マガジンのカバー画像

アロハ通信

22
ハワイ短歌会の活動や、ハワイ生活一般についてのニュースなどを毎月お届けします。
運営しているクリエイター

記事一覧

アロハ通信#26           魅惑の毛糸玉   藤代敏江

アロハ通信#26           魅惑の毛糸玉   藤代敏江

とてもマイナーな趣味である。ハワイで編み物?セーターなんか編んでも着る事ないし、帽子も靴下もほぼいらないであろう。周りを見ても編み物などしてる人は一人も知らない。

でも、わたしは編むのが好きなのである。ただそれだけである。サマーニットやソックスを編むことが多い。

編み物好きが集まるSNSにラヴェリー(Ravelry)というサイトがある。世界中のニッターさんが集まっている。自分のアカウントを無料

もっとみる
アロハ通信#25           伊勢志摩への旅     山下ふみ子  

アロハ通信#25           伊勢志摩への旅    山下ふみ子  

6月下旬、気の合う友達と三人で伊勢志摩の賢島へ日帰り旅行をしてきました。いつもはランチを楽しむだけのことが多いのですが、今回は念願だった小さな旅を実現しました。賢島と言っても島ではなく、列車でも車でも行けるところです。以前安倍総理の時代に開かれたサミット会場の一つとなったところなので、ご存知の方もおられるでしょう。

前日まで雨天が続いていたのですが、幸い晴れ女の集まりとあってか当日は爽やかに晴れ

もっとみる
アロハ通信#24           がんばれ聡太     鵜川登旨

アロハ通信#24           がんばれ聡太     鵜川登旨

実は私、藤井聡太さんの大ファンなんです。
携帯の待ち受けは、もちろん藤井さんのお写真。(お孫ちゃん達ごめんね)
藤井聡太さんの魅力はその強さと、勝っても決して驕ることのない謙虚さにあります。中学生でプロ棋士になった時から、あどけない顔で中高年の強豪達を次々負かしていく姿に痺れました。21才になった今、藤井さんは将棋界にある8つのタイトルを全て保持して、八冠と呼ばれています。前人未到の快挙です。

もっとみる
アロハ通信#23           公園ボランティア     森田郁代

アロハ通信#23           公園ボランティア     森田郁代

今年は暖冬だと言われていましたが、三月になってもいつまでも寒くて暖房した部屋で縮こまっている日が続きました。でも暖かくなり始めると、外の景色は魔法にかかったように一気に新緑が広がり、いろいろな花が咲き始めて、日ごとに姿を変えていきました。

私は地域の公園のボランティアをしていますが、この公園も今が一番華やぐ季節です。藤棚の藤の花は白や紫の花をたくさんつけました。まわりのツツジの木には赤や白、ピン

もっとみる
アロハ通信#22           アボカドの木を伐る

アロハ通信#22           アボカドの木を伐る

先日、外で植木の手入れをしていたら、トラックが止まり、「植木の仕事をしているが、何か仕事はあるか。」と聞かれ「別にないよ。」と言ったら車は通り過ぎたのですが、しばらくしてまた戻ってきました。家の前に車を止めて「木の手入れは出来ているのか。」と聞いてくるので、裏庭の斜めに伸びて、隣の家に傾いている、アボカドの大木が前々から気になっていたので、見積もりを頼むことに。

安ければ頼もうかと思い当の木を見

もっとみる
アロハ通信#18 ハワイに移民した大伯父のこと (六甲もこ)

アロハ通信#18 ハワイに移民した大伯父のこと (六甲もこ)

「いざ行かむ吾等の家は五大州誠一つの金武世界石」

これは、沖縄移民の父と言われる當山久三氏が1903年、第2回ハワイ移民の渡航の際に読んだもの。フロンティア・スピリット溢れる、なんとも力強い歌です。

私の大伯父2人も、沖縄からではありませんが、福岡の寒村から、この歌のように湧き立つ想いを胸に布哇(ハワイ)へと旅立ちました。もう100年程も前のことになります。父を亡くし、子供を8人も抱えた母を助

もっとみる
アロハ通信#17  エレファントイヤー

アロハ通信#17  エレファントイヤー

エレファントイヤーはアロカシアという種に属する植物です。「象の耳」と名がついただけあって、里芋の葉によく似たハート形の葉をしています。巨大な里芋という感じですが、毒性があるので食べられません。従ってクワズイモ、という日本名がついています。ハワイで見られるエレファントイヤーの葉は、里芋の葉の五倍はあるような大きさで、雨が降れば傘になりそうです。人の背丈くらいの高さになり、水芭蕉に似た花を地面近くに咲

