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タクシ
2019年11月14日 01:34
とりあえず王道の手段として、扉を死ぬほど叩いてみる。五体満足で身体中は動かせるので、色々試すことはできた。扉は一切動かない。叫んでも声も聞こえない。八方塞がりであることは理解した。その瞬間、チャイムが鳴り始めた。「20時になりました。集合の時間です。」聞いたこともないアナウンスが流れた後、扉が開いた。あまりに不自然すぎたが、扉の先にいくことに。と言っても、ひたすらクネクネ道が続
「43番ください」愛しかった相方が手元に来るだけで、妙に安心した。火を付けると、別に焦っていなかった心がさらに落ち着く感じがする。コンビニの電灯に虫が集まるのを見ながら一服を済ませて、誰もいない寒い道を進んでいった。「ただいま」も発さずに部屋に戻った。探しに出かけたのか?「おーーーい」という声を出しても、返事はない。寝たのか確認するためにベッドに向かったが、脱がれた下着が放置さ
夕方4時26分。水色の布団から泣いた女性の顔を見上げていた。「信じてたのに!」という耳がキーンとなる手前の声を浴びせられた。「膝から崩れ落ちる」なんていう動きを見るのはこれで最後が良いと願った。「ごめん」と一言だけ告げて、部屋をでた。すぐに次の女に電話をかけた。待ってたかのようなスピードで電話に出てくれた。「家に行っていい?」女性を騙せるこの魔法の一言を放ってみた。「いいよ」これで今日
2019年5月10日 00:03
あの発言のあと、あそこにいた全員が工場に連れていかれた。ただ、ひたすらに工場で細かいパーツを組み立てる仕事をさせられている。大人も子供も関係ない。ちゃんと仕事をしなかったら大人に叩かれる日々だ。働き始めて1ヶ月経ったが、先も何も見えない。数ヶ月前まで学校に行き、遊んで帰る日々だったのに。今はよく知らない大人に叩かれて、必死によくわからないものを作られている。この期間で、ケリ
2019年5月4日 00:20
関所が開いた。ただし、市長は銃口を突きつけられている。どうやら隣町に入ることはできるが、自由というわけではないらしい。「ほら。入れ」手を上げなければいけないことはわかったので、手を上げて関所を通った。全員が入れられた後、関所の門は閉められてしまった。別の世界に来た。僕たちの街よりも機械的で僕の家よりも高い建物がたくさん立っている。ワクワクはするが、圧迫感がすごい。ただ
2019年4月29日 21:39
「今僕らはどこへ向かってるの?」「隠れる場所もないから逃げるよ!」「隠れる場所?」僕の中で聞き覚えのあるワードだった。そうだ。あの場所なら、この国の人にも隣国の人にもバレることは絶対ない。なんてたって、3年間誰にもバレなかった場所だ。きっと隣国の人にもバレるわけない。そして、スゥとぺレーダもそこにいるはず。「隠れられる場所知ってるよ!」走りながらそう伝えたが、「いい
2019年4月29日 00:28
周りはとにかく走る人でいっぱいだ。泣き叫ぶ人や狂気に満ち溢れている人がごちゃ混ぜで走っている。とりあえず家のガレキをどかす。これが合っているかもわからないがどかす。すると遠くから「ハンク!!!」と聞き覚えのある声が聞こえた。母親だ。安心感で涙が溢れる。だが、そんな暇もなく手を引っ張られた。「逃げるよ!」「一体何があったの?」「隣国が攻めてきたんだよ!」よくわからない
2019年4月28日 01:22
ケリーはこっちを向かない。遠くをみている。「あれなあに?」というケリーの声と同時に遠くの方でとても大きな音と煙が立ち上がった。大きな炎と煙が見える。ケリーと顔を見合わせて慌てて展望台を降りた。よくわからないが、ただ事ではないらしい。「街に戻ろ!」とケリーの腕を引っ張って急いで街の中心部に戻る。街に近づくにつれて人の叫び声と鳴き声が聞こえるようになってくる。朝まではなか
2019年4月27日 00:50
夕暮れどき、今日は平凡な日だった。それでも虹が綺麗だったことはしっかりと覚えている。ケリーが帰り道話しかけてきた。「今度二人で展望台行かない?」二つ返事で「イエス!」と答えた。念願だった女の子と二人きりのデートだ。スゥとぺレーダはニヤニヤしている。「絶対ついてくるなよ!」とだけ言っておいた。こんな報告だけで僕の1日がとても華やかになった。家に帰ると母親が心配したかのよう
2019年4月26日 00:16
まぁいいや。適当にごまかしておけば。「外で遊んでいたら思ったより暗くなった!お日様が早めに休んだのが悪い」と言っておいた。夜ご飯を食べてささっと寝た。夢の中で大きな雲のなかを移動する夢を見た。よく分からないけど、静かな恐怖を感じた。声を叫んでも誰もいない感じがした。次の日の朝を起きると汗でびっしょりだった。おねしょじゃなくて良かったよ。思ったよりも曇り空だ。学校に行く
2019年4月25日 12:23
帰り道もスゥとぺレーダと、ケリーも一緒だ。ちなみにケリーは僕の好きな子だ。金色の髪の毛にピンクのリボンが似合う子で、ちなみにお姉ちゃんも可愛い。帰り道にぺレーダに聞いてみた。「なんで隣国の人たちって火を出してるんだろうね」「きっと面白いイベントでもやってるのかも」「なにそれ!隣国行きたくなった!」そんなことを話していると、ケリーの家についた。黄色い綺麗な家だ。家の前には愛
2019年4月24日 00:20
遅刻寸前の大慌てだ。今日は晴天だ。おかげさまで汗もダラダラ。ランドセルの中身は曖昧だけど、とりあえず走った。家を出てすぐにちょっと前にいる凹凸のある集団に追いついた。「おはよ!」「なんとか間に合ったね!」いつも仲良くしているスゥとぺレーダに合流した。ちなみに僕の名前はハンク。今日も寝坊しそうだったけどギリギリセーフだ。「学校では人気者!」だと思ってる。スゥは僕より身長が
2019年4月21日 11:24
Day35 「行ってきます」 ようやくこの道にも慣れた。 ゴミゴミしていた満員電車とはお別れして、今は自転車通勤だ。 仕事場は相変わらず無音でパソコンを打ち込む場所だが、同僚は恵まれているみたいだ。 可愛い子もいて、眼福だ。 新しい職場に来てから他の社員にランチに誘われることが圧倒的に多い。 ゆえに昼のお弁当は休憩中だ。 仕事を終えてまだティッ
2019年4月20日 15:20
Day17「スタート!」次の日から空き時間を使った荷造りが始まった。汗と彼女の機嫌との勝負だ。引越しというのは、やけにめんどくさい。僕はギリギリにバタバタするのは嫌なので、かなり早い段階で進めておく。彼女も同じ性格だが、家でバタバタするのが苦手なタイプだ。”家はくつろぐ場所”らしい。こんなの業者に任せたいという人間だが、今回はなんとか説得した。近くのケーキ屋さんの期