武侠

にしのとりかえばや(第三話)

にしのとりかえばや(第三話)

二、  夜明けの鼓《こ》が、ホーロンに鳴り渡る。かん高い、軽快なその響きが三百に達すると、夜間、閉ざされていた城市《まち》の門扉《もんぴ》が開かれ、城内を訪れる隊商や、どこかへ旅立つ人びとの波が生まれる。城市《まち》はたちまち活気づく。  各里坊でも、触れ役のよく通る声に、煮炊きする音や、動き出した家々の物音が混じり、朝が始まるのだった。  まだ爽やかな涼しい時刻のはずだのに、目覚めたときのサラの気分は、最悪だった。まるで自分の上にだけ、厚い雲が垂れ込めているように思える。

1
笑う門には福来たる❤旧正月恒例☆周星馳チャウ・センチー☆

笑う門には福来たる❤旧正月恒例☆周星馳チャウ・センチー☆

旧正月が明けました。  以前は旧正月と言えば、日本のお正月同様三ヶ日は全てお休みで大晦日も半ドンでした。大晦日は家族が一堂に会しての年越しディナーだからです。 今は日本同様お正月の雰囲気は薄れ、大晦日も外食や出前、元日当日からレストランもスーパーも開いています。 我が家の年越しも叉焼など外で買ってくるものが増えました。 何処の場所でもこうした季節の行事がどんどん味気なくなっているのはとても寂しい気がします。 でも私達はお店が開いていても毎年外出しないで過ごすのが恒例で

42
読書感想:2020年に読んだ本を振り返る

読書感想:2020年に読んだ本を振り返る

コロナ禍で散々なことになった2020年ですが、自宅にいる機会が増えた事で本を読む機会が増えました。 今日は、今年読んでいた本のうち、特に印象に残ったものを並べてみます。 中国遊侠史 四月に立ち上がった #読書感想文 というハッシュタグ企画に合わせて紹介したのが、中国史においてロマンをかきたてつつも、その実態がよくわからない存在である「遊侠」を専門的に取り上げてくれた「中国遊侠史」。以前に持ってはいたんですが手放してしまったのを再度購入しました。 遊侠または江湖という概

4
飄と縹と鏢-ちかごろ見ているおもしろ中国ドラマ

飄と縹と鏢-ちかごろ見ているおもしろ中国ドラマ

秋から見始めた中国のドラマがどれもこれも面白くて6本くらいHDDに溜まっているので、同じ読みの文字が入った3本をまとめて「いいぞ」していきます。現代恋愛、ファンタジー、歴史ものとなっています。 花とゆめ武侠「淑女飄飄拳(しゅくじょひょうひょうけん)」 全24話で、今9話まで見ています。 原語の副題はSweet Taichi、スイート太極拳です。中国のどっかにあるスポーツと芸術の名門大学を舞台に、おじいちゃんから太極拳を教わったお転婆で負けず嫌いの風飄飄(フォン・ピャオピ

7
司馬遼太郎の何が問題か?【江湖】を知らずに、どうして笑い飛ばせるのか?

司馬遼太郎の何が問題か?【江湖】を知らずに、どうして笑い飛ばせるのか?

 今まで紹介した作家は、距離や年代的に離れていました。そこで、距離、年代、そして職業と肩書きまで司馬遼太郎に近い作家を考えたいと思います。  香港の金庸です。今回はまくらはなしで。 中国語文化圏国民的作家といえば? それは金庸  金庸は中国語文化圏では国民的作家です。その浸透度は、魯迅以上かもしれない。それというのも、十年に一度くらいのペースでドラマ化され、漫画化もされているのです。どの世代だろうと作品名を言うだけで結末を知っているし、どの人物がどんな役割を果たすのか、

11
【コウラン伝】始皇帝の母のドラマとは?予習をしてみた

【コウラン伝】始皇帝の母のドラマとは?予習をしてみた

 今、中国歴史ドラマや映画が熱い! 『陳情令』はメガヒットを記録しております。  え、そうだっけ? 思えば昔見た中国のドラマといえば……『三国志』のエキストラが派手なものとか。  ワイヤーアクションで飛ぶものというイメージがありました。最近の中国のドラ マはどうなのか?  とても気になったので、この道に詳しい梅有仁氏を「三顧の礼」で口説き落とし(※という設定です)、来たる『コウラン伝 始皇帝の母』について聞いてみました。  BSプレミアム 5月10日(日)夜9時スタートであ

4
金剣録 1

金剣録 1

「だからよ、俺達は明朝復興という崇高な使命を負っているんだ。ここで商売始めたんだ、これから覚えておいた方がいいぜ?」 「そうそう、陳兄の言う通りだ。だからちょいと復興資金を出してくれりゃいいんだ。ついでにここの勘定もな」  したたかに殴られ、涙と血にまみれた顔面の店主は空気の抜けた声で必死に返事をすると、小僧に店の金を用意させた。突然の暴力沙汰に、店の客はすでにほとんど逃げている。 「最初からそうしとけばよかったんだ。ま、今後この店にくそったれの異民族共が現れても、我ら幇会が

1
てんぐの武侠感想~絶代双驕は良いぞ

てんぐの武侠感想~絶代双驕は良いぞ

Netflixで配信されている武侠ドラマ『絶代双驕』、先日最終話まで視聴いたしました。 台湾武侠の第一人者・古龍先生の代表作のひとつにも数えられるのもわかる面白さでした。どう面白いかはうちの奥さんの記事を参照していただくとして(毎度おなじみ手抜きスタイル)、てんぐから伝えたい事も、これからいくつか述べていきたいと思ってます。 「生まれついての呪い」に抗う若者たち 奥さんに指摘されて初めて気付いたんですが、『絶代双驕』の主人公を取り巻く構図は、金庸先生の『射雕英雄伝』とも

5
武侠TRPGへの道:オリエンタルD&Dからクトゥルフ武侠へ方針転換

武侠TRPGへの道:オリエンタルD&Dからクトゥルフ武侠へ方針転換

「D&Dで武侠やオリエンタルファンタジーをやろう!」と意気込んできたてんぐですが、最近ふと「D&Dでなくクトゥルフ神話TRPG(略称:CoC)でやるって手もあるんじゃないか」って考えが頭に浮かびました。 どうも最近のTRPG界隈はCoCが、しかもコズミックホラーとしてでなく汎用アドベンチャーものとしてのニーズが高いようです。確かに、それほど多くはないですが自分自身のプレイ体験からもCoCは汎用性が高いシステムです。 事実、クトゥルフ神話のメインステージである1920年

5
月花ロスの処方箋~てんぐ推薦中華時代劇

月花ロスの処方箋~てんぐ推薦中華時代劇

BS11の『月に咲く花の如く』も最終回を迎え、月花ロスに陥ったという声をよく聞くようになりました。わかる、わかるよ。てんぐもそうだから。 その月花ロスへの処方箋としては、まずはAmazonプライムで月花2周目突入ってのも挙げられますが、その他にてんぐがオススメできる中華時代劇もピックアップしてみました。 ザ・“神劇”、琅琊榜シリーズ 我々の世界とは少しだけ違った歴史を歩んだ中華世界を舞台にした、宮中や野に潜む魑魅魍魎どもに対し、知謀知略と義侠の刃で挑むヒーローたちの活躍

5