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あの色の空は綺麗だった【9】

あの発言のあと、あそこにいた全員が工場に連れていかれた。
ただ、ひたすらに工場で細かいパーツを組み立てる仕事をさせられている。

大人も子供も関係ない。
ちゃんと仕事をしなかったら大人に叩かれる日々だ。

働き始めて1ヶ月経ったが、先も何も見えない。


数ヶ月前まで学校に行き、遊んで帰る日々だったのに。
今はよく知らない大人に叩かれて、
必死によくわからないものを作られている。

この期間で、ケリーとその家族が無事だったことは幸いだ。

ケリーがこちらを見ている。走って話しかけに行ってみると
泣きそうな声で「もう帰りたい」と小さな声で泣いていた。

それでも僕らは帰る場所がない。
あの日以来、自分たちの村がどうなっているかは理解できていない。

僕を見張っている強面のおっさんに話しかけに行っても
何を教えてくれない。

1日が終わると、よくわからない個室でみんなで眠る。
この繰り返しだ。

ケリーが泣いたあの日の午後。
ボロボロになった市長さんが皆のところに帰ってきた。

ボソッと「村に帰れる」と村長さんが言葉を放った。
どうやら明日もう一度自分たちの村に帰られるらしい。




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