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バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その1

誕生日にひとり旅する理由

誕生日にひとり旅をするようになったのは、30代半ばからです。それまでは大学時代の友人たちとお互いの誕生日をお祝いっこしていました。結婚しても子どもができても、お祝いしあおうね、と話していたけれど、環境が変われば価値観も付き合いも変わります。そうして独身でボーイフレンドもいないわたしは、バースデーにひとりっぷするようになったのでした。別の友だちにお祝いしてもらえばいいじゃん、と思うかもしれませんが、中年になると、みんな忙しいんですよ。誰かお祝いしてくれるひと、いないかな、なんて探したり期待したりするよりも、自分で自分をお祝いしたほうが、はや〜い!

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ここ2年、コロナで中止していたけれど、今年はもうがまんができず。ほんとうは星回りの関係で(ホロスコープを勉強していまして。この話はまた今度)、4月はまるっと休んで海外に行きたかったけれど、この状況なので国内に。どこでもよかったけれど、どこか遠くの島に行きたくて検索したところ、ふと目についたのが小豆島でした。素敵な宿を確認したら、バースデーのその日だけ、空きがあるではあないですか。これはもう行くしかない!と即予約の電話を入れたのでした(ほら、ふつう1室2名だから、ひとりなんですけど大丈夫ですか?みたいな電話ね)。

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予定はふんわり。ひとりだからね

旅って、みなさんまじめにプランニングしますか? わたしはふんわり決めて、あとはなりゆきにまかせるタイプです。飛行機のチケットと宿泊は予約し、島に渡るならばその時刻表くらいはチェックして、ちゃんと行きたい場所にたどり着けるようにはします。
今回、どうやって小豆島に行こうか少し悩んで、高松から行くことに。小豆島に午前中に着くようにと羽田発7:25-高松着8:40のANAのチケットを取りました。羽田から飛行機に乗るときに女性ふたり組がきゃいきゃい。
「何年も経ってんのに、まだ仲良いって、うちら、すごくない?」
「ほんと、ほんと。○○とか、もう会ってないもんね」
20代後半くらい、中学か高校のお友だち同士なのかな。かつての自分を見ているようで、10年後も一緒に旅行できていたらいいねぇ、と思ったのでした。

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栗林公園は、松林だった

快晴の高松空港に着くと、港のある高松市内までリムジンバスがあり、時刻表を見たら、途中で栗林公園に停まるではないですか。途中乗車は不可だけれど、途中下車は可ということで、ふと思い立ち、栗林公園に寄ることに。
早朝からオープンしている栗林公園の9:18は、数えるほどの人しかいません。公園は広大で、南回りと北回りと2コースあり、まずは南回りをのんびり歩きはじめると、ボランティアのおじさんが「花まつりだから」と桜の切り絵をくれました。「わたし、誕生日なんです。ありがとうございます!」
と言おうかと思ったけれど、もじもじしているあいだにおじさんは行ってしまいました。

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ぶらぶら歩き続けると、あっちもこっちも松、松、松。栗林なのに、松林なのね。ちりひとつなく、散りゆく桜に、うぐいすの声。練習中なのか、まだ上手に鳴けていないみたい。
ちょっと暑くなってきたので、茶屋「日暮亭」で休むことに。お抹茶を頼んでぼーっとしていたら、途中で見かけた女性が入ってきました。同世代でしょうか。ひとりだから外国の方かな、と思ったけれど、「木守」という高松銘菓をいただいて「おいしいですね」と話しかけると、「おいしいですよね。これ、大好きなんです」と。近くにお住まいで、栗林公園は何度めか。日暮亭はコロナで昼間は閉まっていたけれど、その日は花まつりで特別に開いているのだと教えてくれました。

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ひょんなことから、センチメンタル

話を聞くと、転勤族で、お子さんの高校入学を機に夫は単身赴任。「コロナを持ち込まれたら困るから、帰ってこないでと言っているんですよ」と笑って話す彼女。平日の午前中にひとり、栗林公園でほっとひと息つく、わたしたち。同じことをしていても、背景は異なります。パラレルワールドのように、夫と子どものいるあっち側のわたしをふと想像してしまうのは、バースデーだからこそのセンチメンタルでしょうか。
急ぐわけでもないのに、そそくさとその場を後にし、コースに戻りました。

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「桶樋滝」は、かつて手動で組み上げていた滝だとか、「お殿様〜、あんた、家来の労働力をなんだと思ってるの!?」という名所を通りすぎ、ふたたび茶屋「掬月亭」に。
上生菓子とお抹茶をいただき、南湖を望むべく奥へ進むと、見事な色打掛を着た花嫁と、所在無げな花婿さんが撮影の真っ最中でした。こういうところでちゃんとこういう写真を撮る人生って……、と再びのセンチメンタル。

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「飛来峰」から公園を見下ろし、松の手入れをする職人さんに挨拶し、時計を見ると11時過ぎ。フェリーの時間はというと、11:35の次は12:45。ふんわりしか決めていないので、都度都度、時間と次の行き先を確認しながら進むのが「ひとりっぷ」です。
12:45のフェリーに乗ろうと決めて、北庭回遊コースも歩くことに。うぐいすさん、さっきより上手に鳴けているみたい。うっかり人気のない道に進んだら、はじめてまつぼっくりが落ちていました。

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琴電、かわゆし。高松港から小豆島へ

公園の受付で、「高松港へ行きたいのですけれど、どう行けばいいですか?」と聞くと、琴電で高松築港まで行くのがいいと。琴電で高松築港まで行き、改札口で「港はどちらですか?」と駅員さんに聞くと、あっち、と教えてくれました。
どうしてグーグルマップさんに頼らずひとに聞くのかと言うと、調べるより聞くほうが早いのと、携帯の充電を節電するためです。
フェリー乗り場はいくつかあって、切符売り場らしきところに行くも、売り場が閉まっています。おじいさんがぽつんと座っていたので、「小豆島に行きたいんですけれど、フェリーの切符はどこで買えますか?」と聞くと、「高速艇じゃなくて、フェリー?」「はい、フェリーです!」
高速艇は速いから揺れる。そうなると酔うかもしれませんからね。

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「あっち、あそこの、いまフェリーが停まってるところ」と親切に外に出て教えてくれて、無事にフェリーに乗れたのでした。フェリーで初うどんを食し、うとうとしているうちに定刻通り、1時間で13:45小豆島土庄港に到着。
さて、小豆島ではバス移動です。車の運転ができるひとは、車がいいよ、たぶん。
小豆島は広く、港もいくつかあるので、たとえば宿とか、行きたい場所に近い港を選ぶのがいいのだけれど、バスの本数がとっても少なく、フェリーとバスの乗り継ぎも悪い。なので、小豆島をバスで移動するつもりのひとは、時刻表をチェックして、フェリーが着く港とバスの時間を合わせるのがいいと思います。ふんわり旅のくせに、なんとなくだいたい予定が合うのは、アセンダントが乙女座だからかもしれません(ホロスコープの話は、また今度)。
(つづく)



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