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武侠をGURPS的に解釈してみよう

 天龍八部を再読していて、改めて思うのが、「江湖で達人見たら性格アレだと思え!」ということでして。
 もうね、武功と引き換えに人間としての常識かなぐり捨ててそうな面々ばかり出てきます。そして、そういうのに限ってクソ強いから始末に悪いんだ。会話が成立するだけでも御の字ですからね。

 で、そこまで考えて頭に浮かんだのが、TRPGのGURPSでした。

てんぐ秘蔵の文庫版GURPSマーシャルアーツです

 GURPSには“特徴”といって、キャラクターの地位や出自や容貌や特徴、あるいは特殊な背景などを獲得することができます。
 この“特徴”は、“有利な特徴”だけでなく、悪名高い(評判が悪いくらいクラスから凶状持ちクラスまで)とか後ろ暗い秘密とか癇癪持ちとか嘘が本当につけないとか偏執的な行動などの“不利な特徴”も含まれます。

 そして、ここからが肝心なんですが、“不利な特徴”は重ねていけばいくほど、またはよりハードコアな“不利な特徴”を得ていくほどPCを強化できるのです。

 天龍八部でいうと、段正淳は「あっちこっちに愛人と隠し子がいます」という<秘密>(プラス<好色>)があり、段誉は<専守防衛>が信条。あとこっちも<好色>ありそう。
 <秘密>持ちというなら、喬峯の場合は「実は契丹人である」という<秘密>と、これの発覚によって<敵>を抱え込む羽目になりました。
 四大悪人は一目で自分たちが結びつくくらい<重犯罪歴>持ち、姑蘇慕容家は「700年前に滅んだ燕国を再興させる」という<誇大妄想>を抱えてて、虚竹は<禁欲主義>だし、丁春秋と星宿派のおべっか環境は<嫌な行動>に入れて良いかな。

 とまあこんな具合に、武侠の達人は多種多様な不利な特徴を抱えていることがわかります。

 精神的というか人格的な面ばかりでなく、上図のサプリメント「GURPSマーシャルアーツ」を活用すれば、リアル寄りの武術アクションから武侠寄りの超人武功まで、どちらも表現可能です。妖魔夜行などの別のGURPSシステムのデータを組み込むと、よりファンタスティックにできます。

 GURPS武侠をいまやっても面白そうではあるんですが、問題はキャラメイクにおっそろしく手間が掛かることかな。判定も今の感覚だとややこしいところもあるし。

 でも、実現したら結構楽しめそうな気もするかな。

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