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【読書】『白馬山荘殺人事件』東野圭吾(著) 光文社文庫

『白馬山荘殺人事件』
東野圭吾(著)
 光文社文庫

あらすじ
「マリア様が、家に帰るのはいつか?」謎のメッセージを残して兄は自殺した。妹のナオコは友人のマコトと信州白馬の『まざあ・ぐうす』を訪れ、兄の死の真相を探ることに。英国風のペンションに集う、事件に居合わせた人びと――。彼らは何を求めてここに集まるのか? 兄はなぜ死んだのか? 密室トリックの謎とマザー・グースの暗号を解け! 東野圭吾初期の傑作長編!

タイトル︙『白馬山荘殺人事件』
著者︙東野圭吾
出版社︙光文社(光文社文庫)
ISBN 978-4-334-79042-4(新装版)
ISBN 978-4-334-71122-1(カッパ・ノベルス)
1990年4月発売

光文社HPより引用

東野圭吾さんの作品としては3作目、光文社としては1作目の本書『白馬山荘殺人事件』。

まさに王道ミステリー。過去のインタビューでも著者東野圭吾さんはこのように語っている。

 古典的な道具立てを使った本格ミステリ。当時は骨董品のような小説を書く人がいなかったから、ちょっとやってみようと思ったんです。マザーグースを取り入れたり、密室を使ったり...。クラシカルなものを意識して書きましたね。
 でも売り手側としては、それでは売れないと思ったんでしょうね。元々は架空の場所にある山荘が舞台だったんですけど、説得され“白馬”にある山荘にされてしまいました。当時はまだ“新本格派”と呼ばれる人たちが出てくる前で、どっちかというと、トラベルミステリなんかが脚光を浴びていた時代でしたからね。
(注釈)『野性時代』vol.27、2006年インタビュー、『東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver.』編:東野圭吾作家生活35周年実行委員会(講談社文庫)より転載

山荘、密室トリック、マザー・グースと古典ミステリーの王道中の王道。
トリックを解きながら物語は進んでいく。特に後半はラストに散りばめられたピースを組み合わさって一気に読み進んでしまう。
人間とは愚かな者だと思わせながらも、さっぱりとした読後感が東野圭吾ミステリーだと思う。

ドラマ化や映画化されていないのが不思議な作品であると思うが...知らないだけで映像化されいるのかもしれないな。



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