風の強さ

『風が強いってどれくらい?」』

2016年4月29日、QVCマリンスタジアム(千葉マリンスタジアム)で
ロッテ対日本ハムの試合が行われた際、
スコアボードの上で元気に泳いでいたこいのぼり3匹のうち、
2匹が風でどこかへ飛ばされいなくなってしまった。
このときの風の強さは、どれくらいだったのか?!

~強い風とは、風に向かって歩けないくらい~
気象情報の中で、
「風が強まる」「風がやや強まる」「風が強い」「風が弱い」などと使います。
どんな基準で使い分けているのか??

風の強さについて、
気象庁の予報用語として、定義が定められています。
平均風速
10m/s以上15m/s未満 「やや強い風」 →風に向かって歩きにくいくらい
15m/s以上20m/s未満 「強い風」   →風に向かって歩けないくらい
20m/s以上30m/s未満 「非常に強い風」
30m/s以上      「猛烈な風」

平均風速というのは10分間の平均の風速のことで、
瞬間風速と区別して使っています。

<風の強さと吹き方
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html>

平均風速が12m/sなら「やや強い風」
16m/sなら「強い風」と伝えているわけです。

ただ、
東京都心(観測地点:千代田区北の丸公園内)においては、
10m/s以上のやや強い風が吹くのは月に1~2日程度。
15m/s以上の強い風は、2019年に関しては2回だけ。
台風でも来ない限り、都心で「強い」風はそうそう吹かない。

ちなみに、2016年4月29日、
マリンスタジアムでこいのぼりが飛ばされたとき、
千葉市の最大風速(平均風速の最大)は12.2m/s。
「やや強い風」で、こいのぼりは一家離散してしまった。。

~10m/s未満の風は弱いのか?~
10m/s未満の風は、「強い」でも、「やや強い」でもないわけだが、
弱い風かというと、、、決して弱くはない。
7~8m/sの風は、実際にはけっこうな風だ。

次のような風速の基準もあります。

ビューフォート風力階級
風力0 静穏  0.3未満
風力1 至軽風 0.3~1.6
風力2 軽風  1.6~3.4
風力3 軟風  3.4~5.5
風力4 和風  5.5~8.0
風力5 疾風  8.0~10.8
風力6 雄風  10.8~13.9
風力7 強風  13.9~17.2
風力8 疾強風 17.2~20.8
風力9 大強風 20.8~24.5
風力10 全強風 24.5~28.5
風力11 暴風  28.5~32.7
風力12 颱風  32.7以上
※風速は地上10mでのもの

7~8m/sの風速でも、小枝が折れたり、看板が外れて倒れたり、
駐輪場の自転車がなぎ倒されることもある。
「強い風」でも、「やや強い風」でもないけれど、
けっこうな風が吹くことをどう表現すればいいのかは難しい。

風速7~8m/sの風を「和風」、和やかな風とは言い難い。
風速5m/sで「軟風」、、やわらかいとは言い難く、
冬場に5m/sの北風が吹くと、
ビュービュー吹く感じがあり、かなり寒い。

結局、「風が強まる」とか「風が少し強まる」とか、
定義上の「強い風」「やや強い風」と捉えられる可能性がある
あいまいな表現をせざるを得ない。

危険があるほどではなくても、5m/sの風が吹けば、
冬場は体感温度にもかなり影響する。
強くはないけど、弱くはない風、についての
いい表現はないものか。

4~5m/sなら、
「木の葉がざわつくくらいの風」、
「落ち葉が転がるくらいの風」、
「店頭ののぼりばたがたなびく風」

5m/s以上になると、
「木の枝が揺れるくらい」
「窓や網戸が少し音を立てるくらい」

定義では、”強くない風”でも、実際にはけっこう強い。

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