雷を伴った雪

2024年1月13日土曜日、関東では昼過ぎから雷雨となり、
雷がある程度落ち着くと、今度は雪が降ってきました。

水戸、銚子、東京、横浜で初雪を観測しました。

私は、テレビで全国大学ラグビー選手権の決勝戦、明治対帝京の試合中継を
見ていました。
前半途中に、落雷のため55分間の中断がありました。
この日、東京では、
「雷鳴の強度1で電光を伴う」が観測されました。
雷鳴の強度は、0,1,2のうちの真ん中の1です。
つまり、雷が光って、普通に雷鳴も聞こえたということです。

過去に、大学ラグビーで落雷による中断というのは、
私の記憶にはほとんどありません。
そもそも冬の関東は雷が少ないですから。
  宇都宮では、年間の雷日数は平年で26.5日ですが、
  冬(12月~2月)の雷日数の平年は0.3日   
             (気象庁HP 過去の気象データ検索)

雷がおさまると、今度は雨が次第に雪に変わり、
後半の試合終盤は、画面でもはっきりわかるくらいの雪になっていました。
横浜にある私の実家から、一瞬庭が白くなったという報告もありました。

関東の雪の予報は難しい、と言われますが、
これは主に南岸低気圧のときです。
この1月13日の雷雨や降雪は、
上空に強い寒気を伴う気圧の谷が通過し、
地上をシアライン(弱いながら前線)が通過したために起こりました。
  天気図に前線は描かれていませんが、
  千葉県あたりに等圧線が膨らんでいる所に弱い前線が隠れています。
形としては、夏の雷雨と同じようなものです。

2024年1月13日15時の地上天気図


2024年1月13日21時の500hPa面天気図


 つくば市上空5300メートル付近では、
 21時に-31.5度の寒気が入りました。

冬にこのパターンで降ると、地面に近いところの寒気も強いことが多く、
一時的に雪が強まることはよくあります。
 つくば市上空1500メートル付近では、
 21時に-7度を観測。

このパターンで雪が降った過去の現象の中で印象に残っているのは、
2000年2月8日、水戸市で、
夜になってから雷を伴った強い雪が降り、
4時間ほどで17センチの雪が一気に積もりました。

2000年2月8日21時の地上天気図 
気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」
2000年2月8日21時の500hPa面天気図 
気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」

冬の、上空寒気に伴う気圧の谷、あるいは寒冷渦を原因とした
大気不安定による降雪は、思わぬ大雪になることもあり、
注意が必要です。



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