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お財布分断の舞台裏:メーカー部門別の役割に応じたメディア選択

お財布分断の舞台裏:メーカー部門別の役割に応じたメディア選択

 こんにちは。マーケティング視点で読解力を高めるノートです。

 今回は、メーカーと流通小売の行動原理の違いに着目し、メーカー各部門の役割と業務目標の差異を確認してみます。その上で、1つのメーカー(広告主)が持つ広告や販促にかける予算の分割構造と、区分された予算(お財布)ごとに選択されるメディアについて詳しく探っていきたいと思います。

1.メーカーと小売の目標と行動原理の違い リテールメディアに

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リテールデジタルメディアの提供主体とタッチポイント別のメニュー

リテールデジタルメディアの提供主体とタッチポイント別のメニュー

 2023年に入り、リテールメディアに対する注目度や関心の度合いが高まっています。リテールメディアの高い収益性や利益率に着目した小売業はもとより、広告出稿効果に期待するメーカー、小売業のメディアビジネスの成立を支援する広告代理店やコンサルティングファーム、アドシステムやCDP等のデータ活用基盤の開発を下支えするベンダー、リサーチや販促支援の事業者を巻き込む形で、今まさに市場が立ち上がろうとしている

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リテールメディアを駆動させる組織デザイン:中と外を結びつけるハブとしてのインサイドエージェンシー機能

リテールメディアを駆動させる組織デザイン:中と外を結びつけるハブとしてのインサイドエージェンシー機能

 ここまで、AmazonやWalmartなど米国の小売業は、自社の物販ECサイトを起点に、新しい広告メニューや機能を拡充し、システム開発とメディアビジネスに関連する組織機能を内製化することで、高い収益性と利益を確保している点を、確認してきました。

 リテールメディア事業において、内製を前提とした事業展開を検討する際、米国と日本では事業の前提条件に相違があるため、日本での事業展開にあたっては、制約

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「リテールメディア概論」-今注目のリテールメディアを立体的・構造的に理解するためのガイダンス-をAmazon Kindleで出版しましたー('◇')ゞ

「リテールメディア概論」-今注目のリテールメディアを立体的・構造的に理解するためのガイダンス-をAmazon Kindleで出版しましたー('◇')ゞ


1.書籍の紹介 「リテールメディア概論」-今注目のリテールメディアを立体的・構造的に理解するためのガイダンス-は、小売業やメーカーにおけるデータ起点のマーケティングを支援する会社と、小売業の両方に勤め、それぞれの企業で経営企画に従事した経験を持つ筆者が、日米のリテールメディア市場の現況や差異の分析、日本企業における実践事例に関するレポートの作成とあわせ、成立可能性が高い事業モデルの見極めと導入課

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リテールメディア市場への参入スタイルと立ち位置の考察

リテールメディア市場への参入スタイルと立ち位置の考察

 2022年~2023年にかけ、自らの屋号名称を冠したメディアビジネスの事業化を目指す小売業者に加え、小売業のメディアビジネスの確立や事業実装、基盤開発を支援する周辺の事業者、そして、自らが事業主体(パブリッシャー)として自社名義のメディアを取扱い、メーカーが持つマーケティング費用や、その他、ノンエンデミック領域(小売と直接取引を持たないクライアント)の広告宣伝費を確保しようとする事業者による、市

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#リテールメディア 元年到来?キャズム超えた?

#リテールメディア 元年到来?キャズム超えた?

いよいよ「リテールメディア」という言葉・概念・取り組みが、キャズムを超えそうな空気がでてきました。いまちょうど、この本を読んでいます。

日経紙面にも目にする機会が増えてきました。

この数年、「リテールメディア」というワードがでてくるたびに、僕的には「もやっとしたもの」がありました。それは、ステイクホルダーによって、定義や理解が曖昧だったことに起因します。

今回、冒頭に紹介した書籍内では、下記

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