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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.6

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#エッセイ

気づかれないけど、大事なこと

気づかれないけど、大事なこと

・実在する地方の町における、高校生たちのありがちな休日の過ごし方。
・食品加工場でありがちな辛い作業。
・ちょっとマニアックなスポーツについて、ファン同士はどんな会話をすることが多いか?

これらはいずれも、私が最近、脚本執筆のために調べたことです。
どれも、いざ調べるとなると、なかなか確からしい答えにたどり着けない。
「今どきネットでちょちょいと検索すれば大抵のことはわかるだろう」と、思われるか

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書けないときほど部屋はきれいになり、溜まった録画が減る

書けないときほど部屋はきれいになり、溜まった録画が減る

お正月明けに手がけた文章は、思いのほか難産だった。年末から続いている仕事で、締切はもとから年明けに設定していたので遅れてはいない。でも設定した当初は「年末か、年明けすぐには仕上げて余裕を持とう」という目標だったのに、全然達成できないまま締切直前を迎えた。

難産のタイプにもいろいろある。今回は材料がそろっていてあとは書くだけなのに、書くまでの時間がかかってしまった。いわゆる「腰が重い」というやつだ

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ヒーローは傷だらけ

ヒーローは傷だらけ

どうしようもないことに、いつまでも浸っていたってなにも生まれない。声をあげて上を向いた瞬間、霧の中に光が差した日。ふと、そんなことを思った。

昨日R-1ぐらんぷりで優勝した濱田祐太郎さんは盲目の漫談家。ネタの中には目が見えないことにまつわるエピソードが連ねられて、それがおもしろおかしく語られる。

賞金を意味のないことに使いたいんですよね、例えば3Dテレビとか買って、だまされへんぞ!とか言い

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言葉とその奥にあるものと伝わらないもの

言葉とその奥にあるものと伝わらないもの

ネットで「xxの本当の発音は〇〇だから、日本もそれに合わすべきじゃない?」というのを見てちょっと考えた。

そういうことを言い出すのは英語を得意とする人たちだ。他の言語の人はあまりそういうこと言わない気がする。(英語以外は全てマイナー言語の意識があるから?フランス人は言いそうだな)

「ゲイリーじゃなくて、本当はギャリーだよね」的な。まあ間違っていないとは思うけど。言葉ってそう簡単にはいかないよな

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愛すべきおバカ映画たち3選。

愛すべきおバカ映画たち3選。

映画っていいですよね。
知らなかったことが知れたり、
見たこともないような映像が観られたり、
物語に自分を重ねて感動したり。

楽しみ方は人それぞれだけど、
映画が持つちからって、すごい。

たくさんの映画たちの中で、
上質な人生の無駄遣いができる映画というジャンルがあります。
とても真剣に作られているのに、
観るとなぜか可笑しい。
深くない。
気軽に楽しめる。
そして観終わった後、そんなに何

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不思議なあの日々のこと

不思議なあの日々のこと

「今となっては何故だかわからないんだけど」と言いたくなるような不思議な日々が人生の中にはある。

自分の価値観を180度変えてしまうくらいの衝撃を受けた本や漫画が今となってはどこがいいのか理解できなかったりするし、身を削ってでも頑張らなきゃいけないと思っていたあの頃の自分のことを「なんであんなに必死だったんだろう、かわいいな」と思ったりもするし、身を焦がすような恋愛のことだってもうすっかり思い出せ

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Quick and Dirty

Quick and Dirty

物書きになる前に勤めていた会社で「Quick and Dirty」という考え方を教え込まれました。
一旦仕事に取りかかったら、なるべく早い段階で、大雑把でいいから「形にしたもの」を人に提示する。そうすれば問題点や改善点を素早く指摘してもらえて、「やり直し」の時間が短縮できるので合理的。
「丁寧にきちんと仕上げること」にこだわって一人でコツコツ作った挙句、後から根本的な問題点を指摘され、一からやり直

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脇目のススメ

脇目のススメ

会社員時代は、「細かい仕事をいくつも抱えている状態が苦手」と思っていました。
案件Aを進めている時に、つい案件Bの事が気になり、そっちに着手すると、今度は案件Cについて考え始めてしまって……という状況に陥りがちで、「Aをやってる時はAにだけ集中!」と、よく自分に言い聞かせていたんですよね。

でも今は、複数案件が同時に動いている状態も悪くないなと感じています。
案件Aについて考えたことや調べたこと

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風呂入れよ。歯磨けよ。

行きつけのカレー屋さん「カレバカ世紀」がお休みで凹み気味な末吉です。

思えば、「食べること」ってすごく大事な気がします。やっぱり美味しいものを食べたらHappyな気分になるし、忙しくてご飯を食べられないと気分が乗りません。「元気の源」的な存在ですよね。

また少し違う角度ですが、「歯磨き」もすごく大事なことな気がします。大事なことなのはわかるけれど、生来ズボラなぼくは、夜寝る前の歯磨きをチャチャ

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頼まれもしない仕事をしよう。

その文章を読んだが最後、しばらくのあいだ、頭から離れてくれないことばというものがある。腐れ縁の親友が部屋に居座ってなかなか帰ってくれない、そんな感じ。もちろん嬉しくて楽しんだけど、他にやることもあるんだけどなぁとちょっと厄介みたいな。今回のそんなことばはこれ。

もちろん、100%そのまんまこのことばの通りではないけれど、じぶん自身に当てはまる。しかし、当てはまるだけでは頭に居座ることはない。横尾

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雑草魂。

雑草魂。

三連休初日の深夜0:30過ぎ。鉛色の空が覆いかぶさるなか、小雨で湿った空気を張り付け最寄りのセブンイレブンへと足を運ぶ。小さいサイズのホットコーヒーを注文し、カップを受け取りコーヒーが注がれるのを待つ。こぼれないようにプラスティックの蓋をしめて、手のひらにぬくもりを感じながら来た道を引き返す。

薄暗い部屋のなかで、苦いコーヒーを口に含みつつ、キーボードを叩きはじめた。眠れなくなる心配や、カフェイ

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「弱ったなぁ」

「弱ったなぁ」

今日は3人の人たちの電子書籍の取材やらプロデュースの打ち合わせが連なっていた。その合間には、電子書籍出版社DNAパブリッシングの編集会議。毎日たのしみにしているお昼ご飯も食べれないほど、息つく暇もないスケジュールの日だった。

どの時間も一人ひとりの人の仕事やら人生に深くコミットする時間ばかりだ。その人の輝かしい実績やら体験、苦しく悲しんだ出来事などを、まるっと聞き続けることもある。( その人が意

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どこへも行かない感情たちの行方。

どこへも行かない感情たちの行方。

時刻は23時前。思ったよりも乗客の少ない、夜の山手線にぼくは乗っている。行き先は自宅の最寄駅・・・ではない。これから最後の打ち合わせ場所へと向かっている。帰宅は丑三つ時コースになるかもしれないぞ、というゲゲゲの鬼太郎の妖怪センサーばりの多忙センサーが警告している。ということで、膝の上にパソコンを乗っけてカチャカチャとキーボードを打っている。隣の人を気遣い、心なしか優しめにソフトタッチで。

この文

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