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アロハ通信 #21          ミニチュア生花展示会


去る3月8日、9日の2日間にわたって、インターナショナルいけばなチャプター56主催の一風変わった生花展示会『生花の輝き』がホノルルのハワイ日本文化センター5階のオハナルームにて開催されました。

一風変わった生花展というのは、企画の試みが小さな入れ物やミニチュアの器を使って「生ける」という趣向によるものです。キッチンの戸棚の奥にしまい忘れていて、使っていなかったティーポットやコーヒーカップ、お正月に出してくるだけの小型の重箱、茶道で使う四滴や煙草盆、燗鍋(かんなべ)やお猪口などにお花を生けて光を当てようというものです。

キッチンの戸棚に見つけし燗鍋に野花さしたるミニチュアいけばな

殆どの展示作品に小さ目の器が使われ、しかも、それらは驚くほどの想像力と創造力に満ち溢れ、小さく可愛らしく生けられていました。子供の頃のままごとを彷彿とさせるような庭付きのミニチュアハウス風の作品もあり、観る人達の心を和ませてくれました。

今回の展示会には、ハワイの池坊、草月、小原、一葉、藤院未生(とういんみしょう)流の方々が参加しており、テーマにより多少重なる点も見られましたが、其々の流派の特徴を巧みに表現していて、とても興味深く鑑賞できました。ハワイ短歌会から筒井みさ子さん(池坊)と私(小原)も参加しました。楽しい生花展示会に参加できて感謝でした。

展示会場で嬉しく思ったことは、この『生花の輝き』展を観に来てくださった方々から「お花が生けたくなった」、「湯呑みや急須になら私にでも生けられる気がする」と言う嬉しいお声が聞けたことです。観にきてくださった方々の家のどこかに忘れられていた器にお花が生けられて、お部屋を明るく輝かせていると想像するだけで楽しくなります。皆さんも、戸棚の奥に潜んでいる小さな器にお花を生けて楽しんでみませんか。

ティーポットにスイートピーを粋に挿しピンクの好きな母に手向ける

楽満眞美

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