生が発生。
上りは塩沢石打から小出IC間で1750台、
下りは湯沢~月夜野間で350台が立往生。
解消したのは18日22時すぎだった。

☆3時間

もっとみる

東京における12月の降雪・積雪

東京では11月に雪が降ったことがある。
12月の雪は珍しくない。
1953年以降では、
 2004年12月31日の3センチ
 2002年12月9日の3センチ
 1987年12月13日の3センチ などがある。

12月の大雪は、
 1913年12月16日の18センチ、
 1912年12月29日の14センチ
 1920年12月7日の12センチ
 1905年12月30日の11センチ
 1934年12月2

もっとみる

七五三台風

七五三に台風が上陸したという記録が残っている。
1932年(昭和7年)のこと。
1932年11月14日から15日、関東や福島県沖に襲来した。
関東では、明治43年の明治最大の洪水、大正6年の東京湾大高潮に次ぐ激甚な被害と言われる。

台風は沖縄本島の東海上を北東進し、14日午後11時房総半島に。
15日午前0時、千葉県勝浦市付近に上陸し、銚子付近を通過し福島県沖へ。

勝浦市の日最低海面気圧の記録

もっとみる

気象ニュース

きょう8月27日日曜日は、全国的に大気不安定。
北海道から九州まで、あちこちで雷雨となり、局地的に激しく降る。
九州や四国の山沿いでは、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨も。
 !局地的な大雨、落雷、竜巻などの激しい突風に注意を。

▼注意点・対策   
・雷雨の際は、建物の中、車、電車の中へ
  軒下、木の下で雨宿りは、落雷の危険がある
・竜巻注意情報が出ている時に雷雨になったら、”頑丈な”建

もっとみる

大雨特別警報の基準

大雨特別警報は
 台風や集中豪雨により、数十年に一度の大雨が予想される場合に発表

【発表の指標】
 ▲長時間の大雨(土砂災害・浸水害)
  48時間降水量・土壌雨量指数が ともに
  50年に一度の値に達している5キロメッシュが50格子以上
かつ
  危険度分布1キロメッシュで、濃い紫が出現

▲短時間の大雨(浸水害)
  3時間降水量・土壌雨量指数が ともに
  50年に一度の値に達している5

もっとみる

大雨災害からの避難、判断の目安

大雨の際、避難する場合は、自治体が発表する避難情報に従って速やかに行動してほしい。でも、自治体からの避難情報が適切に届かない場合もある。自分自身でも、この情報が出たら避難する と決めておくと、いざというときに行動を起こしやすいのではないか。避難行動の目安となる情報を以下にまとめた。

■早期注意情報(警報級の可能性)が発表
  → 警戒レベル1相当 
     災害への心構えを高める

■大雨注意

もっとみる

記録的短時間大雨情報の基準

・数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨(1時間雨量)が発生したとき。
  アメダスや自治体の雨量計で実際に観測されるか、
  気象レーダーと雨量計からの解析されたとき

・その地域に、災害発生につながるような、稀にしか観測しない雨量だということを知らせるために発表される。

・以下の雨量基準を満たしていることに加えて、
2021年からは、大雨警報発表中に危険度分布の「非常に危険」(うす紫

もっとみる

風の強さ

『風が強いってどれくらい?」』

2016年4月29日、QVCマリンスタジアム(千葉マリンスタジアム)で
ロッテ対日本ハムの試合が行われた際、
スコアボードの上で元気に泳いでいたこいのぼり3匹のうち、
2匹が風でどこかへ飛ばされいなくなってしまった。
このときの風の強さは、どれくらいだったのか?!

~強い風とは、風に向かって歩けないくらい~
気象情報の中で、
「風が強まる」「風がやや強まる」「風

もっとみる

関東甲信の梅雨入りは?

今年は九州から東海までは早い梅雨入りとなった。
九州南部は5月11日、九州北部、中国、四国は5月15日、
近畿、東海は5月16日。平年より20日前後早い。

関東甲信は梅雨入りの発表がまだない。
東京の天気を振り返ってみた。

近畿や東海が梅雨入りした5月16日、東京も昼前から雨となった。
17日から22日までほとんど晴れず、雨の日が続いた。
このときにもう梅雨では?と感じた人も多いだろう。
23

もっとみる

北海道の猛吹雪・暴風雪

◆2004年1月13日~16日 ”北見豪雪”
北見市で171センチの積雪(2004年1月16日)を観測。
これは、北見市の統計開始以来の1位の記録になっている。
このとき、最大風速は北見市で11m/sと大したことはなかった。
除雪作業が遅れ、数日にわたり外に出られない、コンビニエンスストアの食品棚が数日間空になるなど、生活に大きな影響・混乱。

◆2008年2月23日~24日 ”長沼吹雪”
札幌や

もっとみる

ふぶき、猛ふぶき、暴風雪のちがい

ふぶき
「やや強い風」程度以上の風が雪を伴って吹く状態。降雪がある場合と、
降雪はないが積もった雪が風に舞いあげられる場合(地ふぶき)とがある。

猛ふぶき
「強い風」以上の風を伴うふぶき

暴風雪
暴風に雪を伴うもの

以上、気象庁ホームページ、天気予報等で用いる用語 より。
ふぶきと猛ふぶきの違いは、風の強さ。
風速10メートル以上15メートル未満の「やや強い風」なら「ふぶき」、
風速15メー

もっとみる

暴風・暴風雪に警戒

低気圧が発達しながら日本海を進む。今夜からあす、低気圧の中心気圧は988hPa。あす29日(金)夜には北海道に近づく見込み。その後あさって30日(土)前半にかけ強い冬型の気圧配置。

九州北部や山口県は夕方から今夜遅くには、海上で暴風に警戒。陸上でも強風には注意が必要。最大瞬間風速は30m/s 立っていられないほどの風が吹くおそれ。

中国、四国地方も夕方から強風に注意。山陰では今夜遅くからあす未

もっとみる

熱中症対策のかきくけこ

か、風通しよく  き、休憩を取る  く、クーラーを使う  け、健康管理は日頃から  こ、こまめに水分補給

私が考えました。屋外では風通しよく、休憩を多くとり、室内ではクーラーを使うようにすること。そして、健康管理は日頃から整えておくことが大切。こまめに水分補給をするのを忘れずに。

 熱中症になりやすいのは「よ・ふ・か・し」というのもある。よ、よく眠っていない、夜更かし  ふ、二日酔い  か、風

もっとみる