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つらつらと語るフィクション

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頭の中で出来上がったフィクションを形にしていきます。 明るみの布団の中、電車の座席でどうぞレベルの小説です。
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#短編小説

#3 色は吸う

#3 色は吸う

とりあえず王道の手段として、扉を死ぬほど叩いてみる。五体満足で身体中は動かせるので、色々試すことはできた。

扉は一切動かない。叫んでも声も聞こえない。八方塞がりであることは理解した。

その瞬間、チャイムが鳴り始めた。
「20時になりました。集合の時間です。」

聞いたこともないアナウンスが流れた後、扉が開いた。
あまりに不自然すぎたが、扉の先にいくことに。

と言っても、ひたすらクネクネ道が続

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#2 色は吸う

#2 色は吸う

「43番ください」

愛しかった相方が手元に来るだけで、妙に安心した。火を付けると、別に焦っていなかった心がさらに落ち着く感じがする。

コンビニの電灯に虫が集まるのを見ながら一服を済ませて、誰もいない寒い道を進んでいった。

「ただいま」も発さずに部屋に戻った。探しに出かけたのか?

「おーーーい」という声を出しても、返事はない。

寝たのか確認するためにベッドに向かったが、脱がれた下着が放置さ

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#1 色は吸う

#1 色は吸う

夕方4時26分。水色の布団から泣いた女性の顔を見上げていた。「信じてたのに!」という耳がキーンとなる手前の声を浴びせられた。「膝から崩れ落ちる」なんていう動きを見るのはこれで最後が良いと願った。

「ごめん」と一言だけ告げて、部屋をでた。すぐに次の女に電話をかけた。待ってたかのようなスピードで電話に出てくれた。
「家に行っていい?」
女性を騙せるこの魔法の一言を放ってみた。
「いいよ」
これで今日

