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[中国ドラマ]NARUTOみたいな武侠ドラマ

中国人の夫の影響で、結婚してから中国ドラマや映画を見るようになった。

私は学生時代に中国へ短期留学に行ったし、ゼミも漢文ゼミだったのに中国を舞台にしたドラマや映画は一切見たことがなかった。

「チャングムの誓い」は好きだったけど、あれは韓国だし、よく考えたら中国のドラマや映画ってあまり地上波で、且みんなが見やすい時間帯にオンエアしてない気もするのは気のせいだろうか…?

大学卒業後に「レッドクリフ」やその他カンフー映画をちょっとだけ見た。それから「HERO〜英雄〜」も見たけどそこまで夢中にはならず。

で、結婚して夫が

「中国で、数年に一度リメイクされ続けている作品だよ」

と言われ、初めてちゃんと見たのが「射鵰英雄伝」。

金庸という、中国では割と有名な作家の小説が原作なんだとか。

1958年からドラマ化され続けている作品で、中国では知らない人はあまりいないらしい。

そして、大体好きなドラマや漫画、小説の話になると、

「(登場人物は)誰が好きなの?」

という話になるが、この射鵰英雄伝に限っては、

「どのバージョンの射鵰英雄伝が一番好きか?」

という話になるらしい。

「日本には、何回もリメイクされているドラマはあるの?」

と夫に聞かれたけど、あまり日本のドラマに興味がない私はわからない。

私が見たのは2017年の「射鵰英雄伝〜レジェンド・オブ・ヒーロー」。

このドラマの主題歌と言えば、「鉄血丹心」なのだが、この曲がすごくいい!

2017年版だと、歌は入っていないバージョンしか流れないけど、それだけでもいい曲。私はこの曲が好きすぎて歌詞を暗記し、夫とカラオケに行くと必ず歌う。

デュエット曲だが、元合唱部でハモり専門だった私には楽しくてしょうがない歌だけど、夫は歌が大の苦手なので上手くハモれないのが少し残念 笑

あらすじは、Wikipediaにうまくまとまっていたので、引用させていただく。

物語は13世紀初頭、靖康の変を経て南宋と金が対峙し、北方でモンゴルが台頭しつつある時代を背景に、モンゴルで育った漢人の若者郭靖が、江湖の荒波に揉まれながら人間的に成長していく姿を、全てにおいて彼と対極に位置する少年楊康の破滅と照らし合わせながらじっくりと描き込んでいる。

「射鵰英雄伝」Wikipediaより

この作品、何が面白いかって、恐らくポイントは次の三つだと思う。

①主人公郭靖と楊康の対比がまるでナルトとサスケのよう
②敵を含めた脇役が魅力的
③利発な恋人(ヒロイン)が魅力的

①主人公郭靖と楊康の対比がまるでナルトとサスケのよう

十代のころ、NARUTOが大好きだった私には、郭靖と楊康がナルトとサスケにしか見えない。特に楊康の闇落ちがサスケの闇落ち具合とよく似ていて、「岸本先生は『射鵰英雄伝』見てたんですか!?」と聞きたくなるくらいだった。(岸本先生はNARUTOを描く前にカンフー映画やドラマを見たと言っていたから、可能性はなくもなさそうだけど。)
楊康はイケメンだし、金の皇族として育つわけたから、「名家のイケメン」という設定も似てる。郭靖は頭はあんまりよくないけど、持ち前の明るさと素直さで多くの人を引き付けているあたりもナルトみたいだし。

まあ、こういう設定は主人公とライバルを作る上では作りやすい設定だと思うから、たまたまかもしれないけど、一番見ていて盛り上がるパターンなのは間違いない。

②敵を含めた脇役が魅力的

武侠ドラマということで、とにかく武術の達人が多い。武術の達人が多いということは、師弟関係の話もあれば、主人公に敵対するキャラクターも登場する。

ここでもNARUTO要素を感じられるけど、東西南北に武術の達人がいる。それぞれ「東邪」「西毒」「北丐」「南帝」と名前がついている。これが、NARUTOの三忍みたいで「自分なら誰についていきたいか」など、勝手に妄想を楽しめる。

また、敵キャラはいろいろいるけど、みんなどこか憎めない。私は個人的に梅超風という女性の敵キャラクターが一番魅力的だと感じた。このキャラクターは物語の序盤に夫婦で登場して割りとすぐに主人公にやられてしまうのだが、後からまたちょっとだけ登場して実は東邪の弟子だったり、楊康の師匠になったりする話がある。
敵キャラなのに、情に流されてるところなんかもあって、なんか憎めない。

③利発な恋人(ヒロイン)が魅力的
主人公の郭靖がナルトっぽい、ということで必要なのは賢いパートナーである。

そこでヒロインの黄蓉なのだが、サクラみたいな優等生キャラではない。割りとおてんばで自由奔放だけど頭はすごくキレるというキャラクターである。そういうキャラクターは、あまり主人公とペアになってるところを日本ではあまり見ない気がするけど、中国のドラマって割りとこういうおてんば女子キャラが目立っている気がする。

郭靖があまり賢くない分、この黄蓉がいろいろ知恵を出して難題を一緒に乗り越えていくのが面白い。郭靖は少年ジャンプのルールにのっとったかのように、いろんな良い師匠に巡りあってどんどん強くなっていく様子も、見ていて清々しい。

さらに、この二人は序盤ですぐ恋人になって一緒に行動するので、いつまでも結ばれないもどかしさがないのがかえって良い。「名探偵コナン」の新一と蘭みたいに「お前らいつになったら付き合うんだよ!」というイライラは決して生まれない安心感がある。

さらに、NARUTOのサクラのようにサスケが好きかと思えばナルトに行ってみたり、「結局どっちやねん」というキャラもいない。

ライバルの楊康にも恋人がいるし、敵キャラの梅超風でさえ夫がいる状況なのだから、恋愛関係は安定している。

夫婦や恋人同士で活躍する話も、そう多くはない気がする。そういった意味では、「射鵰英雄伝」は結構珍しいかもしれない。

 対立する組織はあるけれど、なんとなくみんな主人公たちを温かく見守ってくれて、それで主人公はすくすく元気に、強くなっていくという武侠ドラマなので娯楽としてはすごく楽しめること間違いない。

ちなみに、続編で「神鵰侠侶」があるけど、こちらは個人的にはあまり好きではない。

「神鵰侠侶」は、NARUTOでいえば「BORUTO」のような立ち位置になる作品。
つまり、二世たちの話だ。
もちろん郭靖や黄蓉も登場するし、昔活躍した敵キャラや師匠たちも登場するけど二番煎じ感が否めない。
主人公は楊康の息子なのだが、生徒でこんな奴いたら絶対嫌だなと思うような超問題児で、個人的に見ていてあまりいい気はしない。
しかし、このドラマも何回もリメイクされているので、やはり人気作品なのだろう。

ということで、「射鵰英雄伝」はNARUTO好きな人には絶対お勧めなので、ぜひ見て欲しいし、なんならNHKとかで放送して欲しい。

2024年に「鉄血丹心」という名前でリメイクされているらしいけど、こちらは話数が限られていて、話がぎゅっと短縮されているようだ。忙しい人にはいいかもしれない。


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