長谷川未緒

東京外国語大学卒。出版社で絵本の編集などを経て、フリーランスに。暮らしまわりの雑誌、書…

長谷川未緒

東京外国語大学卒。出版社で絵本の編集などを経て、フリーランスに。暮らしまわりの雑誌、書籍、児童書の編集・執筆などを手がける。リトルプレス[UCAUCA]の編集も。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。天然生活webで「ずっと絵本と。」連載中。

マガジン

記事一覧

固定された記事

9.おばあちゃんと恋愛

独身で四十路を迎えたとき、ふと思った。 「もう一生、誰とも恋をしないで生きていくのかな」 祖母に「いちばん最後に恋をしたのは、いつ?」と聞いたのは、そんなときだ…

262

インド瞑想記7:インドで得たものは?

 全日程を終えた日、サリーを着て瞑想仲間と記念写真を撮った。楽しかったけれど、もっと瞑想していたいという声がさかんに聞こえるなか、わたしは早く家に帰って体のすみ…

長谷川未緒
4週間前
12

インド瞑想記6:おいしい食事が救いだった。

 寝床探しのゴタゴタやら風邪やらで、落ち着かない6日間を過ごし、後半へ。日々のスケジュールはだいたい以下の通り。 5時 起床 6時半〜 朝食 7時45分〜 プログラム 11…

長谷川未緒
1か月前
11

インド瞑想記5:風邪を引き、自然からの支援を得る。

 ドミトリーに戻った翌日、熱が出た。のどの痛みと軽い咳、全身の激しい痛みもある。度重なる移動の疲れに、テントでの寝冷えから風邪を引いたのだろうと思ったが、コロナ…

長谷川未緒
1か月前
5

インド瞑想記4:ついにテントへ!安住の地かと思いきや……。

 テントが予定数できあがっていないことは承知のうえで会場に来たわけだが、できあがるそばから早い者勝ちというのは想定外だった。毎晩、空きテントを探しに行くも、どこ…

長谷川未緒
1か月前
7

インド瞑想記3:ドミトリー狂騒、いびきと咳。

 会場となった「カンハ・シャンティ・ヴァナム」は、平和の森という意味を持つ広大な瞑想施設だ。中央に5万人が収容できる大ホールと、その周囲に5千人用の中ホールがいく…

長谷川未緒
1か月前
9

インド瞑想記2:にわかにときめく。

 インドでの瞑想イベントに日本からは約120名が参加。ほとんどの人が12月27日に発ったが、わたしは愛猫と離れがたかったので28日に出発し、乗り継ぎのデリーで1泊した。テ…

長谷川未緒
1か月前
12

インド瞑想記1:インドに呼ばれた。

「インドに呼ばれる」とは旅好きのあいだでよく聞かれる言葉だが、ほんとうだった。思いがけず呼ばれた理由は、南インドに位置するハイデラバード郊外で開催された「10000 …

長谷川未緒
1か月前
11

才能について思うこと

わたくしフリーライターをしておりまして、取材相手から「とっちらかった話を上手にまとめてくださってありがとうございます」みたいなお礼をよく言われます。 「いやいや…

22

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その4

こんぴらさんで、膝ががくぶるバースデーひとりっぷ最終日は、朝9時にチェックアウトし、荷物を預かってもらって、金刀比羅宮へ。金刀比羅宮は、香川県琴平町象頭山に鎮座…

8

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その3

海に向かってマントラ瞑想を唱えるものの…2日目も快晴。波間がきらきら。 海辺におりたち、前日は気づかなかったお稲荷さんに手を合わせ、海に向かって平和を祈るマントラ…

3

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その2

オリーブオイルブレンド体験13:45着のフェリーで小豆島の土庄港に着き、フェリー乗り場そばのバス停から13:50発の田浦映画村線に乗り込んで、向かったのはオリーブヶ丘駅。…

5

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その1

誕生日にひとり旅する理由誕生日にひとり旅をするようになったのは、30代半ばからです。それまでは大学時代の友人たちとお互いの誕生日をお祝いっこしていました。結婚して…

6

アファメーション考

4月1日は牡羊座の新月でした。お気づきの方もいるかもしれませんが、1日にアップしようと思っていたのに、寝かしてしまいました。。。 さて、新月といえば、アファメーシ…

14

編みたいものを編むのがいいよ。

コロナ禍で本格的にはじめた編み物熱が冷めやらず、毎日、ぽつぽつ編んでいます。昨年から編みはじめたのは、インスタグラムで見つけた花のモチーフ編みをつないだカーディ…

17

家計管理と体重管理は似ている!?