もっとみる
アロハ通信#16 ラジオ体操

アロハ通信#16 ラジオ体操

体力の衰えを感じるこの頃、毎日少しずつでも歩かなくてはと思っていてもなかなか続けることができません。そんな私ですが、一つだけ続いていることがあります。それは地域でのラジオ体操です。

私の家の前の公園で、日曜と祝日以外の朝九時からラジオ体操の会があり、
CDに合わせての体操とストレッチをしています。時間にして十五分くらいのものです。参加者は六十代から八十代のシニアで、男性七、八人、女性十二、三人く

もっとみる
アロハ通信#15 「ホヌの話」

アロハ通信#15 「ホヌの話」

海亀のことをハワイ語でホヌといいます。最近は観光客が増え海が汚れてきたせいか、ホヌに会える回数が少なくなりましたが、コロナ禍の時は海が綺麗だったので、泳いでいるとよくホヌに会いました。ハワイではホヌが幸運を運んでくれるという言い伝えがありますが、私もホヌに会ってよく励まされたり慰められたりしました。

友からの連絡が絶えて沖を泳いでいたら、ホヌの甲羅がぷかぷか浮いて私を待っていました。そおっと近づ

もっとみる
アロハ通信#14

アロハ通信#14

連日の酷暑にかなり参っております。これ程の高温続きは過去に経験ありません。家に閉じこもりがちで外出は夜の短い散歩と買い物だけになってきました。身近な話題も特にないので、私と短歌仲間のAさんとBさんでやっています連歌について少し書いてみることにしました。

Aさんの発案で連歌を始めたのは6年位前だったと思います。最初はやったこともないし、なんだか難しそうで正直負担に感じましたが、三人の仲間内だけで期

もっとみる
アロハ通信#12 (2023年6月)

アロハ通信#12 (2023年6月)

バードパラダイス

コロナ禍で家に引きこもりがちな日々、何か楽しめることはないかと考えた時、小鳥たちのことが頭をよぎった。

早速みかんを半分に切って木の枝に差して置いた。その日のうちにお客さんが来た。目白だ。まん丸い目に白い縁取り。なんとも愛らしくて心を掴まれた。その日から、みかんやオレンジをやるのが日課になった。

バードフィーダーに、ブラックオイルサンフラワーシードを入れておいたら、ノーザン

もっとみる
アロハ通信 #10 (2023年4月)

アロハ通信 #10 (2023年4月)

シアトルで見つけた芭蕉の句碑

2022年12月シアトルの娘一家を訪ねた折のことです。孫たちと一緒に人形劇を見た帰り、寒い夕方にスペースニードルへと急いで歩いていると、公園の植え込みの中に見慣れない岩がありました。顔を近づけてみると、何やら一行の文字が英語で記されており、下に「BASHO」と書いてありましたので、驚きました。「松尾芭蕉」の英語の句碑だったのです。とりあえず携帯電話で写真を撮り、家に

もっとみる
アロハ通信#11 (2023年5月) 

アロハ通信#11 (2023年5月) 

早くも5月となりました。マキキの浄土宗別院の庭にはたくさんの鯉のぼりが飾られ、風に泳いでいます。

5月の日差しは強く、肌に刺さります。それでも今はまだ雨がよく降るので、ダイヤモンド・ヘッドは緑色をしています。そのうち草木が枯れて、茶色に変色してしまうでしょう。緑の山を眺める方が気持ちがいいものです。ハワイ短歌会の会誌の「ふゆみどり」というのは何と良い名前でしょう。

ハワイに来たころ、一面の枯れ

もっとみる
アロハ通信#9 (2023年3月)

アロハ通信#9 (2023年3月)

              

牧野植物園を訪ねて 

十年以上も昔のこと。ホノルルの木曜午餐会で、高知県立牧野植物園の話を聞いた。当時の牧野植物園園長小山氏の講演だった。行ってみたいと思った。訪れることができたのは数年の後のことになる。

高知まで一日の旅。早朝羽田を発ち高知へ。空港からはバスで植物園に向かい、開門前に到着。バスを降りて少しひんやりした空気の中で、開門を待った。春浅い頃だったろう

もっとみる