かぼちゃ箱 戸﨑

はじめまして。                    高校生ながらにアマチュアで芸人を…

かぼちゃ箱 戸﨑

はじめまして。                    高校生ながらにアマチュアで芸人をしています。     【無口な一席】 https://stand.fm/channels/6342bc028fc92d08ba502ce9

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【小説】poco a poco

トアは思う。 人間には、何か自分からは見えない棘棘があって他人を刺すものだと。だからと言って、人間を好かんとすることは難しく。もうどうしようもないけれど、興味を…

砂利な記し。

読んで頂きありがとうございます。 長袖に腕を通すようになり、息の色が見えるようになった11月。現在の話です。 【ハイスクールマンザイ】 昨年に引き続き、関東ブロック…

読むコント➓「事物の順序」

なんだか急に暑い。 流石の基次郎もビードロを舐めてなんとかできそうもなさそうな暑さだ。 しかしまた風情というのも馬鹿にはできず、 川を見ているだけでなんとなく涼む…

読むコント➒「親知らず」

「痛っ」  「どうした?」 「親知らず生えて来ててさ、口ん中噛んじゃうの  よな。」  「あー親知らずか。」 「そうそう」 親知らず。 奥歯のさらに奥。 奥歯のずーっ…

読むコント➑「備えあれば憂いなし」

「また地震あったな」 そう話すこいつは 皆んなに檸檬と呼ばれる。 「怖いな、もし地震きたらどうする?」 檸檬の話し相手であるこいつは 皆んなに蜜柑とよばれる。 「…

読むコント➐「夢見たいな話」

変な夢を見たらしい。 夢人、いや、ゆめんちゅは持てる熱量の8割を使って話してくれた。 「セーラー服を着たおっちゃんが歩いてたんだ」 皆様の言いたいことは大体わかる…

南瓜箱

かぼちゃ箱が解散。 そんなの、あってないようなものだ。 空気の抜いた気泡緩衝材と同じ。 自分は何者でもないと、割と早く知った。 スポーツも勉強も努力してさえ人様に…

読むコント➏「不幸にも」

佐藤は厄年らしい。 ついこの間も、野球少年たち渾身のホームランを見届けた後にバウンドボールを股間にくらったそうだ。くぅ、同じ男だからわかる痛み。 何故だか自分も痛…

読むコント➎「天国には行けません」

「本当にすまん」 そう口にするのは中間颯太。 小さい頃から家が隣同士であり、男女の壁もなく今でも変わらず仲良くしている。 「いやいや、何がすまんのだ。」  「いや…

読むコント➍「泥棒」

下着2枚。 アパートにある私の部屋は、一階の角部屋。 一階なのが良くないのかと思うけれど、 盗る方が悪いのになと思う。 一瞬でも自分に非があるのではと思った時間が惜…

読むコント➌「新入社員」

新卒。 これ以上に輝かしく面倒な言葉は無い。 勿論、個人の意見だ。 抜かりない芝田は、たとえSNSをやっていなくても炎上を避ける。口癖は「個人の意見だ」。 「はじめ…

読むコント➋「彼氏」

デート。それも、ドライブデート。 彼氏と。それも、お金持ちの。 「待った?」  「全然待ってないよ」 嘘。全然嘘。でも笑ってみせる。 真っ赤なフェラーリががなり散…

読むコント➊「アナウンス」

カップ麺を手に盗る。 間違えた、手に取る。 そしてカップ麺をカゴに入れた。 ピーンポーンパーンポーン 「迷子のお知らせです。  林田、涼くん。林田涼くん5歳がご家族…

看板

長らくぶりにnoteを書きます。 改めて、かぼちゃ箱です。 なんだかんだでかぼちゃ箱に落ち着きました。 コンビ名は悩まない方がいい、というか悩むもんでもないと聞くこと…

ハイスクールマンザイ2022
かぼちゃ箱、エントリー完了しました。
予選通りますようにと一日一善して待ちます。

無名が改名した話

鼻折り本舗というコンビ名で何ヶ月か右往左往しておりました。しかし、我々はいくら老けているとは言え高校生ですから、まだまだ青らしさが残っていて自分らで付けたコンビ…