恥ずかしながら、2020年の9月は、収入がゼロ円でした。コロナの影響ですな。フリーランスは収入が一定ではなく毎月波があるわけですが、ゼロ円ははじめて。持続化給付金の…

14
9.おばあちゃんと恋愛

9.おばあちゃんと恋愛

独身で四十路を迎えたとき、ふと思った。

「もう一生、誰とも恋をしないで生きていくのかな」

祖母に「いちばん最後に恋をしたのは、いつ?」と聞いたのは、そんなときだった。

大正生まれの祖母は、戦争中に顔も知らないひとと20歳で結婚し、戦後わたしの父を産むとすぐに離婚、以来、水商売で生きてきた。

祖母はわたしの唐突な問いに少し考えたあと、はっきり「54歳」と言った。祖母はそのとき90歳だった。

もっとみる
インド瞑想記7:インドで得たものは?

インド瞑想記7:インドで得たものは?

 全日程を終えた日、サリーを着て瞑想仲間と記念写真を撮った。楽しかったけれど、もっと瞑想していたいという声がさかんに聞こえるなか、わたしは早く家に帰って体のすみずみまで洗い、愛猫のお腹に顔をうずめたいと思っていた。帰りも乗り継ぎのデリーで一泊し、生野菜と果物に飢えていたことに気づき、サラダをむしゃむしゃ、フルーツジュースをぐびぐび、サンドイッチとフライドポテトをむさぼるように食べた。

 帰国して

もっとみる
インド瞑想記6:おいしい食事が救いだった。

インド瞑想記6:おいしい食事が救いだった。

 寝床探しのゴタゴタやら風邪やらで、落ち着かない6日間を過ごし、後半へ。日々のスケジュールはだいたい以下の通り。
5時 起床
6時半〜 朝食
7時45分〜 プログラム
11時半〜 昼食
13時〜 プログラム
18時半〜 夕食
20時〜 プログラム
22時 消灯
 わたしが参加したプログラムは、ヨーガ、呼吸法、瞑想を何サイクルもくり返す実習と、TMの普及に努めたインド人のマハリシ・マヘーシュ・ヨーギ

もっとみる
インド瞑想記5:風邪を引き、自然からの支援を得る。

インド瞑想記5:風邪を引き、自然からの支援を得る。

 ドミトリーに戻った翌日、熱が出た。のどの痛みと軽い咳、全身の激しい痛みもある。度重なる移動の疲れに、テントでの寝冷えから風邪を引いたのだろうと思ったが、コロナに罹患していたら厄介だ。プログラムリーダーに連絡したら、TMの日本代表理事と瞑想の先生方が、ドミトリーから徒歩数分のアーユルヴェーダクリニックに連れて行ってくれるという。受付の女性から、まずはクリニック近くのメディカルキャンプへ行き、コロナ

もっとみる
インド瞑想記4:ついにテントへ!安住の地かと思いきや……。

インド瞑想記4:ついにテントへ!安住の地かと思いきや……。

 テントが予定数できあがっていないことは承知のうえで会場に来たわけだが、できあがるそばから早い者勝ちというのは想定外だった。毎晩、空きテントを探しに行くも、どこから情報を得ているのか人がすでに入っている。このままずっとドミトリーかなぁと思い始めた3日目(その日は大晦日だった)、ついに順番に割り当てられることになった。申し込んだひとり用ではなく、否応なしにふたり用だったため瞑想仲間とペアになる。プロ

もっとみる
インド瞑想記3:ドミトリー狂騒、いびきと咳。

インド瞑想記3:ドミトリー狂騒、いびきと咳。

 会場となった「カンハ・シャンティ・ヴァナム」は、平和の森という意味を持つ広大な瞑想施設だ。中央に5万人が収容できる大ホールと、その周囲に5千人用の中ホールがいくつか、さらにその周辺には数百人規模の集会場がいくつもある。ホテルや学校、アーユルヴェーダクリニックにスーパー、食堂にランドリーサービスなども併設され、ドミトリーもあちこちにあるようなのだが、いかんせん着いたばかりで地図が頭に入っていない。

もっとみる
インド瞑想記2:にわかにときめく。

インド瞑想記2:にわかにときめく。

 インドでの瞑想イベントに日本からは約120名が参加。ほとんどの人が12月27日に発ったが、わたしは愛猫と離れがたかったので28日に出発し、乗り継ぎのデリーで1泊した。テント生活を前に英気を養うべく、5つ星ホテルでくつろいでいたところ、会場に前乗りした瞑想仲間からLINEが届いた。なんと、テントが予定数の3割程度しかできあがっていないという。帰国するか、ホテル泊か、ドミトリーに入るか相談していると

