あなたはどちらがお好み?【そしてバトンは渡された】原作と映画を徹底比較!
昨年10月に公開された映画『そして、バトンは渡された』がAmazonプライムで観られるようになりました。
めっちゃ泣けますので、機会あればぜひご覧いただきたいです。
(私は昨年、10回くらい劇場に足を運んでしまいました…💦感動した)
そこでこの記事では昨年公開した記事を加筆・修正して、『そして、バトンは渡された』の映画版と小説版を徹底比較してみたいと思います✨💕
⚠️注意!!⚠️
この記事は、2019年の本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこさん著、文藝春秋)について、原作と映画を徹底比較する記事です。
必然的に「ネタバレ」を含みますので、気にされる方はご注意ください。
ただし映画版に関する「致命的なネタバレ」は避けています。
元々謎解きものではないので、先にこの記事を見てしまっても原作や映画は楽しめると思います(あくまで私見です)。
🔖映画と原作の違い
基本的なストーリーや登場人物は映画も原作もだいたい同じです。
…が、映画版ではかなり大きなものから細かいものまで、原作から変更された点が多く存在します。
結果として、原作とはまた違う作品に仕上がっています。
片方しかみてない方は、ぜひ両方ご覧いただきたいと思います。
以下、主な変更点を映画版に関する「致命的なネタバレ」を除いてご紹介してみます。
🎵森宮さんのキャラがマイルドに
個人的にはこの変更が最も嬉しかったですね笑💦
原作の森宮さんは、優子ちゃんの分のプリンまで食べてしまったり、入試直前にデートしたことを説教してきたり、合唱コンの練習に否定的な言動をしたり(合唱部出身の私としては許し難い💢)と、クセが強い人物として描かれていて正直私はあまり好感が持てなかったんですね。
ですが映画版の森宮さんはそういうアクの強さが消え去り、とてもまともでただひたすら善人になっています。しかもイケメン💕
好感度がめっちゃ上昇しました💕
🎵幼いときと高3以降がはっきり分けられている
原作の時系列は、
🍫優子ちゃんが小5になる前に水戸さんがブラジルへ。
🍫優子ちゃんが中学生のときに泉ヶ原さんにお世話になる。
🍫優子ちゃんが高校生になるときに森宮さんと出会う。
という感じですが、映画ではこれらはすべて小3までのできごととされています(優子ちゃんが森宮さんと初めて会う場面で、「もうすぐ小4になるんだから…」と梨花さんが言っています)。
小3までの主人公には「みいたん」というあだ名が設定され、家族も友達もみんな幼いときの主人公のことをあだ名で呼びます。
この演出も相まって、幼いときの「みいたん」と高3以上の「優子ちゃん」がはっきりと描き分けられることになりました。
このことは、「優子ちゃんが森宮さんと過ごす期間が長くなった」という、決して小さくない変更点を生んでいます。
映画版では卒業式の場面で、森宮さんが現在の優子ちゃんとコンテストでピアノを弾いている小4の優子ちゃんを重ね合わせて見る演出も加えられています。
原作よりも優子ちゃんと森宮さんがともに過ごす期間が長くなったことで、父娘の関係性がよりドラマチックになり、無理なく感動できる設定になっていると思います。
🎵ピアノの重要性が大幅に上昇
原作でもピアノは重要なアイテムでしたが、映画ではその重要度がさらに増しています。
まず、原作では「合唱コンクール」だったのですが映画では「卒業合唱」という設定に変更されました。
これにより、優子ちゃんのピアノ練習は前半のクライマックスである卒業式のための練習ということになり、物語上かなり重要な位置づけとなっています。
次に、原作にはなかった設定として「早瀬くんとお母さんとの対立」があります。
早瀬くんがピアノを弾く背景にはお母さんの影響がかなり強くあり、早瀬くんはピアノや自身の夢をおしつけてくるお母さんに反発しているという設定が追加されています。
これによって、音大をやめたり料理人を目指したりといった早瀬くんの行動にもより一貫性や説得力が生じています。
また、
🐣「実の親子だけど母親と仲が悪い早瀬くん」と「実の親子ではないけれど父親とそれなりにうまくやっている優子ちゃん」
🐣「梨花さんの影響でいつも笑顔を絶やさない優子ちゃん」と「母親の影響で笑顔を忘れてしまった早瀬くん」
という対比が生まれ、効果的に物語を盛り上げています。
これらのことも相まって、映画版の『そして、バトンは渡された』ではピアノが原作以上にかなり重要なアイテムとなっています。
🎵その他の変更点
以下、そこそこ重要なものに絞って箇条書きしてみます。
〇ピアノだけでなく「バトン」「チョコレート」も物語を象徴する重要アイテムとなった。
〇水戸さんのブラジル行きが「会社に命じられた転勤」から「自らの夢を追うための自主的な選択」に変更。
