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リファラル採用促進のジレンマ

いったいいつから「リファラル」なんて言葉が、さも当たり前のように採用業界で使われ始めたのでしょうか。

リファラル(referral)とは「紹介」「推薦」「委託」という意味の英語です。 主にビジネス用語として使用されるケースが多く、経営者、社員、外部の専門家などから、何らかの情報や人材などの紹介・推薦を受けることを指します。

リクルートエージェントのサイトより

とにもかくにも横文字使用の多い業界という印象が強いのですが、採用担当である限りはそのあおりを受けて、仕方なく受け入れて自らもいつの間にかその単語を使用するようになっちゃっています。

当社においては、もともと「社員紹介制度」という名称の制度を設けておりましたので、これがリファラル採用に該当するものとなります。

たまにチラシを使用したり、配布する紹介カードを使用したりということもありますが、まあとにかくアナログでジワジワと浸透させてきた制度でした。

ICT化が進んだ昨今では、こうした紹介制度もスマホを使って知り合いに情報を拡散したり、その情報を管理したりできるような便利なアプリも開発されました。

私自身が結構新しいもの好きなこともあり、そうした技術を提供する会社を知ったのはもう10年近く前で、当時は社長だったので決裁権もあり、喜び勇んで導入してみたものの、あまりにも先取りし過ぎていたためか、誰の理解も得られずにほとんど何も進展しないまま辞めてしまった経緯がありました。

あれから10年。(きみまろみたい笑)

「今だからこそ」とリベンジして再導入してみたものの、正直結果としてはあまり芳しくありません。

まず、個人のスマホに新たなアプリを導入するということ自体が、高齢のスタッフを擁している業界としては推進力が弱いのですよね。

ようはどれだけ普段からスマホを弄っているかということと直結するのですが、新たなアプリの導入、新たなアカウントの作成というこの2工程だけでも人によっては物凄く高い壁となってしまっているようです。

まあ、アプリを使用しなくても、多い月には30名くらいは社員紹介で入社してくださっており、全体の採用と比較しても13%から16%くらいの割合を占めているので、決して流れがつくれていないワケではないのですよね。

先日、聴講させていただいたセミナーで登壇されていた会社は「6年間で400人の社内紹介」ということを大々的に謳われておりましたが、よくよく考えたらウチの方が断然多く採用できているじゃないか、とセミナー受講後に気づきました。

セミナーで発表されていたのはシステム会社ではあったので、従業員が新たなアプリを使用するということへの抵抗感は少なかったのか、導入後の登録者数はウチとは全く比較にならないほど多かったですけど。

ただ、どこもそうだとは思うのですが、熱心に紹介してくださるスタッフというのはある程度固定化されてしまっているというのも事実です。

インセンティブも設けておりますので、紹介してくださると1万円からキャンペーン時には30万円くらいまで紹介料が発生するのですが、こうした熱心なスタッフさんというのは会社のことが好きだから仲間を募ってくださっているという要素が大きいので、おそらくは金額の問題ではないのだと思っています。

こうした制度を促進していくためには、社員の中に所属する会社のファンをどれだけ多く増やしていくのかというのが、そのまま比例していくものなのでしょう。

ただ、両輪で促進活動もしていく必要があるかと思いますので、社内報などを含めて新たな周知方法を考えていく必要があります。

決して懐古主義なわけではありませんが、かつては給与明細が手渡しであったため、何かお願いしたいことがあれば、その明細にチラシや書面をホチキス止めして、従業員ひとりひとりにきちんと配布して説明ができていたのですよね。

ところが、世の中どんどん便利になって、給与明細も電子明細になったりと、直接ひとりひとりに伝達させる手段というのは無くなってしまったというのもおかしな話です。

なんとか代替できる方法はないかと知恵を絞って考えついたのは、皆さんも思いつくであろうLINEの活用なのですが、こちらも前述したアプリ同様に登録を強要できるものではないですから、やはり全従業員への情報伝達というのはなかなか難しいです。

やはり、契約社員も含めてひとりにつき1台ずつ会社のスマホを持っていただくというのが全ての解決につながるのだろうなと今は考えています。

そうは言っても、採用率も高く離職率も低いリファラル採用についてはもっともっと促進させていかないとですよね。

同じことで悩んでいらっしゃる採用担当者の方々とも知恵を分け合いたいところです。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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