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死ねない男【ショートショート】
ホテルの一室。下っぱの俺は上からの依頼で中学生位のませたガキと一緒にいた。「ねえおじさん。明日はどこへ行くの?」「さあな。おじさんじゃねえから分かんねえ」「なにそれ」このガキは人をやたらめったらおじさん扱いし、下らないことを一日中聞いてきた。だから今日はめっきり疲れた。そんな悪いわけでもなかったが。
プシュー
突如、部屋の隅から異音が聞こえた。振り替えるとそこから毒々しい色のついた煙が流れ込んでき
全力で推したいダジャレ【#毎週ショートショートnote】
「ついにこの時が来たな!」
緊張している私にマネージャーが意気揚々と話しかけてきた。
「ずっとみんなに知ってもらいたいって言ってたからな!本当いいチャンスに恵まれたよ!」
しかし、私は不安を拭えずにいた。
「マネージャー、もしこれがみんなに受け入れて貰えなかったら…」
「心配することはない!あれだけお前が好きならきっとみんなも好きになってくれるさ!何しろその為に全力で頑張ってきたのを一番近くにいた
音声燻製【#毎時ショートショートnote】
ある日、モクモクと町中に謎の煙が発生した。次第に煙は街を包んでいった。煙不思議と吸っても苦しくなく、人々はそのまま普通に生活を送っていた。
異変に人々が気付いたのは煙が街に充満してから一日に経ってからであった。
相手が何を言っているか分からない。街の人々は口々にそう言っていた。曰く、相手が喋っている言葉がまるで異星人の言葉のように感じられ、理解が出来ないみたいだ。
字は変化がないようなので人々は皆
毒吐く南瓜【#毎週ショートショート】
「うるせぇ!うるせぇ!」
畑から怒鳴り声が聞こえてくる。
農家が何事かと鍬持ってやってきた。
そこにあるのは1つの南瓜。
どこから声が出ているのか。南瓜の周りを見渡したけど穴らしき穴は見つからない。
なんて不思議な南瓜なのだろう。農家はカラス避けになると思い、この南瓜を保管することにした。
農家は納屋に南瓜を置いておくことにした。
「うるせぇ!うるせぇ!」
怒鳴り声一晩中外へ響いていた。
農家は納
告白雨雲【#毎時ショートショートnote】
雨が降る。
それはあの日と同じ寒雨だった。
学校の帰り道での出来事だった。私はふと段ボールに入れられた子猫を見つけた。子猫は段ボールの中で弱々しくミャンミャン鳴いていた。子猫にとってそれは悲鳴であり、哀願だったのだろう。
ふいに子猫と目が合う。いつもならとても可愛らしく思うはずなのに、その目からはぐにゃぐにゃとした恐怖を感じた。
理由は簡単だ。うちでは動物を飼うことが出来ない。だから私は目の前の
みなさんと仲良くなりたいので毎日5作品位にコメント残していこうと思います。習慣になればいいな。
棒アイドル【#毎週ショートショートnote 】
「なんでこんなことになったのよ…」
ステージの上に立つ私の目の前には無数の棒が広がっていた。
たまに特になにもしていないのに生き物に自然と好かれる人間がいる。目の前の光景は理屈としてそれと同じらしい。
…なにいってるんだバカめが。
私はこの光景を見るためにアイドルになったのではない。まわりにチヤホヤされて最終的に実業家や社長みたいなお金持ちと結婚するためだ。
こんな黒一色の棒畑は望んでいない。
献立【超ショートショート】
ハハッハッハハッハッハ!
ンッンッンーンッンンッンー!
ババババッババッバババー!
グッグックーグッググッグー!
ゴゴゴゴゴーゴー!
ハハハハハーハー!
ンンンンーンッンンー!
僕は額の汗を拭った。
完璧だ。どうだと言わんばかりに母親の顔を見つめる。
「あんた食べいたいものあんなら普通に言いなさい」
C-3POとドクが日本に来るって話
皆さんはコミコンを知っているか。恥ずかしながら私は二日前まで知らなかった。
コミコンとはコミックコンベンションの略でアメリカのニューヨークから始まった漫画を中心としたポップカルチャーのイベントである。主に海外の作品が中心で現在はフランスやイギリス、中国でも開催されている。
安心していただきたい。日本でも行われている。しかも今年でなんと6回目にもなる。コロナの影響で何年間か中止になっていたものの、今
ジュリエット釣り【#毎週ショートショートnote 】
「まだやってるのか」
呆れながら俺は友達である沙翁に声をかける。
「いやーなかなか難しいね」
沙翁は釣竿を海辺から引き上げた。先端には西洋風の男のルアーがついていた。
「エサも上質で死なない毒薬を使ってるんだけどな。なかなかこっちに食いついてくれやしない」
沙翁はルアーを俺に見せつけてきた。
「ん?おい、よく見てみろよ。これロミオじゃないぞ」
俺の言葉に沙翁は目を丸くした。
「これハムレットだろ。