〇優子ちゃんが高校卒業後、森宮さんの元を離れ一人暮らしをするように変更。
〇優子ちゃんが食堂での仕事を始める前に、「一流レストランに就職したもののなじめなくて退職する」というくだりが追加。
▶音大に馴染めなかった早瀬くんとの共通点がより多く、深くなった。
〇「ピアノの得意な早瀬くんと料理の得意な優子ちゃん、2人でロッシーニ」という趣旨のセリフが追加。
▶原作にもロッシーニ自体は出てきますが、より「運命的な出逢い」という演出が強まっています。
〇早瀬くんが高校時代に、優子ちゃんの家に呼ばれ森宮さんも含む3人で食事をする場面が追加。
○優子ちゃんは幼いときから早瀬くんの演奏するピアノに憧れていた、という設定が追加。
〇早瀬くんが音大を中退するタイミングが変更。
▶原作では交際が始まってから音大をやめますが、映画では優子ちゃんと再会したときには既に音大をやめています。
〇泉ヶ原さんがピアノや調律について語るタイミングが変更。
▶原作では幼いとき(中学生のとき)ですが映画では早瀬くんとの「親巡りの旅」で初めて明かされます。ピアノに関するエピソードですから早瀬くんが一緒のほうが深みが増し、良い変更だと思います。
〇「親巡りの旅」で水戸さんにも逢いに行くように変更
▶これは絶対にあったほうが良い!ナイスな変更だと思います!泣けます😭
そして、ネタバレを避けますがかなり大胆な「ある変更」もあります。
これは賛否両論かもしれません…ぜひ実際にご覧になって確かめてみてください。
🔖ジェンダーの観点から一言
「原作と映画を比較する」という趣旨から脱線しますが、せっかくの機会なのでジェンダーの観点から感想を一言申し上げます。
「水戸優子」
↓
「田中優子」
↓
「泉ヶ原優子」
↓
「森宮優子」
↓
「早瀬優子」
と次々に主人公である女の子の姓が変わっていくという展開は、選択的夫婦別姓が認められないからこそ起こる現象とみることもできます。
現在、地球上で選択的夫婦別姓が認められない国は日本だけなので、その意味で『そして、バトンは渡された』という物語は日本だからこそ成立し得る物語なのかもしれません。
また、日本では養子縁組はあまり一般的ではなく「血縁」が重視される傾向が強いですが、諸外国では養子縁組は一般的であり、「生みの親より育ての親」という考えはそれほど特別なことではありません。
その意味でも、「血の繋がらない森宮さんと優子ちゃん」という関係性が物語として際立つのは日本ならではであると指摘できるかもしれません。
最後に、「梨花さんが優子ちゃんにピアノを習わせるためにお金持ちの男性を捕まえようとする」という展開が極めてよくある話として受け止められてしまうのも、男女の生涯賃金で1億円もの差がある、ジェンダー・ギャップ指数が世界146か国中125位(2023年)の日本ならではと言えるかもしれません。
瀬尾まいこさんの意図はわかりませんが、『そして、バトンは渡された』は極めて日本的なお話しだったのです。
(参考)
※小説でジェンダーを学ぶならぜひ押さえておきたい1冊!
激戦だった本屋大賞2020で第7位にランクインした名著です!
🔖おわりに まだ観てない方はぜひAmazonプライムで!
あくまで私見ですが、『そして、バトンは渡された』の原作と映画は、ゲームでいうところの「オリジナル版」と「リメイク版」の関係に近いのではないかと思います。
原作は「良くも悪くもぶっ飛んだ物語を敢えて淡々と語る」ような作風になっていて、それがウリでもあります。
映画のほうは、行間を埋めるようなエピソード追加や設定変更が多数なされることでストーリーがより無理なく展開されていきます。
そして要所要所をドラマチックに盛り上げます。
それぞれに良さがあるのでぜひ両方みてほしいです。
特に映画のほうは、迷っている方はAmazonプライムで観られる今のうちにぜひご覧いただきたいです!✨
序盤はクスリと笑えるコミカルな場面も多いですが、中盤からは畳み掛けるように泣かせにきます。
私も劇場には10回くらい足を運んで、毎回号泣してました笑😭
最後までお読みいただき真にありがとうございました🙇♀️
今後もがんばりますので励ましのスキ・コメント・フォロー・サポート・おススメ・記事の拡散などしていただけますとめっちゃ嬉しいです。
フォローは100%返します。
映画のラスト。
優子ちゃんの結婚式の場面で、優子ちゃんはウエディングドレス姿なのに腕時計をしています。
森宮さんがそれに気づき、「ウエディングドレスに腕時計は変だから外さなきゃ」と声をかけます。
それに対する優子ちゃんの答えは…
映画オリジナルの、泣けるセリフが盛りだくさん。
ぜひご覧になってお確かめください!
またねー💕
↓コミック版
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