【小説】poco a poco

【小説】poco a poco

トアは思う。
人間には、何か自分からは見えない棘棘があって他人を刺すものだと。だからと言って、人間を好かんとすることは難しく。もうどうしようもないけれど、興味を止めるには惜しい気がする。

フリシは思う。
人間には、何か他人からは見えない棘棘があって自分を刺すものだと。だからと言って、人間を好かんとすることは難しく。もうどうしようもないけれど、行動しないことは惜しいのだ。

2人の呼吸が薄くなって

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砂利な記し。

読んで頂きありがとうございます。
長袖に腕を通すようになり、息の色が見えるようになった11月。現在の話です。

【ハイスクールマンザイ】
昨年に引き続き、関東ブロックにて準決勝に進ませていただきました。しかし、この度ポコアポコは準決勝の出場を辞退しました。
理由としては、日程の都合が合わないということです。当然、我々ポコアポコは解散。
良くしていただいていた仲間も居ますので、一応ご報告させていただ

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読むコント➓「事物の順序」

読むコント➓「事物の順序」

なんだか急に暑い。
流石の基次郎もビードロを舐めてなんとかできそうもなさそうな暑さだ。
しかしまた風情というのも馬鹿にはできず、
川を見ているだけでなんとなく涼む気がする。

「なあ」
 「どうした」
「俺、気になる子ができた」
 「また急な」
「んで、思い切って行動にしたのよ」
 「また急な、何?遊びに行くの?」
「いや」
 「デートじゃないんかい」
「違う、なんか恥ずいわ」
 「何が?恥ずいこ

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読むコント➒「親知らず」

読むコント➒「親知らず」

「痛っ」
 「どうした?」
「親知らず生えて来ててさ、口ん中噛んじゃうの
 よな。」
 「あー親知らずか。」
「そうそう」

親知らず。
奥歯のさらに奥。
奥歯のずーっと奥の方だ。
距離感は情熱の薔薇のそれだ。

「だから親に言ったのよ。したら病院いけって」
 「は?親にいったのか?」
「まあ結構痛くなってるからなー。」
 「……」

「親知るじゃん…」

「親知る?」
 「親知らずは親に知らせた

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読むコント➑「備えあれば憂いなし」

読むコント➑「備えあれば憂いなし」

「また地震あったな」

そう話すこいつは
皆んなに檸檬と呼ばれる。

「怖いな、もし地震きたらどうする?」

檸檬の話し相手であるこいつは
皆んなに蜜柑とよばれる。

「もしものために備蓄するよ。」

檸檬。

「確かにな、安心できるよな」

蜜柑

「蜜柑よう、
 一番蓄えなくちゃいけないものわかるか?」

「食べもんだろ」

「おっしいね。正解は水だ。」

「水か、確かに水は大切だ。」

「だ

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読むコント➐「夢見たいな話」

読むコント➐「夢見たいな話」

変な夢を見たらしい。
夢人、いや、ゆめんちゅは持てる熱量の8割を使って話してくれた。

「セーラー服を着たおっちゃんが歩いてたんだ」

皆様の言いたいことは大体わかる。
決してテレパシー受信能力があるわけではないけれど、大体わかる。

それ、ギリ現実じゃね?

セーラー服を着たおっちゃんなんてのは居る。
スーパーマイノリティだとしても一定数どこにでも居る。それでも彼の話は止まらなかった。

「あと

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南瓜箱

かぼちゃ箱が解散。
そんなの、あってないようなものだ。
空気の抜いた気泡緩衝材と同じ。

自分は何者でもないと、割と早く知った。
スポーツも勉強も努力してさえ人様には追いつけず、ステータスの差が私の前に鎮座していた。
絶望はしなかった。
そんなに期待が無かったのも大きいが、単純に
自分の限界が早めに見えたと思い込み努力を放棄したい願望にあった。

それが久方ぶりにぶっ壊れた。
ステータスの差も、努

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読むコント➏「不幸にも」

読むコント➏「不幸にも」

佐藤は厄年らしい。
ついこの間も、野球少年たち渾身のホームランを見届けた後にバウンドボールを股間にくらったそうだ。くぅ、同じ男だからわかる痛み。
何故だか自分も痛い気がする程、強烈な不幸だ。

