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バースデーひとりっぷ2泊3日高松・小豆島 備忘録その3

海に向かってマントラ瞑想を唱えるものの…

2日目も快晴。波間がきらきら。
海辺におりたち、前日は気づかなかったお稲荷さんに手を合わせ、海に向かって平和を祈るマントラ瞑想を唱えました。目を開けた瞬間、すぐに携帯を見ちゃって、だめだめっ!こういう気持ちのよい場所で瞑想したんだから、ちゃんと感じないと、と思う。
そうなのよ、パソコンは置いていったけれど、やっぱりつい、携帯は見ちゃう。非日常を生きたいと思ったはずの旅なのに、日常しちゃうんだよね。

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小豆島は醤油の町でもあった

もっと泊まっていたかった「海音 真里」をチェックアウトし(チェックアウト時にもお土産爆買い)、高松に戻る前に「醤の郷」とよばれるエリアを散策することに。小豆島はオリーブの生産地としては知っていたけれど、醤油づくりも有名なんですって。醤油樽で漬け込む昔ながらの製法を続けているメーカーさんが残っているらしい。宿の車で「醤の郷」付近まで送ってもらい、歩きはじめます。
醤油屋さんに入ると、外から店主らしきひとが走ってきました。
「ひまだから、さぼってました〜」と正直。「GWまではダメだろうね。今年はどうだか」
「でもそろそろトリエンナーレですよね」
3年に1度開催される、瀬戸内国際芸術祭まであと少し。
「慣れてる人は会期後半のほうが作品数多いって、みんな知ってるから」
夏と秋のほうが、春より混むのそう。人口2万6千人の小豆島に、多い日は3千人ものひとが訪れる。男木島や女木島のような人口300人程度のちいさな島も同じだそうで、瀬戸芸のときは島の様子が一変してしまうのだとか。
生まれたときからちいさな島暮らしで、とつぜん、島にひとがあふれたときの子どもの様子を想像します。ひと酔いして、家から出たくないと思うのか、あのひとたちと一緒にフェリーに乗って、どこか遠くへ行きたいと思うのか。

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醤油屋さんを出て、てくてく歩き続けました。かつて400軒以上あった醤油醸造所も、現在では20軒ほど。なので「醤の郷」といってもですね、ぽつぽつ、醤油蔵らしきものがあるだけで、あっちもこっちも、みたいな感じではないわけですよ。それでも歩いているとほのかにたまりの香りが漂ってくるのは、夏日といってもいいくらい、暑い日だったからかも。
亡くなった母の実家はキッコーマンのお膝元、千葉県の野田市にあります。夏に祖父宅へ遊びに行くと、駅前はむせかえるようなたまりの匂いがしたものです。もう40年近く前のことですから、いまはきっと違うでしょうけれど。母が亡くなってすでに20年以上経ち、のだ駅にもおりていませんが、懐かしく思い出しました。

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高松城も松ばかり

オリーブオイルの詰まった重たいリュックを背負い、「醤の郷」を歩くことにも疲れ果て、バスの時刻表を見ると、「丸金前」から14:44に出て15:15に池田港に着くバスが。これはちょうどいい、とバスに乗り込み、15:30池田港初のフェリーに乗って、高松に帰ることにしました。遅いお昼ごはんは、フェリーの売店で買った、ポテトチップス瀬戸内海の塩味。こういう駄菓子を食べるの、やめなくちゃと思うのに、体が疲れると欲します。
行きはうとうとしてよく見ていなかったけれど、帰りは見るともなく海を見ながら。ずーっとどこかしらに島があって瀬戸内海ってこういう感じなのね。海上をゆくとき、いつも思い出すのは、上橋菜穂子さんの守り人シリーズ「蒼路の守り人」のチャグムです。泳ぎが得意ならば、島から島へ、泳げちゃうね。
高松港に着き、まだ日が高かったので、すぐ近くの高松城に寄りました。ロッカーに荷物を預けて、ぶらぶら。高松城も松ばかりなんだ〜と思って、はたと気がつきましたよ。当たり前じゃん、だって、松平さんちだったんだから。
高松城はね、城というよりは、庭でした。

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いざ、こんぴらさんへ

香川といえば、こんぴらさん。毎年、誕生日には神社に行き、おみくじを引くので、この旅でもおみくじを引くべく、こんぴらさんには絶対に行きたいと思っていました。
宿も、こんぴらさんの近くを予約し、高松城から徒歩数分の琴電の始点・高松築港駅から終電の琴電琴平駅まで、およそ1時間。琴電は15分に1本くらいありますが、琴平までいくのは30分に1本でした。ちゃんと調べてないから、駅で20分以上待ったけれど、なにせ天気がいいですからね。西日に照らされながら、ぼー。
電車に乗り込むと、爆睡。日本人って、どこでも寝るよね、とフランス語の先生にいわれて以来、電車で寝てしまうたびにちょっと恥ずかしくなる。
琴電琴平駅は、降り立ったとたんに鳥居があったりして、こんぴらさんのお膝元感が。久しぶりにカフェを見て、観光地らしい繁華街に気持ちが華やぎます。こんぴらさんの参道は、夕方5時を回っていたので店じまいしているところが多かったものの、お土産屋さんが並んでいます。宿も、すぐ見つかりました。
「ことひら温泉 御宿 敷島館」という旅館です。玄関で靴を脱いで下駄箱にしまい、畳敷の館内は裸足で歩き、部屋で少し休憩したら、向かうは大浴場。はぁ〜、こういうの、久しぶり。しかも、5時半くらいという時間が中途半端だったからか、貸切状態。
浴衣を着て、鏡を見たらば、まあ、顔色がいいこと。家でも湯船に浸かるけれど、天然温泉には入浴剤にはない効果があるのでしょうか。
ごはんはね、まあ、普通に温泉宿らしい感じだったけれど、近江蒟蒻をはじめて食べました。中年になると、はじめまして、の食べ物が減るから、はじめまして、に出会えるだけでうれしい。
(つづく)


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