見出し画像

生きづらさの紐とき 第8考 「空気が読めない」の考察とデッサンワーク

1時間をつかいきる練習

僕が福祉事業所で担当しているプログラムの中で、デッサン的なワークをしました。

最初に「描く」ことに関しての意識を変えてもらうために「1時間を使って形をとってください」と声かけをしました。目を休めたり気分転換はいいけど「早く終わらせてはだめ」「1時間を使い切ること」を意識づけました。

すると、カタチをとる精度が一気にあがりました。つまり、今まではただ「しっかり見てなかっただけ」で、書く技術はあったということです。

意図的にゆっくり描くことを意識づければ、ゆっくり丁寧に「見る」ことも出来るんです。では、なぜ早く仕上げようとしてしまうか。

「空気が読めない」じゃなく「待てない」

実はこのワークの紹介を通してお伝えしたいことがあります。
最近特に「空気が読めない」ことが障害特性そのもののように言われていますが、それは「傾向」であり、なぜそうなるのかをあまり論じらません。

あまりに簡単に結びつけてしまうので「空気が読めない」=「会話の意味が理解できない」という認識力の問題にのみ聞こえます。
でも僕は、これは「待てない」とか「のんびりできない」ということが根本にあるのだと考えています。

「会話が理解できない」という
認識力や理解力にフォーカスするのではなく、
「焦ってしまう」「余裕が持てない」
「落ち着かない」という、心の持ち場の方にフォーカスしてみてください。

会話の意味がわからないのではなくて、単に「周りの話を聞いてない」ときには、誰にでも同じことがおきるはずです。
周りの話に「興味をもてない」「違うことで頭がいっぱい」「自分の話しを早くしたい」「自分の喋り方や話に自信がない」「発言しなければいけないと焦っている」そして「話すのに慣れてない」など。

そんなときは、周りの話を聞いてないし、話題も頭に入っていないのが普通だとおもいます。だから、自分の話したいことを、話題の流れを読めずに突然話し出す、ということが起きます。

これは理解力とは別問題です。
落ち着いて自分の話すタイミングを「待つ」ことができれば解消していきます。待つためには、会話をよく聞かなければいけません。よく観察しなければいけません。

スムーズに話すためには、緊張したり焦ってはいけません。気長にまつ。のんびり待つことが必要です。

すると、その心のもち方が自然と人の話をきき、会話を楽しむという余裕につながっていきます。

能動的に「待つ」をつかおう

これらのことは会話だけでなくて、子育てや幼児教育なんかにも言えることだと思います。「待つ」ことは何かを我慢したりさせたりする時間だと考えてしまいがちですが、能動的に「待つ」ことができれば良いんです。
そのためには、待つことを楽しめなくては辛くなりますから、待つことに意味を見つける経験が必要になります。

これは、そのためのワークをデッサンという切り口でやってみました。そのひとにあったやり方でやるのがいいと思いますので、絵でないとだめというわけではありません。

また、絵に関していうと、よくイラストにアドバイスがほしいと言われるのですが最近の若い人たちは、SNSの影響だと思うんですが作品を仕上げるのがやたらと早いんです。
1日もかけずにすごい絵を描きます。でもとても上手なのになんか動きがないんです。細かく器用な絵だけどうねりがない。
それは、もっとのんびり、例えば一ヶ月くらいかけて1つの作品をつくったりするという経験がいいですね^_^

それでは、また。

ぼくの記事がお役に立ちましたら、お賽銭を投げ込んでいただけると嬉しいです。 それを眺めてなんどもニヤニヤすると思います。