佐藤は続ける。
ここ最近サッカーがたのしいのだと。いい事だ。
しかし足でも捻ったのではないかと話を先読みしてしまう私。でも、そんな心配はいらなかった。
足はピンピンしているらしい。よかった。
しかし足のサイ

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読むコント➎「天国には行けません」

読むコント➎「天国には行けません」

「本当にすまん」

そう口にするのは中間颯太。
小さい頃から家が隣同士であり、男女の壁もなく今でも変わらず仲良くしている。

「いやいや、何がすまんのだ。」
 「いや、その……」

しばらくの間の後、再び颯太は続けた。

「天国に、行けなくなった。」

あっ、そう…。
なんだ?深刻な悩みを抱えている可能性はある。
おおいにある。が、コイツのかぎってそんな事があるのかというとない。たぶん。

「おう

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読むコント➍「泥棒」

読むコント➍「泥棒」

下着2枚。
アパートにある私の部屋は、一階の角部屋。
一階なのが良くないのかと思うけれど、
盗る方が悪いのになと思う。
一瞬でも自分に非があるのではと思った時間が惜しくてたまらない。

「あ、テレビ消し忘れてた。」

部屋から声が聞こえたので、犯人が談笑なんてしてようもんならとっちめてやろうと思っていたが、その必要は無さそうだ。
異性の下着をダミーで干しておくと良いと聞いたから一緒に干しておいたが

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読むコント➌「新入社員」

読むコント➌「新入社員」

新卒。
これ以上に輝かしく面倒な言葉は無い。
勿論、個人の意見だ。

抜かりない芝田は、たとえSNSをやっていなくても炎上を避ける。口癖は「個人の意見だ」。

「はじめまして柴田です。」
 「よろしく、教育係の芝田です。」

面倒だ。全く。
名前の音が一緒じゃないか。
それに、芝より柴の方が見栄えがいい。
まあ、個人の意見だけど。

「名前いっしょじゃないっスカ!」
 「は、はあ。」

スカ。

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読むコント➋「彼氏」

読むコント➋「彼氏」

デート。それも、ドライブデート。
彼氏と。それも、お金持ちの。

「待った?」
 「全然待ってないよ」

嘘。全然嘘。でも笑ってみせる。
真っ赤なフェラーリががなり散らかす。
車内は狭かった。
車は進み始める。

「これ、流石に由紀ちゃんもわかるっしょ?」
 「フェラーリだよね、知ってる。」

わかるっしょ?きっしょ。
言葉は汚いけれど、この気持ちは嘘ではない。

「いやー由紀ちゃんめっちゃ可愛い

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読むコント➊「アナウンス」

読むコント➊「アナウンス」

カップ麺を手に盗る。
間違えた、手に取る。
そしてカップ麺をカゴに入れた。

ピーンポーンパーンポーン

「迷子のお知らせです。
 林田、涼くん。林田涼くん5歳がご家族の方
 を探しています。ご家族の方いらっしゃいま
 したら、レジ横のイートインまでお越しくだ
 さい。」

ピーンポーンパーンポーン

田中は顔を上げる。それから、周りをチラチラと見回すと小さく口を開く。

「ここ、コンビニだよなぁ

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看板

長らくぶりにnoteを書きます。
改めて、かぼちゃ箱です。

なんだかんだでかぼちゃ箱に落ち着きました。
コンビ名は悩まない方がいい、というか悩むもんでもないと聞くことはありますが、やはりどうせだったら恥をかくような名前は避けたいわけであります。
それは建前、本音は良いカッコをつけたいです。

これぞ王道と言ったカタカナスタイル。
食べ物の親しみやすさを取り入れるスタイル。
どっしり漢字で構えるス

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ハイスクールマンザイ2022
かぼちゃ箱、エントリー完了しました。
予選通りますようにと一日一善して待ちます。

無名が改名した話

鼻折り本舗というコンビ名で何ヶ月か右往左往しておりました。しかし、我々はいくら老けているとは言え高校生ですから、まだまだ青らしさが残っていて自分らで付けたコンビ名が似合わないという事件が起きました。

そこで、無名な我々が改名をいたします。
そのコンビ名…

かぼちゃ箱!!かぼちゃ箱(かぼちゃばこ)といいます。
覚えて帰っていただけると幸いです。

まずはハイスクールマンザイ準決勝進出が当面の目標

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