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読むコント➓「事物の順序」

なんだか急に暑い。
流石の基次郎もビードロを舐めてなんとかできそうもなさそうな暑さだ。
しかしまた風情というのも馬鹿にはできず、
川を見ているだけでなんとなく涼む気がする。

「なあ」
 「どうした」
「俺、気になる子ができた」
 「また急な」
「んで、思い切って行動にしたのよ」
 「また急な、何?遊びに行くの?」
「いや」
 「デートじゃないんかい」
「違う、なんか恥ずいわ」
 「何が?恥ずいことないだろ?何だよ」
「だから、……ス」
 「ん?何?」
「だから、……キス」
 「また急な、え?付き合ってんの?」
「いいや?話聞いてなかったのか?」
 「ごめん話聞いてたからビックリしてる」
「付き合ってはない。ただ気になるだけ」
 「キスしたの?」
「思い切ってな」
 「実刑が出るまでは一緒にいてやるよ」
「は?どういうこと?」
 「いやキスはしないだろ」
「キスだろ」
 「頭おかしいのかお前は」
「あの子を考えると熱くなる」
 「おつむん中、煮え繰り返ってんな」

「何がおかしいんだよ!」
 「何もかもだろ!」
「意味わかんねえわ!」
 「ちょっと待って、
  免許持ってないやつが運転できるか?」
「は?そんなの、できるわけないだろ。」
 「だろ!それとおんなじこと!」
「は?」
 「付き合うっていう免許持ってないのにキス
  できるか?できません!」
「できるわ!」
 「お前はな!相手の子はお前のこと好きかわ
  からんだろ!!」
「そうよ!」
 「なんで強気?」
「免許は持ってないけど自転車は乗れるから!」
 「どういうこと?」
「徒歩が手繋ぎ、自転車がキス、自動車は……
 いわせんな!!」
 「え?全くわからん。」
「いやだからキスは免許いらないのよ。」


「いや、いるよ。普通に。」


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ここまで読んで頂きありがとうございます。
本当に出すか迷いました。ものすごく本当に。
コントよりかは漫才のネタに近いような気がします。ネタ帳みたいに使っていければと思います。

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