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武侠ものの「走火入魔」とは?

武侠用語のひとつに「走火入魔そうかにゅうま」があります。

多くのドラマでは、主に「気が暴走」と訳されていますが、いったいどういう状態なのでしょうか?

まず中国語の辞書を引くと「熱中する」「夢中になる」と出てきますが、これは、武術や武侠ものにおいて武術を指す場合は該当しません。

それでは武術における走火入魔とはどんなものなのでしょうか?
たとえば「気功」における走火入魔とは、修練(修行方法)を誤り、体内を流れる気脈が乱れ、心身の状態が乱れ健康を損ねることです。

武侠の武功でも大本はこれと同じです。内功が乱れ、心身がおかしくなった状態です。(注:よく「発狂」と誤訳されていますが、あくまで経脈を流れる気の乱れによるものです)

走火入魔になった原因はいろいろ違っていても

・前後の文章から判断して体内で気が荒れ狂っている場合は、気脈が乱れ気が暴走した状態。
・気が枯渇してしまっている場合の走火入魔は、内功が乱れて心神喪失の状態、または気が弱りきってしまい虚弱状態です。

どちらもそのままでは、物語のなかで死んでしまいます。
だれか内功の強い者が運功(内力を送り込むこと)しないと助かりません。稀に特別な名医が治すこともあります。


※(武侠物における走火入魔について詳しく知りたい場合は、金庸の「笑傲江湖」を読めば、一番わかりやすいと思います)

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