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あの色の空は綺麗だった【9】

あの色の空は綺麗だった【9】

あの発言のあと、あそこにいた全員が工場に連れていかれた。
ただ、ひたすらに工場で細かいパーツを組み立てる仕事をさせられている。

大人も子供も関係ない。
ちゃんと仕事をしなかったら大人に叩かれる日々だ。

働き始めて1ヶ月経ったが、先も何も見えない。

数ヶ月前まで学校に行き、遊んで帰る日々だったのに。
今はよく知らない大人に叩かれて、
必死によくわからないものを作られている。

この期間で、ケリ

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あの色の空は綺麗だった【8】

あの色の空は綺麗だった【8】

関所が開いた。ただし、市長は銃口を突きつけられている。
どうやら隣町に入ることはできるが、自由というわけではないらしい。

「ほら。入れ」

手を上げなければいけないことはわかったので、
手を上げて関所を通った。

全員が入れられた後、関所の門は閉められてしまった。
別の世界に来た。

僕たちの街よりも機械的で
僕の家よりも高い建物がたくさん立っている。

ワクワクはするが、圧迫感がすごい。
ただ

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あの色の空は綺麗だった【7】

あの色の空は綺麗だった【7】

「今僕らはどこへ向かってるの?」
「隠れる場所もないから逃げるよ!」
「隠れる場所?」

僕の中で聞き覚えのあるワードだった。

そうだ。あの場所なら、この国の人にも
隣国の人にもバレることは絶対ない。

なんてたって、3年間誰にもバレなかった場所だ。

きっと隣国の人にもバレるわけない。
そして、スゥとぺレーダもそこにいるはず。

「隠れられる場所知ってるよ!」

走りながらそう伝えたが、「いい

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あの色の空は綺麗だった【6】

あの色の空は綺麗だった【6】

周りはとにかく走る人でいっぱいだ。
泣き叫ぶ人や狂気に満ち溢れている人がごちゃ混ぜで走っている。

とりあえず家のガレキをどかす。
これが合っているかもわからないがどかす。

すると遠くから「ハンク!!!」と
聞き覚えのある声が聞こえた。

母親だ。安心感で涙が溢れる。
だが、そんな暇もなく手を引っ張られた。

「逃げるよ!」
「一体何があったの?」
「隣国が攻めてきたんだよ!」

よくわからない

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あの色の空は綺麗だった【5】

あの色の空は綺麗だった【5】

ケリーはこっちを向かない。
遠くをみている。

「あれなあに?」というケリーの声と同時に
遠くの方でとても大きな音と煙が立ち上がった。

大きな炎と煙が見える。ケリーと顔を見合わせて慌てて展望台を降りた。
よくわからないが、ただ事ではないらしい。

「街に戻ろ!」とケリーの腕を引っ張って
急いで街の中心部に戻る。

街に近づくにつれて人の叫び声と鳴き声が
聞こえるようになってくる。

朝まではなか

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あの色の空は綺麗だった【4】

あの色の空は綺麗だった【4】

夕暮れどき、今日は平凡な日だった。
それでも虹が綺麗だったことはしっかりと覚えている。

ケリーが帰り道話しかけてきた。
「今度二人で展望台行かない?」

二つ返事で「イエス!」と答えた。
念願だった女の子と二人きりのデートだ。

スゥとぺレーダはニヤニヤしている。
「絶対ついてくるなよ!」とだけ言っておいた。

こんな報告だけで僕の1日がとても華やかになった。

家に帰ると母親が心配したかのよう

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あの色の空は綺麗だった【3】

あの色の空は綺麗だった【3】

まぁいいや。適当にごまかしておけば。
「外で遊んでいたら思ったより暗くなった!お日様が早めに休んだのが悪い」

と言っておいた。

夜ご飯を食べてささっと寝た。
夢の中で大きな雲のなかを移動する夢を見た。

よく分からないけど、静かな恐怖を感じた。
声を叫んでも誰もいない感じがした。

次の日の朝を起きると汗でびっしょりだった。
おねしょじゃなくて良かったよ。

思ったよりも曇り空だ。
学校に行く

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あの色の空は綺麗だった【2】

あの色の空は綺麗だった【2】

帰り道もスゥとぺレーダと、ケリーも一緒だ。
ちなみにケリーは僕の好きな子だ。

金色の髪の毛にピンクのリボンが似合う子で、
ちなみにお姉ちゃんも可愛い。

帰り道にぺレーダに聞いてみた。

「なんで隣国の人たちって火を出してるんだろうね」
「きっと面白いイベントでもやってるのかも」
「なにそれ!隣国行きたくなった!」

そんなことを話していると、ケリーの家についた。
黄色い綺麗な家だ。家の前には愛

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あの色の空は綺麗だった【1】

あの色の空は綺麗だった【1】

遅刻寸前の大慌てだ。
今日は晴天だ。おかげさまで汗もダラダラ。

ランドセルの中身は曖昧だけど、とりあえず走った。

家を出てすぐにちょっと前にいる凹凸のある集団に追いついた。
「おはよ!」「なんとか間に合ったね!」

いつも仲良くしているスゥとぺレーダに合流した。
ちなみに僕の名前はハンク。

今日も寝坊しそうだったけどギリギリセーフだ。
「学校では人気者!」だと思ってる。

スゥは僕より身長が

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プレーン味 part12

プレーン味 part12

Day35

「行ってきます」

ようやくこの道にも慣れた。

ゴミゴミしていた満員電車とはお別れして、
今は自転車通勤だ。

仕事場は相変わらず無音でパソコンを打ち込む場所だが、
同僚は恵まれているみたいだ。

可愛い子もいて、眼福だ。

新しい職場に来てから他の社員に
ランチに誘われることが圧倒的に多い。

ゆえに昼のお弁当は休憩中だ。

仕事を終えてまだティッ

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プレーン味 Part11

プレーン味 Part11

Day17

「スタート!」

次の日から空き時間を使った荷造りが始まった。
汗と彼女の機嫌との勝負だ。

引越しというのは、やけにめんどくさい。

僕はギリギリにバタバタするのは嫌なので、
かなり早い段階で進めておく。

彼女も同じ性格だが、家でバタバタするのが苦手なタイプだ。
”家はくつろぐ場所”らしい。

こんなの業者に任せたいという人間だが、今回はなんとか説得した。
近くのケーキ屋さんの期

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