もっとみる
インド瞑想記1:インドに呼ばれた。

インド瞑想記1:インドに呼ばれた。

「インドに呼ばれる」とは旅好きのあいだでよく聞かれる言葉だが、ほんとうだった。思いがけず呼ばれた理由は、南インドに位置するハイデラバード郊外で開催された「10000 for world peace(世界平和のための1万人集会)」(2023年12月29日〜2024年1月13日)に参加するためだ。このイベントは、古代インドの聖典・ヴェーダに由来する瞑想法のTranscendental Meditati

もっとみる
才能について思うこと

才能について思うこと

わたくしフリーライターをしておりまして、取材相手から「とっちらかった話を上手にまとめてくださってありがとうございます」みたいなお礼をよく言われます。
「いやいや、仕事なんで」
「すごい才能ですよ!」
「いやいや、20年も続けていれば、誰でもできますよ。訓練です、訓練」
なんてやりとりをしていて、思い出したことがありました。

昔、あれは私が出版業界に入ったばかりの、28歳の頃。キャスターの安藤優子

もっとみる
バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その4

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その4

こんぴらさんで、膝ががくぶるバースデーひとりっぷ最終日は、朝9時にチェックアウトし、荷物を預かってもらって、金刀比羅宮へ。金刀比羅宮は、香川県琴平町象頭山に鎮座する神社で、御祭神は大物主神と祟徳天皇とのこと。よくわからんが、とにかくバースデーひとりっぷでは、神社に行くのが恒例です。御本宮まで行くには、階段がね、785段もあるのですよ。
とっとことっとこ、隣を登っていた家族連れの子どもが、「もうやだ

もっとみる
バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その3

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その3

海に向かってマントラ瞑想を唱えるものの…2日目も快晴。波間がきらきら。
海辺におりたち、前日は気づかなかったお稲荷さんに手を合わせ、海に向かって平和を祈るマントラ瞑想を唱えました。目を開けた瞬間、すぐに携帯を見ちゃって、だめだめっ!こういう気持ちのよい場所で瞑想したんだから、ちゃんと感じないと、と思う。
そうなのよ、パソコンは置いていったけれど、やっぱりつい、携帯は見ちゃう。非日常を生きたいと思っ

もっとみる
バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その2

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その2

オリーブオイルブレンド体験13:45着のフェリーで小豆島の土庄港に着き、フェリー乗り場そばのバス停から13:50発の田浦映画村線に乗り込んで、向かったのはオリーブヶ丘駅。
小豆島はオリーブの生産地として有名ですね。「小豆島オリーブ園」ではオリーブオイルのオリジナルブレンド作りが体験できると知って、どんなことをするのか、いまいちわからなかったものの、体験、という名のつくものはなんでも絶対やってみたい

もっとみる
バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その1

バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その1

誕生日にひとり旅する理由誕生日にひとり旅をするようになったのは、30代半ばからです。それまでは大学時代の友人たちとお互いの誕生日をお祝いっこしていました。結婚しても子どもができても、お祝いしあおうね、と話していたけれど、環境が変われば価値観も付き合いも変わります。そうして独身でボーイフレンドもいないわたしは、バースデーにひとりっぷするようになったのでした。別の友だちにお祝いしてもらえばいいじゃん、

もっとみる
アファメーション考

アファメーション考

4月1日は牡羊座の新月でした。お気づきの方もいるかもしれませんが、1日にアップしようと思っていたのに、寝かしてしまいました。。。

さて、新月といえば、アファメーション(なりたい自分になるための、肯定的な自己暗示)をする人も多いのでは?
ライターという職業柄、いろいろな方に話を聞く機会があり、なさっている方がけっこうおられて、よく勧められます。一、二度試したことはありますが、続きませんでした。

もっとみる
編みたいものを編むのがいいよ。

編みたいものを編むのがいいよ。

コロナ禍で本格的にはじめた編み物熱が冷めやらず、毎日、ぽつぽつ編んでいます。昨年から編みはじめたのは、インスタグラムで見つけた花のモチーフ編みをつないだカーディガン。海外パターンをダウンロードし、毛糸もスペインから取り寄せました。

海外パターンは1着編んだことがあったものの、かぎ針編みは、はじめて。そこで基礎本を購入し、こつこつとモチーフを編み続けること数10枚。

海外パターンって、日本の編み

もっとみる
家計管理と体重管理は似ている!?

家計管理と体重管理は似ている!?

恥ずかしながら、2020年の9月は、収入がゼロ円でした。コロナの影響ですな。フリーランスは収入が一定ではなく毎月波があるわけですが、ゼロ円ははじめて。持続化給付金の申請をし、一週間も待たずに入金されたため事なきを得ましたが、いままでの「あればあるだけ使う」、埼玉っ子のくせに「宵越しの金はモタねぇ江戸っ子気質」を改める!お金のこと、ちゃんとする!と思いました。

で、まずはお勉強。世代でしょうか。仕

もっとみる