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#147 風林火山(2007)-ストーリーよりも壮大さが記憶に残る戦国大河

NHKアーカイブズ紹介文

戦国時代、武田信玄に仕えた軍師・山本勘助の夢と野望に満ちた波乱の生涯を中心に、戦国の世を懸命に生き抜いた人々の姿を描いた人間ドラマ。理想の主君・信玄、永遠のヒロイン・由布(ゆう)姫のために、無償の愛をささげる勘助の熱き戦いを描いた。

大河ドラマで一番汚い主人公

序盤は野武士・山本勘助(内野聖陽)が武田信玄(市川亀治郎)の軍師となるまでの展開。通常、大河ドラマの主人公は清廉潔白した人物が多いが、風林火山の山本勘助は、片目を失っている上に、汚くて不衛生で貧乏でバカにされがち。愛嬌や機転を利かせてどんどん成り上がっていく様が痛快。

衣装の汚なさにこだわった主人公

異彩を放った由布姫(ゆうひめ)

成り上がっていく過程で様々な名優がこのドラマを支える。信玄によって甲斐を追放された武田信虎(仲代達也)、壮絶な死を迎える信玄の家臣・板垣信方(千葉真一)、甘利虎泰(竜雷太)、諸角虎定(加藤武)など、枚挙にいとまがないが、そんな中、際立っていたのが、拉致されて信玄の側室となる由布姫(柴本幸)。頑なに信玄を拒む姿、勘助をメロメロにさせる色香、勘助に説得されて信玄に身をゆだね、やがて死を迎える不幸な人生。勘助との絡みが絶妙で、ドラマの中盤を支えた立役者。

退場寸前の姫(右)と最近やんごとなき事情で退場した殿(左)

カッケー真田幸隆

言わずと知れた真田家中興の祖。群雄割拠の時代にあって、様々な裏切りに遭うも、武田信玄、山本勘助を信じ、最後は先祖代々受け継いできた真田の地を取り戻す。その幸隆を演じたのが佐々木蔵之介。大河的には彼のDNAが真田丸の草刈正雄大泉洋堺雅人に引き継がれる。何とも感慨深い。

兜の六連銭もカッケー

その手があったか、上杉謙信

視聴率狙いとは思えないほどドはまりしたのが上杉謙信役のGackt。色気はもちろん、欲を断ち、ひたすらストイックに生きる様がまさにGacktそのもの。川中島の戦いでの鬼気迫る進軍はもちろん凄かったが、このドラマ人気の終盤全般を支えた立役者。

絶対外れると思っていたのにむしろドはまり

最大の楽しみはオープニング映像

スタートは内野聖陽による風林火山の句の音読
・疾きこと風の如く
・徐かなること林の如く
・侵掠すること火の如く
・動かざること山の如し

内野聖陽の低音が鳴り響くオープニング

そして大河史上最も評価の高い楽曲へと続く。この音楽が素晴らしく、戦国時代の壮大さ、武将の闘争、翻弄された姫たちの不遇さ等、あらゆる要素が詰まった名曲。心躍る楽曲とはまさにこの音楽。


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