あの色の空は綺麗だった【7】
「今僕らはどこへ向かってるの?」
「隠れる場所もないから逃げるよ!」
「隠れる場所?」
僕の中で聞き覚えのあるワードだった。
そうだ。あの場所なら、この国の人にも
隣国の人にもバレることは絶対ない。
なんてたって、3年間誰にもバレなかった場所だ。
きっと隣国の人にもバレるわけない。
そして、スゥとぺレーダもそこにいるはず。
「隠れられる場所知ってるよ!」
走りながらそう伝えたが、「いいから走って!!!」と
手を引っ張られてしまった。
後ろから大きな悲鳴が聞こえた。
馬の鳴き声と共に馬車がこちらに向かってくる。
「どけー!」と顔を真っ赤にした太めの男が
大きな声を上げている。
馬車に乗って逃げるくらいだ。きっと金持ちだろう。
馬に引かれてボールのように飛んだ人もいた。
本当にひどい映像を目のフィルムに焼き付けている。
言葉を失うようなシーンばかりだ。
いっそ映画だったら楽なのに。
とにかく母親に連れられて走った。
隣町の関所の近くまできた。
母親も僕も汗と泥にまみれている。
どうやら隣町に逃げ込むとなっており、市長が話し合っているらしい。
次の瞬間、大きな爆音が鳴った。
あれはちょうど学校らへんだ。
かなり大きな爆風だ。おそらく学校はもう・・・。
空が見えなくなり、大きな爆煙が舞う。
雲なのか、爆煙なのかわからないほどに。
それにスゥとぺレーダにも会えていない。
子供の叫び声と妙な暑さがあったことだけは鮮明に覚えている。
上を向いている人はいなかった。
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