ハワイ短歌会

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ハワイ短歌会

ハワイ短歌会のNoteへようこそ!ハワイ短歌会は2011年に発足、対面およびオンラインにて、月に一度歌会を開催。機関紙「ふゆみどり」を発行。 連絡先:hawaiitanka@gmail.com  2021年までのブログは: tankaofhawaii.blog.fc2.com

マガジン

  • 毎月の短歌

    ハワイ短歌会の会員が詠む毎月二首の歌を月毎にリストアップします。

  • アロハ通信

    ハワイ短歌会の活動や、ハワイ生活一般についてのニュースなどを毎月お届けします。

  • 毎月の選歌

    毎月の短歌の中から会員たちがそれぞれ10首選び、最も投票数の多かった歌を発表します。

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    ハワイ短歌会の姉妹短歌会を紹介します。

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    • 2024年2月の歌 題:歌

      シアトルの美術館で浮世絵展を見て 歌麿の描く女の髪の艶 時を越えても色香は消えず 浪しぶき小舟呑み込む音のする櫂こぐ漁師と白き富士山 関本なつ 聖堂のステンドグラスに入り日映え夕べの祈りの歌始まりぬ  聖歌隊のカウンターテナーの声透き通り旅路の胸の奥深く沁む 筒井みさ子   香港の初船旅の遠き日よひときわ明るき「味の素」ネオン  注:返還前の香港 中国の影すら見えぬ香港にイギリス領の街なみのあり 原 葉 万智さんを真似て作ったそのひとつパーマ記念日いつだったっけ

      • アロハ通信 #21          ミニチュア生花展示会

        去る3月8日、9日の2日間にわたって、インターナショナルいけばなチャプター56主催の一風変わった生花展示会『生花の輝き』がホノルルのハワイ日本文化センター5階のオハナルームにて開催されました。 一風変わった生花展というのは、企画の試みが小さな入れ物やミニチュアの器を使って「生ける」という趣向によるものです。キッチンの戸棚の奥にしまい忘れていて、使っていなかったティーポットやコーヒーカップ、お正月に出してくるだけの小型の重箱、茶道で使う四滴や煙草盆、燗鍋(かんなべ)やお猪口な

        • アロハ通信#19 動物園を行く

          2月11日、ハワイ短歌会の有志四名は、ホノルル動物園に吟行に出かけました。動物園はワイキキの中心部から15分ほどの場所に、上野動物園とほぼ同じ大きさの300エーカーあまりの広さの土地を占め、約220種類の動物や鳥たちが緑ゆたかな園内に飼育されています。 参加者の誰もが動物園は久しぶりで、リュックに帽子といういでたちに身を固め、期待に胸ふくらませて入口に集まりました。園内に入ると、美しいピンクのフラミンゴに続いて、色とりどりの鳥類が迎えてくれます。オラウンターンやチンパンジー

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        記事

          2024年1月の歌

          声に出し慰められたい甘えかも傷ついたようにわざと黙(もだ)しぬ 迷い道何をすべきか問う夜に星が答えを静かに囁く    小島夢子 子供の頃の思い出 新しい下駄音高く初詣吐く息白く鳥居をくぐる 寒風にかたい蕾はゆらゆらとしばし夢見つ春を待ちいる 関本なつ 夢のようあり得ぬことが起こる時うれしい自分しあわせずくし しあわせは無限にくるよどこまでも想像越えてすべてを越えて 田中えり クリスマスに リモートでしばしば会いし孫は吾の顔を見るなり走り寄りたり 幼子が走り回れば首

          2024年1月の歌

          アロハ通信#17 ハワイに移民した大伯父のこと (六甲もこ)

          「いざ行かむ吾等の家は五大州誠一つの金武世界石」 これは、沖縄移民の父と言われる當山久三氏が1903年、第2回ハワイ移民の渡航の際に読んだもの。フロンティア・スピリット溢れる、なんとも力強い歌です。 私の大伯父2人も、沖縄からではありませんが、福岡の寒村から、この歌のように湧き立つ想いを胸に布哇(ハワイ)へと旅立ちました。もう100年程も前のことになります。父を亡くし、子供を8人も抱えた母を助ける為に、上の2人が出稼ぎに出たのです。私の祖父は末っ子ですので、彼らより10歳

          アロハ通信#17 ハワイに移民した大伯父のこと (六甲もこ)

          2023年12月の歌        

          紅白の馴染みの薄い歌手リストに昭和は更に遥かになりぬ 正月を異国に迎えて半世紀お雑煮の味を二世に引き継ぐ 岡まなみ 目の検査無事に済ませてあと二年運転できる免許をもらう 二年後に九十一歳になる我の運転免許じっと見つめる 小島夢子 元日の朝がなんだとキジ猫はシッポふりふり車道を渡る 大空を縦に横にと切りきざむ音もおどろな冬の雷 関本なつ 報知紙の分厚いページの特集に胸弾ませし春を忘れじ パスワードを鍵束のごと携えてウェブセールに参じる金曜 筒井みさ子 幾年もブーゲン

          2023年12月の歌        

          2023年11月の歌 題「大」

          大福のほっぺにバナナや蒸しパンを小さな口から詰め込む一歳     一日中ピアノの響くキッチンで我が物顔に歩くゴキブリ 大室やよい また一人励ましくれる人逝きぬ 庇護の大きさを知る事務所終い 自転車の前後と背中に子をのせてママはこぐこぐ仕事に急ぐ 小野貴子 大いなる自然の力よ大地揺れ宇宙の謎に思いを馳せる   大好きなきみの笑顔を見るために寄り道をしてチョコレートを買う  小島夢子 大いなる飯桐(いいぎり)の木に赫赫と午後の陽に照る飯桐の実は 上水のフェンスを絡みし

