元新聞記者

良かったことだけ思い出す(新聞記者からの転職)

 この1年程続けているオンライン英会話サービスでは、仕事に関する話題がしばしば持ち上がる。「あなたの仕事は何ですか?」「なぜ、その仕事を選んだのですか?」。こんな簡単な問いにでさえ、最近の僕は答えに窮するようになっている。  大学卒業後に7年弱続けた全国紙の記者を辞めたのは202…

名古屋の「ちいさなパナマ運河」~世界運河会議の成果を生かしたい

 名古屋の中川運河には、ささやかな感動があります。数年前、水上バスに揺られて名古屋港まで下ったときのこと。港に近づくと、「中川口通船門」という観音開きの水門が閉じて、水位が港と同じになるまで待ちます。その間、船は左右に揺れながら、水面の上昇に合わせて少しずつ持ち上げられていくので…

子預け神事の「井戸のぞき」~名古屋の高座神社新緑の中で

 子育ての神様として知られている神社が名古屋市熱田区にあります。いま新緑も鮮やかな高座結御子神社(たかくらむすびみこじんじゃ)です。  毎年6月1日になると、小さな子どもを抱えた母親らが参拝し、境内の井戸をのぞかせています。「井戸のぞき」というお祭りで、かんしゃくの虫封じができる…

友人の死とSNS -細い糸を自ら揺らす-

 2021年5月3日、大学時代の友人がまた1人この世を去った。昨年7月末に会社の胃カメラ検診で胃癌が発覚。ステージ4、5年生存率20%との診断で、抗がん剤治療を続けていた。享年30。若すぎる死だった。  彼とは大学時代に語学のクラスが一緒だった。たくさん言葉を交わした訳じゃない。でも…

ヒマワリで夢のスタートアップ~愛知・一宮市の花農家

 鮮やかな黄色のヒマワリの季節がやってきました。ヒマワリといえば、炎の画家、ビンセント・バン・ゴッホの絵が思い出されます。  ヒマワリは夏の花と思いがちですが、露地栽培は5月上旬から収穫が始まり、11月下旬まで出荷されています。JA愛知西(愛知県一宮市)が、「父の日」(6月20日)を前…

南信州米俵保存会~お米農家とわら細工を救う

 各地で田植えが始まりました。濃尾平野でも水をたたえた田んぼが広がっています。一方で、秋の収穫のあとに稲穂を天日干しする「はざ(稲架)掛け」の光景は少なくなっています。  そんなことを思っていたとき、中日新聞や市民タイムス(長野県松本市)で、南信州米俵保存会のことを知りました。合…

奈良時代のパンデミックと「命の経済」~東大寺別当とジャック・アタリ氏の話から

 44の経済同友会が共催した「第33回全国経済同友会セミナー」がオンラインで開かれたのは、4月8日でした。総合テーマは「新しい日本の再設計~コロナショックを新日本創造の契機に~」です。  基調講演は、華厳宗管長第223世の狹川普文・東大寺別当で、テーマは時宜を得た「奈良時代における医療体制…

地質から読み解く大地震~「げんさいカフェ」で学ぶ

 114回目の「げんさいカフェ」は、5月10日の「地質の日」にオンラインで開かれました。講師は、古地震学者の宍倉正展さんで、「古地質・古津波研究から予測する巨大地震」というテーマでした。  げんさいカフェは、名古屋大学にある減災連携研究センターの研究者らが2011年の東日本大震災以降、一般…

「新聞大学」で学ぶ日本国憲法~憲法記念日の社説から

 憲法記念日(5月3日)には、新聞各社の社説や論説を読んで、改めて日本国憲法の原文を見るように心がけています。今は社説をネット上で読むことができるので、コロナ禍で外出を控えている身にとっては、ありがたいことです。  さて、表題の「新聞大学」ですが、この名前の4年制大学があるわけでは…

赤と青~碧南市の赤シソと「とよかわ大葉」

 茶摘みが始まる八十八夜は、今年は5月1日でした。愛知県西尾市でも一番茶の茶葉の摘み取りが始まりました。  実は、茶園で使われる機械が赤シソの収穫にも使われていることをご存じでしょうか。JAあいち中央のしょうが・しそ部会(山田哲也部会長、11人)が5月下旬から赤シソの収穫を始めるという…