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【アイドル新歴史学】 ガールズ・トリオ史序説。

「ガールズ・トリオ」というフォーマットにおける最高峰のひとつは、
言うまでもなく「ダイアナ・ロス&シュープリーム」である。

そして「裏」の最高峰は「マーサ&ザ・ヴァンデラス」である。

マーサ&ザ・ヴァンデラス

さらに歴史を遡れば、
「ハミルトン・シスターズ・アンド・フォーディス(後にスリー・X・シスターズと改名)」が1920年代に登場し、
その後「ボスウェル・シスターズ」や「アンドリュー・シスターズ」が1930年代からシーンに登場している。

因みに、日本が誇るオールドスクール・ガールズ・トリオ「かしまし娘」の結成はロネッツの結成より3年早い(1956年)。

加えて、
ポインター・シスターズやらスリー・ディグリースやらTLCやらディスティニーズ・チャイルドまで、
日本ならキャンディーズやらパフュームやらベイビー・メタルまで有象無象のグループが、ガールズ・トリオの歴史ピラミッドを形成している。

そして、そのグローバル「ガールズ・トリオ」史のピラミッドの「頂点」に君臨するのが「三人祭」である。

人類史上、「ガールズ・トリオ」という形式において、
彼女らは「究極の完成形」と言えよう。

それは、「あややではなく、加護ちゃんをセンターにする」という奇跡のフォーメーションの段階で、他の追従を許さぬ圧倒的な高みに達している。

左右に「あやや」と「石川梨華」が居る、という東大寺の金剛力士像の如き布陣の強力さは筆者の知る限り歴史上類を見ない。

東大寺 金剛力士像

さらに、楽曲と、このトリオのマリアージュの豊穣は、かの全盛期のモータウン・レーベルですら遠く及ばない、21世紀初頭の「第二期アイドル・ルネサンス期」の日本が生んだ奇跡である。
※「第二期アイドル・ルネサンス」については、下記の拙論を参照されたし。

その後、何人かのハロプロ・メンバーが三人祭の珠玉の名曲『チュッ!夏パ~ティ』をカバーしているが、
冒頭の「朝早くお出かけね」を「あ~さ~はやく~」とリズムに対してフロウする加護ちゃんに対して、
後にカバーしたハロプロ・メンバーは「あっさ、はやくっ」とリズムを切ってしまっている。

また「お出かけね」の「おっ」を食い気味に引っかけて入る加護ちゃんのリズムを出来ているメンバーも同様に居ない。

だから何なのだ?という話ではあるが、

今、改めて、この究極のガールズ・トリオの凄味を再評価する時期にあるのではなかろうか。

完。

※註:ハロプロは今も昔も「ライブ・ヴァージョン」の方が完成度が高い。
そして「ハロプロ史上最高」の振り付けも再確認されたし。
また、ハロー・プロジェクトには「プッチモ二」という、
ファット・ボーイ・スリムを筆頭とするエレクトロ・ミュージックの一形式である「ビッグ・ビート」でデビューしたガールズ・トリオも居ることも特筆しておきたい。


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