          2023年11月の歌 題「大」

          2023年8月の選歌

          裏庭にマンゴーの実の熟れゆくをマイナバードと競いて待ちぬ     筒井みさ子 途切れずに道を渡れる人々を待ちいる車に蝶とまり来る       鵜川登旨 公園の暑さに倦みた木々の中でクマゼミだけが夏を謳歌す   森田郁代 朝一番食べ頃きゅうりを摘み取ると「おはようさん」と顔出す青虫  伊藤美枝子 縮みし母童女のようなその笑みを午後の陽光(ひかり)がゆらりと照らす 六甲もこ 間違って顔につけてた整髪剤老いの顔には何事もなし    小島夢子 笹舟にコンペイ糖を五粒のせ川

          2023年8月の選歌

          アロハ通信#17  エレファントイヤー

          エレファントイヤーはアロカシアという種に属する植物です。「象の耳」と名がついただけあって、里芋の葉によく似たハート形の葉をしています。巨大な里芋という感じですが、毒性があるので食べられません。従ってクワズイモ、という日本名がついています。ハワイで見られるエレファントイヤーの葉は、里芋の葉の五倍はあるような大きさで、雨が降れば傘になりそうです。人の背丈くらいの高さになり、水芭蕉に似た花を地面近くに咲かせます。通っているリハビリの建物の庭に沢山植えられていて、外に出てみどりのオゾ

          アロハ通信#17  エレファントイヤー

          2023年9月の歌 題詠 線

          電線に掛かりて朝の月淡し「昨夜(ゆうべ)はごめん」と 夫にメールす   添加物のたっぷり入ったドレッシングにまみれてサラダは 妖しく光る   鵜川登旨 巨大なる線香花火の火の玉が水平線にぶよっと沈む 「気をつけて」車道の我に言いながら目の前の棒にぶつかる夫 大室やよい 手を触れればブルーベリーはホロホロと落ちてバケツの 重みを増し行く 摘み取ったベリーを茶碗に山と盛り紫の粒をパクパク頬張る 岡まなみ どこまでか 境界線を探りつつ子との会話を笑顔で進めん おそろいのア

          2023年9月の歌 題詠 線

          2023年9月の選歌

          黒焦げのバニヤンの木の声がする泣いてたまるか再び芽吹くさ 関本なつ 「気をつけて」車道の我に言いながら目の前の棒にぶつかる夫    大室やよい 電線に掛かりて朝の月淡し「昨夜(ゆうべ)はごめん」と夫にメールす   鵜川登旨 手を触れればブルーベリーのホロホロと落ちてバケツの重み増し行く    岡まなみ 秋風を待ちきれぬのか虫の声熱気の冷めぬ夜の庭より        森田郁代 蔓さきに目のあるごとく絡みつつ塀に咲きたる鉄線の花    近藤秀子 客足を新幹線に奪われて

          2023年9月の選歌

          2023年10月の歌 テーマ(空港、駅)

          ハワイへと嫁ぎゆく吾(あ)を見送りて母は声上げ泣きぬと聞きたり   高台の病院に並ぶ窓灯りそれぞれの窓にそれぞれの訳          鵜川登旨 「孫の手」の用途を説明する夫に笑いをこらえる保安検査員    ケンカする訳は色々あるけれど口がなければ「喧嘩」にならない      大室やよい 乗り換えのゲートを見つけて腰下ろし案じて待ちいる娘にラインす    にわとりは網戸の外に猫は内に向かい合い眠るけだるい三時        岡まなみ 丸三つ満月街灯ホームの灯車窓に並ぶ 

          2023年10月の歌 テーマ(空港、駅)

          2023年 8月の歌  題「失敗談」

          朝一番食べ頃きゅうりを摘み取ると「おはようさん」と顔出す青虫  スーパーでつくね芋見つけ嬉しくて亡母(はは)の好物だんご汁作る  伊藤美枝子 失敗の代名詞あり我が憲法変えるに変えられぬもどかしさ 失敗は成功のもと慎重に大事の前の小事大切 今森貞夫 今日駐(と)めし場所を忘れてアラモアナの駐車場内うろうろ歩く 途切れずに道を渡れる人々を待ちいる車に蝶とまり来る       鵜川登旨 大学の塔から眺める街と海ここに住む子の祝福を祈る 別れ際に「がんばるから」と子は言

          2023年 8月の歌  題「失敗談」

          アロハ通信#16 ラジオ体操

          体力の衰えを感じるこの頃、毎日少しずつでも歩かなくてはと思っていてもなかなか続けることができません。そんな私ですが、一つだけ続いていることがあります。それは地域でのラジオ体操です。 私の家の前の公園で、日曜と祝日以外の朝九時からラジオ体操の会があり、 CDに合わせての体操とストレッチをしています。時間にして十五分くらいのものです。参加者は六十代から八十代のシニアで、男性七、八人、女性十二、三人くらいの二十人前後が集まり、おしゃべりしながらだったり、動きは人に応じてばらばらだ

          アロハ通信#16 ラジオ体操

          2023年7月の歌  題「顔」

          午後六時仕事の顔を緩めつつ夕陽に包まれ家路を急ぐ  真っ白な皿が際立つカラフルなサラダは初夏の水彩画のよう  六甲もこ 顔見せぬ娘(こ)の携帯に電話すれば三歳児取りて愚痴も言えずに  日本へは二十年ぶりの息子と行くうまいもん食む大阪の街  伊藤美枝子 予測なき災厄来らば大御神和平まさぐる妥協と辛抱 蒼空に静かに光る星一つ世界の願い平和であらまし       今森貞夫 この人も文学少女だったろう老いたる友の美(い)しき横顔      梅雨晴れに四(よ)枚のシーツ

          2023年7月の歌  題「顔」