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暮らしと学びと福祉のデザイン

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デザイン教育の講師とデザイナーをしながら障害福祉事業所の理事兼支援員。生活介護のアートプログラムや精神当事者むけのワークショップ、NPO全般のスタッフ研修や企画アドバイザーをした… もっと読む
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#いきづらさ

生きづらさはつらいと言えないつらさ。

生きづらさはつらいと言えないつらさ。

鬱やパニック、また発達障害の特性によって抱えてしまう「いきづらさ」というのは、

生きていく上で普通ならば、つらいことをつらいと言えるのは当たり前のことなのに、

それを、友達や上司、先生はおろか
親や兄弟にまでおかしい、変だ、と理解されず

「つらいことをつらいと言ってはいけない世界でずっと生きている」ことへのつらさ、なのだ。

身体の不調も考え方や感じ方の不調も、こころの問題にすれば、まるで片

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生きづらさの紐とき。他人のせいは横むき、自分のせいは後ろむき。あきらめるほうがきっと前向き。

生きづらさの紐とき。他人のせいは横むき、自分のせいは後ろむき。あきらめるほうがきっと前向き。

怒ってる時間はほんとムダ。後悔してる時間も、自分のせいだ他人のせいだと考えている時間もムダであることが多い。

「怒ること」がムダなのではなくて、「怒っている時間」がムダなのだ。後悔も文句も同じように、それに費やしている時間がもったいない。
どうしても怒りたいときに我慢をする必要はない。後悔もしていいし、自分も他人も責めることが間違いという話じゃない。ただその時間がムダであることをわかっていたら、

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生きづらさの紐とき。やみくもに熱い想いはヤケドを負わせることだってあること。

生きづらさの紐とき。やみくもに熱い想いはヤケドを負わせることだってあること。

熱い想いで人を元気づけたり、立ち直らせることは確かにできるよ。けれど僕は、そういうのは、もういいんじゃないかと思ってる。

前を向くのも立ち直るのも、気がつくのも元気になれるのも、全部その人のタイミングで訪れるのがベストなのだから。

支えたり、育てたり、寄り添ったり、そのためにできることというのは、そのひとが自分で前を向けたり気が付けたりする瞬間に、ただ近くにいて一緒に喜んであげられる、そのこと

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生きづらさの紐とき 第10考 「きもちのいい言葉づかい」

生きづらさの紐とき 第10考 「きもちのいい言葉づかい」

疑問に感じた時に「は?」っていう言葉遣いをすることがあるけれど、これは、ただの疑問なんじゃなくて、相手に対して反発的な意味が裏にある。

「は?」とは、
「は?なんで?」ってことであり、

「は?なんで?なに言ってんの?」ってことであり、
「は?なんで?なに言ってんの?意味わからないんやけど、何がいいたいの?」

ってことだ。

「今の状況や話の流れに対して、相手の言ってることが理解できなかったり

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生きづらさの紐とき 第8考 「空気が読めない」の考察とデッサンワーク

生きづらさの紐とき 第8考 「空気が読めない」の考察とデッサンワーク

1時間をつかいきる練習僕が福祉事業所で担当しているプログラムの中で、デッサン的なワークをしました。

最初に「描く」ことに関しての意識を変えてもらうために「1時間を使って形をとってください」と声かけをしました。目を休めたり気分転換はいいけど「早く終わらせてはだめ」「1時間を使い切ること」を意識づけました。

すると、カタチをとる精度が一気にあがりました。つまり、今まではただ「しっかり見てな

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生きづらさの紐とき 第7考 「いきもの」として生きよう。何にもないのがいいんだよ。

生きづらさの紐とき 第7考 「いきもの」として生きよう。何にもないのがいいんだよ。

「生きる意味」なんて考えるとこが、人は業が深いんだ生きる意味とか考えるから、すべてのことに意味が必要になってしまうのだ。でも「別に意味なんてないっすよ」とかいうと、偉い人から怒られたりする。意味は深遠なほうが、がんばった感があるからだろう。

でも、そしたら意味のないものには価値がなくて、同じ時間や労力やお金を使うなら、価値が高くてより良い経験をしなければいけないようになる。これはどんどんエスカ

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生きづらさの紐とき 第6考「理由は『つらい』で十分」

生きづらさの紐とき 第6考「理由は『つらい』で十分」

つらさは本人のものいきづらさは、その人なりにそれぞれ違うものだけれど、共通していることもいくつかはあるように思う。
それを紐解いて、共有することができれば、すこしでも誰かが誰かに寄り添えるきっかけになるかもしれない。

いきづらさと関連して、めだって耳にするのは、発達障害、双極性障害、統合失調症。そしてパニック障害、PTSD、神経症、それらの重複やグレーゾーンを含めて、本当に多くの人が「いきづらさ

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生きづらさの紐とき。第5考「学びと感動」

生きづらさの紐とき。第5考「学びと感動」

*学びの本質何かを学ぶことは、本当はとても簡単なこと。本や映画をみたり、調べたり、もちろん、テレビやインターネットからもいくらでも学ぶことができる。

でももっと簡単な学びかたがある。それは日々、少しでもなにかを体験して、発見をすること。昨日とほんの少し違う景色でも、それは新たな発見になっている。

それならいつでも、どこでも学べる。学びは、賢くなるためのもじゃなくて、自分がふと気になるもの、興味

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生きづらさの紐とき。第3考「あるある、の癒し」

生きづらさの紐とき。第3考「あるある、の癒し」

*本当はそれぞれオリジナルないきづらさ単に「いきづらさ」といっても、社会と適応できないつらさや、自分に自信を持てないつらさ、自律神経の乱れによる気分の不安定なつらさ、など、実際には中身は様々ある。

一般的に考えられているよりもずっと複雑で人によってバラバラなのだと思う。脳疾患、精神疾患、神経症、認知のクセ、記憶、経験、トラウマ、インナーチャイルド、自律神経、体温、内臓、循環器系のことや、ホルモン

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生きづらさの紐とき。第2考「過敏な心のアレルギー」

生きづらさの紐とき。第2考「過敏な心のアレルギー」

*空気を読むことと「いきづらさ」会話のやりとりがズレているとき、なんとなく、重いしんどい空気が流れる。多かれ少なかれみんなが経験していること。
けどその原因が自分にあり、なんで空気を読めないのだろう、なんで会話や文章のニュアンスを汲み取れないのだろう、と感じていたら、なおさらつらい。

自分が悪いんだ、と、会話のたびに人への迷惑を気にするのも疲弊するし、自分は正しいんだ、と、会話のたびに相手と衝

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生きづらさの紐とき。第1考「うまく思えない」

生きづらさの紐とき。第1考「うまく思えない」

*いきづらさを紐解きたい。鬱や発達障害というカテゴライズは、それが原因でいきづらさを感じている人にとって、よりそいを考えるきっかけをつくるものだと僕は思う。

安易に病気だ障がいだと当てはめてしまうことがあったりと、負の側面もあるけれど、公に理解を深めるためにはカテゴライズにも意味がある。

これから「いきづらさ」について考え、紐解いていくことをやってみたい。

全ての生きづらさに当てはまるこ

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