Nana

コーヒーと物語に振り回されている物書きです

彼らの幸せ恐怖症

有り余る想像は、飼い慣らさないと手に負えなくなる。この一連の流れで、どうやらやはり、存在には代えがいると実感したはずだ。 でもそれは悲しいことではない。むしろそ…

拝啓、

ひさしぶり、元気ですか。寒くて暑いところに引っ越してきて、もう一年が経ちます。斜め前には和菓子屋があって、朝と夕方には「ひかり号」という幼稚園バスがマンションの…

カレーライスの追い風

正直、あまり興味はなかった。そもそも辛いものが得意ではなかったし、というか頻繁に夕食に並ぶそれに、心躍ることはなかった。しかし十代が終わろうとする頃、わたしはド…

フィクションの境目

「今」が一番な理由なんて明確だ。経験と知識がいちばんあって、だからこそまだ知らないことが世の中にたくさんあること、それを知れる可能性があることを人生でいちばんわ…

すれ違い続ける、という永遠について

精神年齢が高すぎると言われた少年たちは、もういない。自由でいいねと雑な優しさで喩えられたふたりも、知らず知らずのうちにどこかの歯車になっていた。 大して変わっ…

罪深い過去

はやく気づけばよかったと思う。ただそんなものは、あの頃に戻っても気づかない。気づかなかったことこそが事実として残り続ける。そこにあるのは繰り返される現実、不可逆…