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ニーチェの言葉

哲学者や思想家と聞くと、なかなかハードルが高そうな難しそうな印象を受けますが、現代にまで名前を残している偉人というのは、やはり名言を沢山残されています。

そして、それらの名言は、今の自分のために噛み砕いていくと腹落ちしますし、現代においても通用する内容のものが多いと感じています。

どのようなシチュエーションから発された言葉なのか、その背景が大切なこともありますが、ためになる言葉や良い言葉はご本人の生き様などは知らなくても、自分のために素直に受け止めていくのが、偉人の名言に気楽に向き合う秘訣だと思っています。

今回は、ニーチェの言葉。

事実というものは存在しない。
存在するのは解釈だけである。


総じて「認識」という言葉が意味をもつかぎり、世界は認識されうるものである。しかし、世界は別様にも解釈されうるのであり、それはおのれの背後にいかなる意味をももってはおらず、かえって無数の意味をもっている。

― フリードリッヒ・ニーチェ『権力への意志』(ちくま学芸文庫)

あいだみつをさんの「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」というのと同様に捉えれば良いのでしょうか。

先日、ある会議で、自分たちの拠点がある市内の関係機関からの新規のご依頼が少なくなってきており、その周辺地域からのご依頼ばかりでドーナツ化現象が起きてしまっている営業所の話題になりました。

市内の関係機関を回ってみても、以前ほど要介護認定が進んでおらず、予防のお客様ばかりで予算の関係上も行政の審査の判定が厳しくなってきているのではないかと考えているとの話でした。

この報告を事実として受け止めて、「ああ、そうなんだ。この市においてはサービスを必要とされるお客様が減ってきているのだな。」という捉え方をしてしまうと、外的要因のせいにしてしまい、それ以上の思考は停止してしまいます。

本当に外的要因のせいだけで、私たちにはもう成すすべはないのでしょうか。

一方で、他の拠点においては、その地域である意味「ひとり勝ち状態」「無双状態」であり、需要が供給を追い越してしまい、今や新規のお客様を何人もお断りしないといけないような状況になっています。

ところが、ここの拠点長に成果が上がっている理由を訊いてみると、決して自分たちが頑張っているからというよりは、「ご依頼をしてくださる関係機関のおかげ」とこちらもその要因を外部に求めています。

かといって、その地域の他の事業者が全て需要過多になっているかというと、そういうわけでもなく、おそらく他社は依頼が減っている状況なのだと思います。

そう考えると、ご依頼が減ってきているという前者の拠点については、実はどこかの他事業者がひとり勝ちをしている状態かもしれません。

また、それらの実情を把握することなく、一部の関係機関が話していた「要介護認定者が減ってきている」という言葉をそのまま鵜呑みにしまっているだけなのかもしれません。

依頼が増えている拠点の事実と、依頼が減っている拠点の事実は、解釈次第ではいかようにでも変わってきます。

依頼が減ってきているのは、ただただ外部の関係機関に信頼されておらず、適切な関係性が構築できていないから、という解釈も成り立ちます。

うまくいった時には窓の外を見て、失敗した時には鏡を見る

「ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則」(J.C.コリンズ著、日経BP社)

こういった思考をベースに解釈していくと、自らの中に問題を特定することが可能となり、打つ手を見出す機会を得ることが出来るようになります。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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