七五三台風
七五三に台風が上陸したという記録が残っている。
1932年(昭和7年)のこと。
1932年11月14日から15日、関東や福島県沖に襲来した。
関東では、明治43年の明治最大の洪水、大正6年の東京湾大高潮に次ぐ激甚な被害と言われる。
台風は沖縄本島の東海上を北東進し、14日午後11時房総半島に。
15日午前0時、千葉県勝浦市付近に上陸し、銚子付近を通過し福島県沖へ。
勝浦市の日最低海面気圧の記録は、
年間を通して、
1番低いのが1932年11月15日の952.8hPa
2番目に低いのが1932年11月14日の953.9hPaとなっている。
横浜の最大風速の記録は、
11月として、1番強いのが1932年11月14日の36.3m/s
11月として、2番目に強いのが1932年11月25日の33.6m/s
銚子でも、最大風速の記録は
11月として、1番強いのは1932年11月15日の31.5m/sとなっている。
東京の日降水量の記録は
11月として、最も多いのは1932年11月14日の168.5mmとなっている。
◆主な被害
・静岡県吉原村(現富士市)で、烈風により大火が発生。
250戸を全焼した。
・茨城県でも大火が発生した。
・東京では、工場や風呂屋の煙突が倒れた。
・大雨のため、東京市内で浸水が4万戸以上。
・長野県の標高の高い所では雪が降り、
強風や大雪、着雪のため、400戸以上の家屋が全半壊。
台風の統計が始まったのは1951年から。
それ以前は、台風の定義も今のように定められておらず、
温帯低気圧や熱帯低気圧の区別もなかった。
このため、台風が温帯低気圧に変わっていたとしても、それは分からない。
11月の海水温を考えると、950hPa台の台風がそのまま関東に上陸したとは
考えにくいのかなとも個人的には思う。
温帯低気圧化して発達した、という可能性もあるかと。
ただ、当時の新聞は、台風が襲来したと伝えている。
ちなみに、東京では、雨は11月15日の朝までで、日中は晴れて七五三のお祝いはできたようだ。
参考 防災歳時記(54)七五三に台風が上陸した
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